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【短編集】

チャットかいだん:ゆきおんな

作者: 中村尚裕

「やけに冷えてきたな……」

「( ^^) _旦~~」

「あ、どうもありがと」

「温めて」

「へ?」

「私を、温めて」

「君、誰?」

「雪女」


「それなら俺様の熱い熱い下半身で!」

「18禁却下」

「雪女ってな素っ裸の美女って相場が決まってるだろ!」

「これチャット」

「眼福すらお預けかよ?!」

「そもそもこれ全年齢対象作品」

「って恨むの作者かよ!? ……っと待てよ、残酷描写もなしだから、俺が死ぬことも……」

「大丈夫、ただの氷漬け」

「ってそれ死んじゃう!」

「大丈夫、腐らないからグロくない」

「今さらっと怖いこと言った?!」


「よ~し、俺様の熱い笑いでWeb小説界を沸かせて……」

「それせめてポイント稼いでから言ってよね」

「ぐゥッ! そりゃ友達はいないが……いやいやコンテストにポイントは関係な……」

「それせめて一次通過してから言うことね」

「バレてる?!」

「前回の応募キーワード残しといて言う科白?」

「……くそ、せめて感想希望くらいはと思って残しておいたのが裏目に……」

「あれ結構レアって話よ」

「……何その裏事情?!」


「じゃあさ、『あた』って打って。それもたくさん」

「“『あた』貯まる”ってダジャレなら寒すぎるから嫌い」

「見抜かれてる?! じゃ『あたた。』って打って」

「それ『あたた、まる』って読むのナシね」

「読まれた?!」

「発想が安易すぎるのよ。こんなんじゃ笑いも取れやしないわ」


「仕方がないなぁ――ちょっと待てよ、今こそ5GHz駆動のサブPCにファイナル・フュージョン承認!」

「何その外国為替証拠金取引みたいなCPU?」

「素直に『FX』って呼んでやって?!」

「たかが220wで私が温まると思ってるの?」

「いやだからこいつを極冷して世界記録に挑戦だ! 液体窒素も目じゃないぞ! 目指せ夢の9GHz!! どうだ熱いだろう!」

「計算効率で新型に惨敗しといてクロック勝負って今さら何それさむ~い(棒読み)」

「棒読みやめて?! 寒いから!」


「寒いと言えば、あなたの資金残高」

「何その寒い晒し?! つかどこのストーカだよ?!」

「失業者の自宅警備員がお金持ちなわけないでしょ」

「何でバレてるの?!」

「平日昼間っからチャットできてる時点でアウト」

「ふっふっふ、甘いな」

「あ、立ち直った」

「失業までに稼いだ資金を元手にだな」

「“アツい展開”ってただの偶然だしほとんど流れるから」

「何そのパチンコ用語?!」


「甘く見るなよ! ギャンブルなんぞ当てにする俺ではない!」

「――それで?」

「聞いて驚け! いま最も熱い仮想通貨に資金を投入してだな……」

「日本人が投資する頃には相場なんてとっくに終わってるわよ」

「何その相場格言?!」

「第一こないだ盗まれたじゃない」

「何その仮想通貨取引所?! そうじゃなくて! 地道にマイニングに勤しんでだな……」

「4年に1度の半減期」

「マイニング報酬減った?!」

「電気料金値上げ」

「マイニング報酬より高くなった?! いやいや新型のグラフィック・ボードは電力効率が上がっていくから……」

「2140年問題」

「マイニング報酬終了?! いや待て俺が生きてる間くらいは……!」

「中国の51%問題」

「って信用崩壊?!」

「仮想通貨終了。そもそも今さら参入して儲かってるの?」

「――すんませんこれからやろうとしてました……」

「――何よこのヘタレ」

「よし勝った!」

「どこが?!」

「いま臍で茶が湧いただろ?」

「……ぎゃふん」





【告知】

著作者:中村尚裕

掲載サイト『小説家になろう』https://ncode.syosetu.com/n3929ei/


無断転載は固く禁じます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まずビックリしました!中村さんこんなガッツリコメディー書くんだぁと。電脳猟兵のイメージが強くあるので、そのギャップで冒頭から笑いっぱなしでした。いきなり18禁ネタからいくとは……。メッチャ…
[良い点] テンポの良さがあって非常に読みやすいです。オチもしっかりしててクスリとしました。 [一言] 面白かったです。他の作品も読んでみます(^^)
[良い点] 話の流れが楽しいです。 このようなユニークな会話になら、つい参加したくなります。 面白かったです!
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