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第一話 異世界っていいよな。





ある夜、1人の少年と2人の少女達が大勢のゴブリンに囲まれていた。

少年が「シェル!」と呼んだ少女は白銀の美しい長髪に、

蒼い目を鋭くゴブリンに向け、「アタシ達の寝込みを襲うなんてあなた達生きて返さないわよ!」

そう言ってお得意の召喚魔法を使う「出ておいで!プリンちゃん!」その瞬間地面に現れた魔法陣から大きな熊の様なモンスターが出てきて周りのゴブリンを蹴散らした。

「いい加減どうにかならないかにゃ〜シェルちゃんのおかしい名前の付け方」馬鹿にしながら言う少女はショートボブで茶髪の猫耳獣人である。名前は"アイラ"。

「おい、お前ら喧嘩なんかしてねぇでさっさと歩けよ。」この美少女達に喝を入れてるのが俺、"島野ナギサ"だ。どうして俺がこんな現代の日本とはかけ離れた所にいるかと言うと…それは2年ほど前になる。



----"僕"は至って普通の男子中学生(14歳)だった。

昔から女の子みたいな見た目だった。だからクラスの男子はこぞって僕を馬鹿にするし、女子は僕の事を男子扱いしないでからかってくる。うん!全然普通の男子じゃないな!そんな僕にはひとつだけ夢があった、"強い男になりたい!"何故こんな夢を持ったかと言うと僕には生まれつき父親おらず母さんだけが僕のことを育ててくれた。だからそんな母さんを助けるためにも僕は強い男になりたかった。僕の父親は極道の人間だったらしいが…。

だけど現実は女の子みたいな見た目だし背も大して大きいわけでもない、運動は得意だけどそれ以外はダメ。

そんな厳しい現実の事を考えながら家に帰り部屋のベッドに顔を埋めた。「あーあ、母さんはパートで遅くなるし適当にご飯食べて寝よ。」

その夜、僕は変な夢を見た、真っ暗な空間にひとつの光が灯るとそこには美しい女性が立っていた、とても大きな胸が衣服を突き破らんばかりに主張しているまさに男子なら一度は想像する様な完璧なスタイルの女性は少し僕ら人間とは違うものを持っていた。

背中には純白の翼が生えていて、頭上には輪っかのようなものが浮いている。「て、天使!?」僕は驚いて足を産まれたての小鹿の様に足をガクガクさせながら叫んだ。

「そんなに驚かなくてもいいじゃない…そりゃ私だってもう立派な大人だしそろそろ結婚とか色々考えなきゃいけないし、若い子達からは…」うん、色々と心の声が聞こえてる気がするけど、これは黙っていよう。

関わると面倒な感じだし…逃げよう。極力影を薄くしてそろりと逃げようとすると、「ちょっと待ちなさい。」「チッ」見つかった。「ちょっとあなた!今私に向かって非常に失礼なことしたわよねぇ!」想像以上に面倒臭いヤツだった。

「ほら!今だって絶対失礼な事考えてるもん!」涙目でこっちを見てくる。はぁ…最近疲れてたのかなぁ、夢でもこんなものを見るなんて…。

「で、どうしてあなたは僕の夢に出てきたんですか?」まぁ、話しが進まないので、天使?的な女性に聞いてみる事にした。「む〜、まあいいわ。私の名前は"ガブリエル"神の言葉を伝える仕事をしてるの。あなたの夢に出てきたのも神の言葉を伝えるためよ。」

「それで…神の言葉と言うのは?」興味本意で聞いて見た。「あなた、明日死ぬわよ。」うん!やっぱり体が疲れていたみたいだ!だって僕は健康体そのものだし有り得ない話だもんね!あははははは!

