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GEM《ジェム》  作者: 武村 華音
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異変(静斗&信也)

結城からの電話。

美佐子の様子がおかしいです。


連れて行かれたライブハウスはABELよりも若干広い所だった。

ステージの大きさはそんなに変わらない気がする。

俺達はステージ上で広さや立ち位置を確認していた。

「貴方達って本当にステージ映えするわね」

美佐子さんが俺達を眺めながら微笑んだ。

「ステージの感覚は分かった?控え室に案内したいんだけど」

俺達はステージを下りて控え室に向かった。

「ABELの控え室よりも広いし綺麗だな」

信也が呟く。

まぁ当然だろう。

「ここ煙草大丈夫ですか?」

英二の重要なポイントだ。

「えぇ、大丈夫よ。気にしないで吸って頂戴」

美佐子さんが微笑んだ。

「社長、結城さんから電話です」

結城という言葉に俺の肩が震えた。

「あら、舞ちゃん留守だったのかしら?」

舞華が留守って何だよ?

もしかして迎えに行ったの・・・結城なのか?!

「もしもし?・・・え?何で?・・・どういう事?・・・分かったわすぐ行くから」

美佐子さんは真っ青な顔で控え室を出て行った。

「美佐子さん!」

俺は廊下で美佐子さんを呼び止めた。

「どうしたんですか?」

「・・・一緒に来て頂戴」

嫌な予感がした。

地下の駐車場に真っ赤なスポーツカーが停まっていた。

エンジンは掛かったままだ。

フェ○ーリ・612スカ○エッティ・・・高級車だ。

「結城君」

車の外で煙草を吸っている結城に美佐子さんが声を掛けた。

「どう言う事なの?」

「こっちが訊きたいね。美佐子のもう一人の娘って何してんだ?」

もう一人の娘って・・・麗華しか居ないよな?

「おかしな男が舞華と麗華を間違えて迫ってたぞ」

俺は助手席の舞華に視線を移した。

真っ青な顔をしている。

「舞華」

俺が声を掛けると舞華が顔を上げてドアを開けた。

「恐い思いしたって?」

身を屈めると、舞華が俺の胸に頭を埋めてきた。

「美佐子さん、舞華を夏休みの間預かってもいいですか?」

俺は舞華を抱きしめながら美佐子さんを見上げた。

あの家に一人にしておくのが不安だった。

「そうね・・・その方が安全かもしれないわね。舞ちゃんの荷物は私が届けるわ」

大体舞華と麗華を間違えるってどう言う事だよ?

全然違うじゃねぇか。

麗華が遊んでた奴といったら・・・ABEL関係だ。

「美佐子さんABELのバンド連中で調べて下さい。その中にいる筈です」

美佐子さんは黙って頷いた。

「取り敢えず君が演奏している間は俺が舞華を任されとくからがっかりさせないでくれよ」

結城が挑戦的な眼で俺を見ていた。

「舞華に手出すなよ」

「仕事とプライベートはちゃんと分けてるから安心しろ。今日は仕事で来てる、演奏後の酷評を楽しみにしとけよ」

結城はニッコリと微笑み俺に中指を突き立てた。

やっぱりコイツは嫌いだ。

一時期でも憧れた自分が憎い・・・。


静斗はリハーサル前から様子がおかしかった。

妙に舞華を気にしている。

それでも何でもないと答える静斗の顔は何でもない顔なんかじゃない。

何かあるって顔だ。

「取り敢えず今は集中しようぜ」

静斗が苦笑した。

「そうだな」

俺も深く追求する事は出来なかった。

しかし、ライブが終わると黙っていた理由が明らかになった。

「舞華が麗華と間違われて襲われそうになったらしい」

静斗が舞華を気にする訳がよく分かった。

舞華の顔色も良くないのは分かっていたし、美佐子さんの様子もおかしかった。

納得だ。

「舞華は夏休み中うちで預かる事にした。麗華の方はお前に頼む。英二や涼にも迷惑を掛けるかもしれないから一緒に聞いてもらった」

傍には英二と涼が居た。

関係ないといえば関係ないんだが。

「綾香にも二人と一緒に居るように言っとく」

「頼む」

そう言う事か・・・。

英二のその言葉を聞きたかったに違いない。

「麗華の方で心当たりはないか?」

静斗に訊かれ俺は困惑した。

・・・あり過ぎて分からないのだ。

「あり過ぎてわからんだろ」

英二が煙草に火を点けながら苦笑した。

ここまでお見通しだと笑って返すことも出来ない。

「今年に入ってからは角だけなんだけどな」

そこまで分かってる俺も相当ヤバイ奴かもしれない。

だから男遊びも大概にしろと言ったんだ。

俺は髪を掻き乱して椅子に腰を下ろした。

「麗ちゃんは今身重だし気を付けてあげなきゃいけないよね」

そう・・・あいつの腹ん中には俺の子がいる・・・。

麗華も腹の子も守らなきゃならない。

「美佐子さんにも頼んだし、結城の野郎が男の顔を見てる。そんなに時間は掛からないとは思うけど警戒はしておいた方がいい」

静斗は真面目な顔で告げた。

結城といえば静斗が憧れているギタリストの筈だが・・・?

何で“野郎”?

何かあったのか?

静斗の顔は結城という言葉を発した時、明らかに不機嫌だった。

静斗は舞華が関わると別人のようになってしまう。

正直、俺達の知らない静斗だ。

予測不可能。

今までは関わった女の事など心配した事もなかったのにな・・・。

でも、だからこそ舞華の事を安心して任せる事が出来るのかもしれない。

・・・って事は結城の名前で不機嫌になったのは・・・舞華絡みか?

確かに契約の時仲良さそうだったし、今日も一緒に来たみたいだけど・・・。

俺は静斗を見上げながら苦笑した。

分かり易すぎるぞ、静斗。


ご覧頂きありがとうございます。


更新時間が遅くてすみません・・・。


今日、紅葉を見に連れて行ってくれたんですけど・・・下りて来いの一言だったのでまさか長時間出掛けるなんて思いもしなくて・・・。


でも、最近煮詰まってたのでちょっと嬉しかった。


再び舞華と静斗の同棲生活です。

しかし、不穏な空気。

どうなっちゃうんでしょう?




☆次回更新11月26日です☆

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