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再会

 なつらが話している部屋の外からバタバタと足音が聞こえてきた。

「なつーーーー!!!」

「総司!!」

 走って入って来た総司と呼ばれた男、沖田総司。若くして試衛館の塾頭となり、天才的な剣の持ち主。なつの二つ上で幼い頃から共に生活し、兄妹のような存在であった。


「なつは絶対何かやらかすと思ってたよ。まさかここまで来ちゃうとは。」

「だって置いてきぼりなんだもん。ねえ総司、後で試合しよう!」

「なつなんて一瞬で片がついちゃうよ。」

「そんなことないよ!あたし、皆が京へ行った後、道場破りの相手してきたんだよ?それに、近くの道場でも教えてもらってたの。」

 なつと総司は久しぶりの再会に会話が尽きなかった。


「盛り上がってるとこわりぃが、俺、洗濯ものが溜まってるから、なつ任せた。」

 土方は自室から山盛りの洗濯物と洗濯用たらいを持ってきた。

 ものすごく嫌な顔をするなつ。

「『弱音は吐くな。』近藤さんにそう言われただろう?」

ニヤリと片方の口だけ上げて笑みを浮かべた土方。してやったりという顔だった。


 これからお世話になる八木家の皆さんに挨拶をし、早々に大量の洗濯物を始めたなつ。そこへは、なつの突然の訪問を聞きつけた試衛館の門人達が集まり始めた。

「なっちゃん!」

そう呼んだのは山南敬助。北辰一刀流免許皆伝の腕前を持ちながら、近藤の人柄の惚れ込み、試衛館で生活するようになった。学があり、なつにとって学問の師であった。

「山南さん、お変わりなく!」

「なっちゃんは少し綺麗になったんじゃないか?」

「やだなぁ、そんなお世辞言っても何も出ないですよ?」


「なつじゃねぇか!」

「こんな遠くまでよく来たな。ハハハハハ。」

 原田左乃助、種田流槍術免許皆伝。非常に豪快な男で、それ故、場を読めない事が多々ある。

 永倉新八、神道無念流免許皆伝。永倉も若くして剣の才能を発揮し、沖田に並ぶとも言われている。

 二人とも妙な縁で試衛館の転がり込むようになっていた。この二人は兄というよりも悪戯仲間といった方が良いかもしれない。


「おなつちゃーん!」

 藤堂平助、北辰一刀流免許。試衛館では一番年下でなつと同い年。元気もあり稽古熱心な真面目な男。実はなつに惚れている。


 皆、なつとの久しぶりの再会を喜び、また歓迎してくれるのであった。


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