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GEM《ジェム》  作者: 武村 華音
42/130

同棲(麗華&信也)


最近のGEMはこんな感じ・・・?

最近すごくGEMの調子がいい。

何でかは分らないけど、皆もそう感じてるみたい。

今日はライブ、GEMの出番は二番目。

きっとGEMが演奏を終えた後は閑古鳥。

オーナーも早く店を閉めたいのかもしれない。

最近彼氏が出来たって言ってたし。

私はGEMのメンバーがセッティング作業してるのを眺めながら、ふと舞ちゃんを思い出した。

舞ちゃんは元気なのかな?

お母さんは心配ないって言ってたけど・・・やっぱり気になる。

だからといって携帯に電話する勇気はない。

私だけ自由にライブを観に来たりしてる事が申し訳なくて発信ボタンを押すことが出来なかった。

「麗華、邪魔」

静斗が私の頭を軽く叩いた。

「何で叩くかな、口で言えばいいでしょ?!」

「さっきから呼んでんのに返事しないお前が悪い」

静斗は私の足を退かして足元のバッグから箱を取り出した。

そして何もなかったようにステージに戻ってチューニングを始めた。

GEMは調子いいのになぁ・・・。

大きな溜め息を吐くと背後から肩を叩かれた。

「最近お誘いないじゃん?」

誰だっけ?

名前も思い出せない。

見たことはあるんだけどなぁ・・・。

「最近は間に合ってるから」

「冷たいなぁ、今度また遊ぼうよ」

遊ぼうって・・・どうせヤるだけでしょ。

「間に合ってるって言ってんじゃん」

鬱陶しいなぁ。

「麗華に何か用か?」

信也が私に近付いてきた。

「デートのお誘いだよ。最近誘ってもらえないから」

「間に合ってるから断ってたの」

最近は・・・舞ちゃんと喧嘩した一月からは信也以外の男とは寝てない。

信也が私を満たしてくれるからそれで充分だった。

「麗華は今俺のだから、手を出すなよ」

信也が男を睨み付け、私の手を掴んでステージに上がった。

つられて私もステージに上がる。

ステージの上ってこんな感じなんだぁ・・・。

ちょっと感動。

「また絡まれてんのか?」

「デートのお誘いだよ」

英二の呆れた声に私は平然と答える。

「最近は遊んでないもんね?」

涼はお見通しらしい。

静斗と英二が意外そうな顔をしている。

確かに私が一人の男に落ち着くなんてなかったかもしれないけど、そこまであからさまに驚かなくてもいいじゃない。

「そっち終わったか?」

信也が静斗と英二に尋ねる。

「おう、こっちはオッケー」

英二が答えた。

「じゃ、麗華ちょっと離れろ」

私はステージから下りて正面からGEMを眺める。

なかなか出来ない事だ。

舞ちゃんにも観せてあげたいなぁ・・・。

演奏を聴きながら私は再び溜め息を吐いた。

「お、GEMじゃん」

対バンのメンバーがやって来て私の背後で話し始めた。

「上手いよなぁ・・・M・Kから話がきてんだろ?」

「当然だよな」

「あ、あのギター最近よく近所で見掛けるぞ。女の尻に敷かれてるんじゃないか?しょっちゅう携帯で話しながら買い物してんだぜ」

「マジで?あの“俺様”操るなんて尊敬ものだな」

買い物して帰るって事は一緒に住んでんじゃないの?

静斗が女の尻に敷かれてる?

ありえない。

だって静斗だよ?

確かにここ最近機嫌はいいけど、女がいるからって関係ないでしょ。

それとも静斗が惚れてるって事?

私は背後の男達の信じられない話を聞きながらステージを眺めていた。

「麗華、行くぞ」

いつの間にか演奏が終わっていた。

あとは本番まで待つだけだ。

「あ、はいはぁい」

信也の声に私は荷物を持って駆け寄り、その腕に手を絡めて控え室に向かう。

控え室に帰ってからも静斗は笑顔だった。

こんなに笑う男だったかな?

眺めていると静斗と視線がぶつかった。

途端に不機嫌な顔になる。

「何だよ、ジロジロ見んなよ」

「静斗、女と暮らしてるって本当?」

分からない事は訊くに限る。

静斗が勢いよく珈琲を噴出した。

「な・・・っ!」

どうやら本当らしい。

「へぇ、そうなんだぁ」

「な・・・何でお前・・・?!」

動揺する静斗を見るのは楽しい。

「さっき、対バンの人達が話してたよ。携帯片手にいっつも買い物してるって」

静斗が信也や涼と顔を見合わせる。

「ほぉ・・・最近機嫌がいいと思ったらそう言う事か」

英二だけがニヤリと意地の悪い笑みを浮かべていた。

そして私は・・・自分がショックを受けていない事に驚いていた。

胸も痛まないし、無理なく笑える。

あんなに好きだったのに、何で・・・?


