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伝説の勇者

 私の名前はロフィーヤ。

長い髪が自慢の女の子です。

今、私は旅に出ています。

結構長い旅路。

国を出て半年が経ちました。

いろんな人が私に優しくしてくれます。

とても心地良い旅路です。


 ではなぜ私が旅をしているのかというともちろん理由があります。

私は自分の国で唯一の勇者の学校の出身です。

国で唯一の学校と言うことでかなりレベルが高く入るのにかなり苦労しました。

男ばかりの勇者の学校です。

私が女だと言うことでかなり学生生活は苦労しました。

そしておかげさまで首席で卒業することが出来たのです。

そして卒業式の時に先生から進路のことを聞かれました。

進路のことが定まっていないのは私だけ。

でも心は決まっていました。

伝説の勇者の弟子になることに。


 伝説の勇者とは70年ぐらい前の大戦で大活躍した勇者です。

沢山の犠牲者が出ましたが、大戦を終結させ今日の平和をもたらした勇者様です。

その力は強大で世界中の誰も超えることの出来ない神の領域とも言われています。


 しかし、問題は年齢です。

現在は100歳を超えている高齢なお方です。

寝たきりの状態だとも聞いています。

なんとか生きている間にお目にかかりたい、そう私は願っています。


私が先生に伝説の勇者について聞いてみると先生は

「止めとけ。

今はかなり高齢でしゃべることもままならないらしい。

会うだけ無駄だ。

しかもその人は弟子を一切取らなかったらしい。

だから行っても何の役にも立たないよ」

と忠告された。


 しかし、私は諦めない。

どこに住んでいるのかも分からない状態だが、そこは私の情報力を持って半年間、彷徨さまよっているのだ。


 しかし、私はただ闇雲に彷徨っている訳ではない。

ようやく伝説の勇者の情報を得たのだ。

その情報はある山奥にお孫さん(ひ孫?)と一緒にひっそりと暮らしているというもの。

その場所はある町外れにあるらしい。

私は期待を信じてそこに向かった。


 そこは山小屋だった。

確かに街からは外れていたが街はそう遠くない場所、ひっそりと暮らしながら生活するには申し分の無い場所だ。

私はしばらくその山小屋を観察した。


 その山小屋から誰かが出てきた。

年は10歳ぐらいの子供だろうか。

よく見ると車椅子に乗っている。

街の噂通り、この子がおじいちゃん(勇者)の世話をしているらしい。

しかし、車椅子の子に面倒見させるなんてかなりかわいそうな気がする。

しかも10歳ぐらいの子だ。

他に面倒を見る人はいないのだろうか。

これも街の噂だが伝説の勇者はかなり偏屈な人らしい。

人嫌いとも。

だからこの子1人しか面倒を見る人がいないらしい。

私は一抹の不安を覚えた。

しかし、ここまで来て追い返されるつもりはない。

私は意を決してその家を訪ねた。


「は〜い、どなたですか」

そう言ってドアは開いた。

応対したのは例の車椅子の少年だ。

「人が訪ねてくるなんて珍しい。

この家に何か用ですか」

少年はそう訪ねてきた。

よく見るとこの少年はかなりの美少年だ。

車椅子に乗っているからはかなく可憐な美少年と言うべきだろうか。

私の周りにはこういう男の子はいなかった。

私は一瞬で一目惚れをしてしまった。

(変な意味ではなくただただかわいいという意味で)

その男の子は

「どうかしたのですか。

ボーッとして。

この家に何かようですか」

と改めて聞いてきた。

私は我に返り

「この家に伝説の勇者様が住んでおられるとお聞きしました。

どうか一目でも会わせてくれないでしょうか」

その男の子は

「あ〜、おじいちゃんですか。

残念ながら会わせることはでいません。

しかし、あなたのお噂は聞いています。

あなたの名前はロフィーヤ、勇者の学校を男ばかりの環境の中、主席で卒業なされた才女だと。

そしてこの街に来た時からあなたの存在に気づいていました。

もちろん、この家を数時間覗いていたことも。

僕はあなたに興味があります。

あなたの力量は分かっているつもりですが試験を行いたいのです。

その試験に合格したら僕はおじいちゃんに会わせます。

どうですか」


 私がポカンとして聞いていると少年は思い出したように

「あ、これはおじいちゃんに言えと言われたことで他意はありません。

おじいちゃんの弟子に相応しいかどうか僕が判断します。

パーソナルデータについてはあなたの学校から送られてきたものを話しただけです。

それだけあなたの学校はあなたに期待しているということ。

どうですか最後の試練をお受けになりますか」


 私は戸惑ってしまった。

もちろんいろんな想定をしていたのだがいわゆる最後の敵が車椅子の美少年だということ。

そしてこの車椅子の少年が一体何者なのか。

ただただ、この少年はカワイイ、抱きしめたい、そう思いながらその思いをこらえつつ、私は戸惑っていた。


 しかし、最後の試験だか試練だか知らないが勇者の学校を首席で卒業、腕っ節だってそんじょそこらの男子だったら無敵の私が一体何を試されるのだろうか。

自慢じゃないが顔だってモデル並みにかわいいし気立てだってそんじょそこらの女の子よりも全然良い。

私は学力も武力も女子力も最高の女の子なのだ。

(ちょっと調子に乗ってすいません。m(_ _)m)

とにかくどんな試練だってへっちゃらだ。

そう思い私は試練に挑んだ。




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