もんばんさんなのだぁれだ?
「むかしむかしあるところ、ある旅人がみち(道)をあるいていました」
「おとぎばなしなのか?」
「みちのさきに大きなもん(門)がありました。でも、それは閉まっていて、前に三匹のどうぶつがいます」
「やっぱり、おとぎばなしだな」
「一匹めはいぬ、二匹めはさる、三匹めはかに(蟹)でした」
「きじ(雉)ではなくかにならももたろーではないな」
「そのうちのどれか一匹が門のかぎをもっています」
「さるかに合戦なら、くりとうす(臼)はどうしたのだ」
「かぎをもっている生きものにわいろ(賄賂)をおくればとおしてくれるでしょう」
「ふせー(不正)はよくないぞ」
「げんじつはきびしいです。とおるためにはしかたがありません」
「なら、きびだんごだな」
「旅人はおむすびをもっています。でも、一こしかありません」
「そ、それはこまった」
「さて、しぃーちゃんはだれにおむすびをわたしますか?」
「待て、待つのだ。きゅーにふられてもすぐにはうかばない。
いぬといったらばんけん……いや、おまえのようなせーかくのねじくれたのが、そんなあんちょくなせつもん(設問)をするはずがない。
そうか、かにか! はさみをひらいたりとじたりするのが、もんのかいへー(開閉)のアナロジーになっているのだな!」
しぃーちゃんはきそちしきがすごいけど、おーようが苦手。
とんち(頓知)っぽいのにはまったくセンスがない。
あんまりまじめにかんがえすぎるから、こんなくだらないものなんてこたえれない。
「あれあれ、はずれかな。もんのかぎだから“モン・キー”つまりさるなんだけど、しぃーちゃんはえーごが苦手みたいだね。そんなんじゃこくさいか(国際化)してる現代社会にいきてけないよ」
「くっ、くやしいのだ~~っ!!!」
しぃーちゃんは床にころがって足をばたばたさせる。パンツがみえてることはいわないでおこう。
しぃーちゃんはやっぱりかわいい。しぃーちゃんを大女だとかばかにする男子はみんなばかだ。
わたしはたっくんを愛するおんなだ。
だがそれいじょうにしぃーちゃんを愛している。
――このさきずっと中学に入っても高校生になっても、
ずーっとずっとしぃーちゃんと一緒にいれたらいいな。
※言葉遊びがメインになってる本編はこれでお終いです。
※後は裏設定にもとづくオマケが2~3回つく予定です。