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GEM《ジェム》  作者: 武村 華音
63/130

幸せなひと時(舞華&麗華)


ささやかな幸せの瞬間。

ついつい笑みが零れる。

それはこの二人も同様・・・。

私は静の部屋で再び過ごす事になった。

以前と違うのは周囲の視線を気にしなくてもいい事。

「じゃあ行って来るな」

玄関口で静が振り返る。

「うん、後で行くから」

私の言葉に静の顔が曇る。

「また、結城の野郎が迎えに来るのか?」

「うん」

そう、原因はコレ・・・。

静は何故か結城さんが嫌いらしい。

仕事上、欠かせない人なんだけどな・・・。

「お前・・・あいつの事は平気なんだな?」

平気って・・・?

「あいつ男なのに平気なんだな?」

あ・・・なるほど・・・。

「結城さんと初めて会った時ね、結城さん女装してて、私女の人だと思ってたの・・・お母さんが私が恐がらないようにって無理やりやらせたらしいんだけど・・・」

凄く綺麗で疑いもしなかった。

静が噴き出した。

「女装・・・?」

「うん・・・背の高い女の人だなって思ったくらいで違和感もなくて、去年まで女の人だと思ってたの」

結城さんが担当してるアーティストのトラックダウンの進行状況を見に行った時に、泊り込んでいたらしい結城さんがスタジオで髭を剃ってる姿を見て唖然としたのだ。

「偶然髭剃ってる姿を見ちゃって・・・そこで初めて男の人だって知ったの」

私が鈍いと言われればそれまでなんだけど・・・。

「舞華らしいな」

静は微笑んで私に口付けた。

軽く触れるだけのキスだった。

「俺、お前信じてるから」

何を信じてるんだろう?

訊いたら怒られちゃうかな・・・?

「あいつの事男として見てないよな?」

結城さんの事?

「お母さんの同級生だよ?」

異性として意識する年齢じゃないと思うんだけど・・・?

どっちかと言うと・・・お父さん?

静は私の頭を軽く叩くと部屋を出て行った。

リビングのテーブルの上には静の部屋の鍵。

私がこの鍵を持ってていいの・・・?

何だか凄くくすぐったい。

私は顔を綻ばせたまま朝食の後片付けを始めた。


「信也、今日ライブだよね?」

「あぁ、行くのか?」

信也は最近私が外に行くのを嫌がる。

妊娠したせいだろう。

「うん、行きたい。部屋に篭ってたってつまんないじゃん」

先日お母さんから聖ルチアを退学になるという話を聞いた。

まぁ、今まで籍があった事自体が不思議なんだけどさ。

私は勉強も好きじゃないし、叔母さんも嫌いだし、学校に何の未練もない。

だから全然構わない。

逆に開放された気分だ。

「一緒に行ってもいいのかな?」

「いいんじゃないか?」

信也は換気扇の傍で煙草を吸いながら短く答えた。

「体調は大丈夫なのか?」

「うん、最近は随分落ち着いてきたよ」

貧血もつわりもラクになってきた。

慣れてきたのか治まってきたのかは微妙だけど。

「あんまり露出の多い服着るなよ」

珍しく信也が私の服装に口を挟んだ。

「何で?」

「妊婦だろ」

そうだけど・・・。

「お腹出てきたら着れないじゃん」

「駄目だ。露出の多い服もヒールの高い靴も認めない。着るなら連れて行かない」

連れて行かないって・・・。

「分かったわよ・・・ったく小姑」

信也の眉がピクリと動いた。

結局私は信也の言うとおり露出の少なめな服装でABELに向かう事になった。

信也も結構独占欲が強いのかもしれない。

ちょっと嬉しい。

「何ニヤけてんだよ?」

「別に」

私は信也の腕に手を絡めながら微笑んだ。


ご覧頂きありがとうございます。


菊池家の双子のささやかな幸せの瞬間でした。

静斗の部屋の鍵を持てて嬉しい舞華。

信也が心配してくれる事が嬉しい麗華。

でも・・・あの男はまだ捕まっていません。

今後の展開は・・・?





言える訳ないですよねぇ(笑)。


☆次回更新11月28日です☆

11月ももう終わりかぁ・・・。

そろそろ部屋の中をクリスマス仕様にしようかなぁ・・・。




P・S KETTLE 様


誤字のご指摘ありがとうございました♪

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