「はぁ…どうやら信じてないようね。仕方ないわ。明日身を持って体験する事ね。」そう言ってガブリエルは徐々に光に包まれながら消えていった。そうして僕は夢から徐々に覚めて目を開けた。

部屋中に目覚まし時計の音が響いていた。午前6時。いつもの時間に起きて少しぼけーっとした頭で制服を着て、母親は深夜のパートでまだ寝ているので一人でトーストにマーガリンを塗っていつもの朝食を食べて歯を磨き、家をあとにした。

「ナーギザ!」学校までの通学路を歩いていると、突然後ろから猛烈なタックルをされた。僕は涙目になりながら後ろを見る…はぁ、一番会いたくない人に会っちゃった…。 普通のラノベならこういう場面で幼馴染の女の子とかが出て来る展開ではあるが、僕はそんな人生イージーモードなラノベ主人公では無くていつも人生ハードモードなモブキャラの様なキャラである。つまり、今僕の前にいるのは僕の事をいつも馬鹿にしている男子のリーダー格"風間ハルキ"が不敵な笑みを浮かべて立っている。

「な、何かなぁ?風間君。」恐る恐る顔を見ると、「相変わらず女みたいな見た目しやがって。」そう言いながら僕の髪を掴んできた。「い、痛いよ風間君!」僕がこんな目に合っていても他の生徒は目を逸らして見て見ぬふりをしている。無理もない。だってこの人、僕の学校の理事長の息子だからだ。逆らって手を出せば退学されるかも知れない。先生だって同じ。そりゃ誰だってこんな厄介事に首を挟みたくないだろう。「オラ!さっさと歩けよこの男おんな!」ハルキがそう言って横断歩道を歩こうとした時、一台のトラックが信号無視でハルキに突っ込んできた。

「ひ、ひぇええええ!!」ハルキがその場で立ちすくんでしまった。その瞬間僕の体はハルキを助けようと動いていた。僕は別にこいつに借りなんかない、いつもいじめられていたけど、母さんの言葉を思い出したからだ「父さんはね。どんな時も人を助ける勇敢な人だったよ。」母さんは父さんの誕生日の日には必ず言っていた。父さんの死因は車に引かれそうな子供を助けたかららしい。心なしか勇敢な無き父親に憧れていたのだろう。だからなのか今僕はハルキを突き飛ばし見事ハルキはトラックに引かれなかった。その瞬間僕は安堵したが、すぐに次に起こる事が予測出来た。僕はすぐ目の前に来ているトラックを見ながら目を閉じた。



----それからどれくらいたっただろう。気が付くと昨日見た夢の様な真っ暗な空間にいた。そしてまた昨日と同じ様に光が灯って天使ガブリエルが登場した。「ほら、昨日言った通りに死んだじゃない。」

「ほ、本当に僕は死んだのか?!」う、嘘だろ…まだ14歳だし母さんに恩返しもできてない…。

「ええ。あなたは死んだの。でもね、ひとつだけ生き返る方法があるわ。それは…ここでは無い他の世界で魔王を倒すことよ。」「は?」なに言ってんのこの天使。僕が魔王を倒す?いきなり死んでこんどは異世界に行って魔王を倒せなんて、何がなんだか全然わからないんだが。

「まぁ、生き返りたくないならさっさと成仏してくれないかしら。こっちもその方が楽なのよね〜。」ずいぶんと失礼な天使である。まぁせっかく生き返れるチャンスがあるなら僕はこの無理ゲーを受けようじゃないか。そこで強い男になって母さんを助けられる様になろう!「や、やります!僕は魔王を倒して絶対に生き返ります!」「ならこの魔方陣の上に乗ってちょうだい。あ、あとあなたのお父さんも向こうの世界にいるから会えるかも知れないわね。」までぇぇぇえ!父さん居るのか…でも僕が産まれる前に父さんは亡くなっているからあってもわかんないよな。そんな事を考えながら僕が魔法陣の上に乗った途端に体が光に包まれていった。「言っとくけど向こうで死んだら生き返る事できないから。」はぁぁぁぁあ!?最後に一番重要な事を言いやがった。本当に無理ゲーじゃないか…。最後に天使に物申そうとしたが間に合わず天使は姿を消した。次に見た光景は紛れもない絵に書いたような異世界だった。

初投稿させていただきます。

誤字脱字につきましてはぜひご指摘ください。

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