お風呂
本当に長い旅路だった。
ようやく家に帰ってきた。
ていうか、行きはあんなに苦労したのに帰る時はゲートを使用するなんて。
師匠は
「このゲートはこの村に来たことのある者しか入れないんだ。
僕1人だけだったらゲート魔法を使い簡単にくることが出来たけど今回は君を連れてくる必要性があった。
その理由は後で話すけど。
とにかく家に帰ろう」
と言い一瞬で家に帰ってきた。
正確には家の前だが。
私は新しくできた仲間と話がしたかった。
まぁ、これからすれば良いのだが、帰りの道中ペチャクチャしたかった。
女同士、新しくできた仲間同士お話がしたかったのだ。
つまりガールズトークを。
それにしてもこのたびの道中、女子が増えた。
元々、男子禁制の村、つまり女子しかいない村での仲間捜しのようなもの。
一気に女子の比率が上がった。
そういえばいつの間にか師匠は元の性別に戻っていた。
踊り子のフィローは
「師匠って男の子だったの!?」
と驚いていた。
そういえばフィローは師匠が女の子時代の弟子だったっけ。
師匠の本当の性別を知らなかった訳だ。
フィローは
「当時、師匠に旦那さんがいたからてっきり女の人かと」
え!?聞き捨てならないことを聞いた。
そんなことは初耳だ。
聞けば不老不死のショタ勇者だとのこと、一度で良いから会ってみたい。
師匠は
「その事は僕の黒歴史。
その当時僕は素性を隠すため性別を変えていた。
その時になぜか男の子に求婚されてね。
身を隠すための偽装結婚だよ。
その男の子には悪いけど。
だから結婚した直後に僕の素性を話した。
お詫びとしてかなりのレベルの勇者にしてあげた。
彼は僕の素性を聞いてもなんとも思っていなかった。
かえって鬱陶しいぐらい僕にスキンシップを求めてきた。
お互いなぜか不老不死の体で年を取らなかったし。
見た目は子供のままごとにしか見えなかったらしい。
その証拠に僕の弟子であるフィローの方が親に見えていたらしいから」
フィローは
「その男の子はかなりのイケメンショタ。
今の師匠と並んでも遜色ないと思うわ。
まぁ、私は男には何の興味も持たないけれど」
私は是非ともお会いしたいのだが
そうこうしていると師匠の幼なじみのレリーゼがやって来た。
レリーゼは開口一番
「遅かったわね。
昔の弟子を連れてくると言うから楽しみにしていたのに。
そこの2人が新しいあなたの弟子。
へぇ〜、2人とも可愛いじゃない」
と言った。
師匠は
「勘違いしないで欲しい。
この2人は弟子じゃないんだ。
ロフィーヤ(私)の面倒を見る師匠みたいなもの。
これからこの2人には僕の弟子をの面倒を見てもらいたいんだ。
流石に僕1人じゃ限界があるから」
レリーゼは
「それじゃぁ、親交を深めるためにはまずはお風呂ね。
裸の付き合いって奴。
そうすればお互い腹を割って話せるから」
私に有無を言わさずそのイベントに強制参加させられることになった。
もちろん女同士と言うことで師匠は参加なし、一体誰得なんだよ。
男の子と入るならともかく女の裸なんて見飽きている。
私自身1人で入るのが気が楽だし。
まぁ、実際男の子が入ってきたらパニックなんだけど。
森の中にある師匠のおうち。
その近くに露天風呂がある。
そこに私たちが入ることになった。
真っ先にレリーゼが素っ裸になって勢いよくお風呂に飛び込んだ。
その姿はまるで子供だ。
私より何倍も生きてきた人だとは思えない。
その次に入ったのはフィロー。
元男の子とは思えないエロい体。
女の私でも顔を赤らめてしまうほどエロい体だ。
肌も綺麗だし、私よりも胸があるし、まさに理想の体だと思う。
私が見惚れているとフィローは
「どうしたの?
早く入りなさいよ」
と言ってきた。
その顔はまさにエロおやじのような顔。
普段は均整の取れた美女の顔つきだが今はエロおやじの顔だ。
そういえば恋愛対象は女性だったっけ。
それにしても黙っていれば美人なのに今は本当に残念。
私がお風呂に入ってからしばらくしてオトエメが入ってきた。
オトエメは
「何露骨に残念そうな顔をしているんだよ」
と私に聞いてきた。
私は
「正直に言うね。
オトエメは実は男の娘だって密かに期待していたの。
だって、お風呂に入るのに結構時間がかかっていたし。
本当は男の娘だって言うことで入るのに逡巡していたんじゃないのかって密かに期待していたのに。
本当は女の子って。
本当、世の中は非情すぎるね」
オトエメは
「何言ってるの。
お風呂に入るのに時間がかかっていたのは僕の服は脱ぐのに時間がかかるからだよ。
確かに僕の声は女の子としては低いかもしれないけどちゃんとした女子だし。
ていうか本当に何言っているの?」
私は
「私の夢はね、ショタに囲まれて死ぬことなの。
成人男子は要らない。
イケメンショタ天国を作ることなの。
師匠はまさに私の理想の男の子。
そして少年声のあなたが本当は男の娘だって言うことで私の計画が進む予定だったの。
それが本当の女の子だったなんて。
本当に残念だわ」
オトエメは
「本当に何言っているの?
正直キモいしヒくわ」
と呆れていた。
フィローは
「趣味は違うけどあなたの意見には共通することがあるの。
ここにはあなた以外ロリばっか。
正直ロリには興味がないの。
私は成人女子に囲まれて死ぬことが夢なの。
それも美女にね。
目的は違うけどあなたを応援するわ」
レリーゼは
「お風呂に入る目的は腹を割って話すことだって言ったけど性癖を披露する場所じゃないの。」
と言って呆れていた。
レリーゼは
「明日から今まで以上に厳しい訓練が待っているわ。
覚悟しなさいね」
お風呂から上がり私は床に就いた。
明日から修行が始まる。
その前に私の部屋で女子同士のパジャマパーティが私を差し置いて始まっていた。
正直、話し声で眠れない。
ていうか、早く私の部屋から出て行ってくれないかなと思いながら眠りに就いた。