表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GEM《ジェム》  作者: 武村 華音
65/130

謎の男(麗華&信也)


ライブハウスで初めて顔を合わせた麗華と結城。

結城の様子に首を傾げる麗華。

そして・・・。

GEMのリハーサルを眺めながら私達は談笑していた。

「君が麗華?」

綾香さんや舞ちゃんと一緒にやって来た結城さんが私に尋ねた。

「そうですよ、結城さんですよね?」

お母さんの話通り綺麗な男だ。

実際の年齢よりも若く見える。

まぁ、お母さんもそうなんだけど。

「舞華と双子なんだろ?」

「そうそう、一卵性双生児。昔は黒子で見分けられてたの」

私は自分の泣き黒子を指差して微笑んだ。

「今は別人だよな・・・」

結城さんが顎に手を当てて何か考えるように私を見つめた。

「結城さん、今日演奏するのはこの六曲なんだけど」

舞ちゃんがA4版の紙を結城さんに差し出した。

「あ・・・サンキュ。あ、この二曲目聴きたかったんだ」

「結城さんの聴きたそうな曲をチョイスしたつもり」

「お前が選曲したのか?」

「三曲だけお願いしたけど、後はGEM任せ」

舞ちゃんは緊張も警戒もなく結城さんと話している。

やっぱり不思議・・・。

「ちょっとトイレ行って来るね」

「じゃ、一緒に行く」

綾香さんが私の手を握って付いて来た。

「一人でも大丈夫だよ」

多分綾香さんは私が具合悪くなったのを見てるから心配してくれてるんだ・・・。

「麗華」

背後から男に呼び止められた。

振り返ると見覚えのある顔の男が立っていた。

・・・誰だっけ?

名前まで覚えてないや。

「何?」

「最近お誘いないじゃん、そろそろ退屈してない?」

「してない」

「つれないね」

男は苦笑した。

「麗華ちゃん行くわよ」

綾香さんが私の手を引っ張る。

「相性良かったと思うんだけどな。早く信也なんか捨てて戻って来いよ」

信也なんか・・・?

「あんたよりも信也との相性のほうがいいみたい」

私はそう言って男に背を向けた。

何故か逃げるように綾香さんが私の手を引いてトイレに駆け込んだ。

「あの男知り合い?」

綾香さんの顔は険しかった。

「多分、何度か寝た事のある男だと思うけど・・・名前までは覚えてないなぁ」

私は頭を掻きながら答えた。

綾香さんは呆れたように溜め息を吐いた。

「あいつなんか危ない眼してたから気を付けた方がいいわよ」

それは・・・ちょっと感じた。

何かヤバそうだなって。

「大丈夫だよ。信也がいるから」

「そういう意味じゃなくて!一人で行動しないほうがいいって事」

綾香さんの眼は真剣だった。

「わ・・・分かった」

そう言うしかない。

「約束よ?」

綾香さんの言葉が凄く気になったけど、私は大人しく頷いた。


「信也、ちょっといい?」

綾香が控え室に入ろうとした俺を呼び止めた。

「何?」

その表情はあまりいい話ではないと判断できる。

「さっき絡んで来た奴いたわよ」

絡んで来た奴・・・舞華と麗華を間違えた馬鹿野郎か?

「どんな奴だ?」

「アッシュブラウンのツンツン頭で身長は・・・私とそんなに違わないかな?麗華ちゃんと何回か関係を持った事のある男みたいだったわよ?」

俺の頭の中で数人の人物に絞られた。

こんな時もっと特徴のある人物だと助かるんだが・・・。

「分かった。警戒しておく」

舞華と麗華を間違えたと言う事は昔の麗華を知ってる奴だ。

「信也さん?」

舞華が控え室から顔を出した。

「何・・・?」

「演奏する曲の事なんだけど・・・」

舞華は結城さんがいるせいか完全にビジネスモードだ。

静斗の機嫌も悪いだろうな・・・。

「ちょっと訊いてもいいか?」

結城さんが舞華の頭を押さえるように顔を出す。

「曲順決めたのは君か?」

曲順?

「俺だけじゃないですよ。いつも相談して決めてます」

「そうか」

それがどうした?

「いや、訊きたかっただけだから。深い意味もないし気にしないでくれ」

・・・?

「だから言ったでしょ?」

舞華が結城さんを見上げて苦笑した。

何故か面白くなさそうな顔をしている。

「結城さんも素直じゃないね・・・っ!」

舞華が俺の背後を見て硬直した。

結城さんが舞華の変化に気付き視線の先を見る。

しかし、俺が振り返るとそこには誰も居なかった。

「舞華・・・?」

舞華の様子は明らかにおかしかった。

「あの野郎・・・!」

結城さんの言葉で確信した。

舞華と麗華を間違った男の事だ・・・。

舞華の身体が小さく震えていた。

「おい、シズカちゃん舞華を頼む」

「誰がシズカちゃんだよ!」

結城さんは静斗の言葉を無視して走り出した。

「結城さん!」

「君はここにいろ!」

結城さんはすぐに見えなくなった。

四十過ぎているとは思えないスピードだ。

「信也?」

異変に気付いたのか麗華が控え室から出てきた。

「中に居ろ」

「何でよ?」

「中に居ろって言ってんだよ!」

俺は麗華を怒鳴りつけた。

男がまだ傍にいるかもしれないからだ。

「何よそれ?!そんな言い方しなくたっていいじゃない!」

「れ・・・麗華ちゃん、信也ちょっと機嫌悪いみたいだから大人しく中に居よう?」

異変を感じ取った綾香が麗華を連れて控え室の中に入って行く。

麗華は事情を知らない。

舞華が話すなと言ったからなんだが・・・。

本当にそれでいいのか?

まったく・・・だから男遊びも大概にしろと言ったんだ。

結城さんは捕まえてくれるだろうか?

俺は苛々を抑えることも出来ず、握り締めた拳を壁に叩きつけた。




ご覧頂きありがとうございます。


謎の男が再び登場しました。

麗華は一体どれだけの男をつまみ食いしてたんでしょう?

信也も麗華の男関係を把握しているあたり恐いです。

第一部の終わりも近いぞ・・・。

苦情覚悟で書き上げたいと思います。


☆次回更新12月2日です☆

うわぁ・・・もう12月かぁ・・・。

クリスマスツリーってこの家にあるんだろうか・・・?

飾りたいなぁ・・・。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