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ロリ車椅子

 私の師匠はメチャクチャかっこいい。

見た目が子供ながら大人ぶるその姿はとてもかっこいいのだ。

(もちろん中身は大人なのだが)


 修行はとても厳しい。

いつも朝早く起きてから夜遅くまでの修行だ。

それでいて師匠は体力の尽きることがないのか毎日元気だ。

それに今までしてきたからと家事一切をさせてくれない。

料理一つでさえさせてくれないのだ。

師匠は私の料理の腕前が信用できないのだとか。

それに家事一切がスペシャリストの腕を持つ師匠。

もちろん、料理もメチャクチャ美味しい。

だから私の出る幕がないのだ。


 それにしても師匠は車椅子ながらよく働く。

まるで車椅子がないかのよう。

その動きは私たちとさほど変わらない。

むしろ、師匠の方が機敏なぐらいだ。


 師匠はとても強い。

技の一つ一つが私よりも数段上だ。

かなり基礎が練られている。

基本的な体術、魔術が最上級レベルなのだ。

私がこのレベルに達するまでには一体何十年かかるのだろうか。


 そして、私はいつも師匠を誘惑している。

それは師匠が可愛いから。

正確にはカッコカワイイと言うべきか。

しかし、師匠は私が抱きついても興奮もせず、一緒にお風呂に入ろうと行っても口では「男と女が一緒に風呂には入れる訳がないだろ!!」と言っているが私が裸でうろつこうとも顔色一つ変えない。

前の奥さんが言っていたとおり、性には一切興味がなさそう。


 さて、私が今回これだけ師匠のことを言うのには訳が有る。

それは今日は朝から師匠がいないと言うことだ。

師匠は何処に行ってしまったのか分からない。

とにかく今日は師匠成分が足りないのだ。


 その代わり、なぜか車椅子の少女が師匠の部屋にいた。

その女の子は

「何を突っ立ているんだ!!

今日も修行だぞ!!」

と言っていた。

そしてその女の子は私がキョトンとしている間にさっと朝食を作ってくれた。


 そして、いつものように修行が始まった。

見知らぬ女の子の指導の下に。


 とにかく、今日は修行が厳しかった。

その女の子は

「何をボーッとしているんだ!!

遊びじゃないんだぞ!!」

カワイイ声とは裏腹の厳しい言葉で私を叱った。


 それにしてもこの女の子は誰なのだろうか。

師匠との共通点は車椅子だと言うこと。

それ以外の共通点はない。

確かにこの女の子は世間一般で言うと可愛いのだと思う。

しかし、私は女の子に一切の興味がない。

早く、師匠が帰ってこないかと思案しているとその女の子が修行終わりで疲れている私の部屋に入ってきた。


 「今日はどうしたんだ!!

いつも真剣に修行を取り組んでいるのにたるんでいるぞ!!」

とその女の子は私をたしなめてきた。

そこで私もその女の子に疑問を呈してみた。

「ところで、あなたは何者なの?

師匠の代理と言うことは分かるのだけど。

私はあなたが誰なのかが分からない。

それで今日は所行に身が入らなかったの」

と聞くとその女の子は

「何を言っているんだ。

僕は君の師匠じゃないか。

師匠の顔を忘れたのかい?」


 「!?」

私は一瞬混乱した。

師匠は女の子だったのか。

いや、違う。

私は師匠の体をはっきりと見ている。

(のぞきでだけど)

間違いなく男の子だった。

では師匠が女装癖でも持っているのだろうか。

それも違う。

師匠が女装したところなぞ今まで1回も見たことがない。

ましてや隠れた趣味だったらこの女の子のように堂々としている訳はない。

それにこの女の子の声は裏声とか無理して出している声ではなくではなく紛れもなく自然なカワイイ女の子の声だ。

師匠の声とはまるで違う。


 私が戸惑っているとその女の子は

「あ!?」

と声を上げた。

そして

「この姿を見せるのは初めてだったか。

ごめんごめん。

前に僕が女神の加護を受けた話をしたよね。

その話をもう少し詳しく説明すれば良かった」

とその女の子が話し始めた。

「僕は子供の頃に女神の加護という呪いを受けたという話を前にしたと思う。

僕はその時、不老不死という呪いを受けたんだ。

それともう1つ呪いを受けたんだ。

それは定期的に性別が変わる呪い。

これが凄く厄介で今ではコントロールすることが出来たんだけど最初の頃は本当に大変だった。

一応言っておくけど今は意識して性別をコントロールすることが出来るから安心して。

だから訳あって、今は女の子なんだ」


 師匠が性転換していることは今の説明でなんとなく分かった。

そして元の男の子にいつ戻るのかを聞いてみた。

師匠は

「これから元弟子に会いに行くことになっているんだ。

その場所は男子禁制の女性しかいない村さ。

その村は文字通り男は入ることが出来ない。

だから性転換する必要性があるのさ。

君にも会わせたい兄弟子だから君もいてきてね。

面白い人だからきっと気に入ると思うよ。

それにこれから会う弟子はもう一回、一から修行し治したいと言っている人だから

妹弟子として一緒に暮らすことになるから。

よく兄弟子の言うことを聞いておくんだよ」


 師匠の話を聞いてなんとか今の状況を納得できたかなと思う。

私の兄弟子はどういう人なのだろうか。


 ていうか、男子禁制の村に兄弟子?てどういう意味なのだろうか。

どちらかというと姉弟子と言った方が良いような。

師弟制度の世界だと兄弟子とでも言うのだろうか。

ちょっとした疑問を描きつつ私は床に就いた。





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