舞華が静斗の部屋に転がり込んで何日経った?

元気ならそれでいいが静斗は舞華の話を訊かなければ何も話そうとしない。

今日は友達が来てるとは言っていたが・・・。

最近静斗の機嫌が異常にいい。

多分ヤったな。

単純な奴。

俺は静斗を見ながら溜め息を吐いた。

取り敢えず伯母さんは舞華の事を知ったようだし、麗華にバレなきゃ問題はないだろう。

俺は内容確認しながら書類を書き込み、三人の話を聞いていた。

他愛無い話だ。

書き終えた俺はスタッフに提出して振り返ると麗華がすみに声を掛けられていた。

麗華が鬱陶しそうな顔であしらっている。

だから男遊びも大概にしろと言ったんだ。

俺は麗華に歩み寄った。

「麗華に何か用か?」

「デートのお誘いだよ。最近誘ってもらえないから」

角は平然と言いやがった。

「間に合ってるから断ってたの」

間に合ってる・・・嬉しい一言だ。

麗華は一月から男遊びをやめている。

「麗華は今俺のだから、手を出すなよ」

俺は角を睨み付けてから麗華の手を握ってステージに戻った。

「また絡まれてんのか?」

「デートのお誘いだよ」

英二の呆れた声に麗華は平然と答えた。

「最近は遊んでないもんね?」

涼はお見通しらしい。

静斗と英二が意外そうな顔をしている。

確かに麗華が一人の男に落ち着くなんて今までなかったかもしれない。

だから驚くのは分る気がする。

「そっち終わったか?」

静斗と英二に訊いてみる。

「おう、こっちはオッケー」

英二が答えた。

「じゃ、麗華ちょっと離れろ」

リハーサルも時間が決められている。

微調整もあるし遊んでいる時間はない。

麗華がステージを下りたのを確認して俺達は本番同様に演奏した。

一曲終えてモニターの音を調整し二曲目を演奏する。

麗華の背後で次のバンドがリハ待ちをしている。

気のせいか麗華は俺達の演奏を聴いていない気がする。

六曲の演奏を終えて俺達は控え室に戻る。

本番まで出番なし。

「麗華、行くぞ」

麗華に声を掛けるとあいつの肩が小さく震えた。

やっぱり聴いてなかったらしい。

GEMの演奏を聴かないなんて珍しいと思いながら俺はステージを下りた。

「あ、はいはぁい」

誤魔化すように麗華は荷物を持って俺に駆け寄り、腕に手を絡めて控え室に向かった。

麗華は控え室に戻ると静斗を眺めている。

二人の視線がぶつかった途端に静斗が不機嫌な顔になる。

「何だよ、ジロジロ見んなよ」

「静斗、女と暮らしてるって本当?」

何で麗華が知ってるんだ?!

静斗が勢いよく珈琲を噴出した。

「な・・・っ!」

話したのは静斗ではないらしい。

当然だけど。

「へぇ、そうなんだぁ」

「な・・・何でお前・・・?!」

動揺する静斗を見るのは楽しいが、笑ってる余裕などない。

麗華はいつそれを知ったんだ?

「さっき、対バンの人達が話してたよ。携帯片手にいっつも買い物してるって」

俺は静斗と顔を見合わせる。

「ほぉ・・・最近機嫌がいいと思ったらそう言う事か」

どうやら涼は既に知っていたらしい。

英二は静斗をからかうネタを得て上機嫌だ。

麗華は意外にも笑顔だった。

ショックを受けると思っていた俺は首を傾げた。

麗華は我慢するでもなく静斗をからかい始めた。

お前は静斗が好きなんじゃないのか?

無理をしているとは思わないが俺は麗華が心配になった。


ご覧頂きありがとうございます。


静斗の同棲がバレました。

舞華だとは分かっていないけど・・・時間の問題ですよね。

さて・・・どうしようかな。


最近副作用でなのか手の震えが気になってます。

ミスタッチが多くてなかなか上手いように書けない。

時間ばっかり掛かっちゃって・・・。

すみません愚痴です・・・。


☆次回更新10月16日☆

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