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GEM《ジェム》  作者: 武村 華音
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泣き虫(舞華&静斗)


司に会いに出掛けた静斗。

舞華は部屋の中から動けず・・・。

勉強をしていると電話が鳴った。

番号を確認してから私は受話器を上げる。

「静?」

『おう、買い物何かあるか?』

私は必要な物を告げ、電話を終えるとキッチンに向かった。

今日は帰ってくる時間が分らなかったからパスタ。

時計を見ると午後八時。

結構長い間勉強をしていたんだと気付いた。

する事がないというのは結構苦痛だったりする。

でも、叔母様の監視に比べれば何倍もラク。

今の状況に不満を言うつもりはない。

静が居てくれるから。

静と一緒に居られるなら何年だってこの生活を強いられてもいい。

そんなに逃げられるなんて思ってないけど。

Xデーはもう間近のはず・・・。

どうなっちゃうんだろう・・・?

私は悲観的になる自分の思考を打ち切ってパスタを茹で始めた。

サラダとスープも完成した時に玄関の扉が開いた。

「ただいま」

「お帰りなさい」

私はテーブルに運びながら彼に微笑んだ。

「お土産。美佐子さんから」

お母さんから・・・?

「静・・・お母さんに会ったの?」

「あぁ、杉浦と美佐子さんとな。これ、新しい携帯。美佐子さんがお前に渡してくれって。好きな時に使えばいい」

静が私に手渡した袋の中には色々な物が入っている。

静に頼めない生理用品まで・・・。

「あれ・・・?」

これって・・・。

「美佐子さんがお前の好物だからってくれた」

半熟チョコケーキ。

静は甘いもの食べないのに・・・。

「冷凍庫なら保存効くし、週末杉浦が来るって言うから一緒に食えばいい」

週末・・・司が?

静は色々考えてくれてたんだね・・・。

そう思うと嬉しくて涙が溢れた。

「泣き虫」

静が私の頬を撫でて唇を重ねた。

「ありがと・・・」

そんな在り来たりの言葉しか出てこない自分が情けないけど。

私は心底静に感謝していた。

「杉浦がその番号聞く前に帰ったから電話してくれって言ってたぞ。美佐子さんにも電話しとけよ」

静はそう言ってテーブルの前に腰を下ろした。

「美味そう、先ず食おうぜ。腹減った」

「お酒は?」

「ビール」

私は冷蔵庫を開けて缶ビールを取り出して彼に手渡す。

静からお母さんや司の話を聞きながら食事をして、彼がお風呂に向かってから私は司に電話を掛けた。

「司、色々ありがと」

『あぁ、美佐子さんに感謝しろよ。週末に遊びに行くからその時ゆっくり話そうな』

司は寮に居るからか手短に話をして電話を切った。

週末司が来る・・・。

それだけの事なのに凄く嬉しい。

お母さんの携帯番号を押して私は緊張しながら通話ボタンを押した。

『舞ちゃん?』

お母さんの声は優しかった。

「ごめんね、迷惑掛けて・・・」

『司ちゃんから聞かなかったら私も知らなかったわよ?この間帰って来なかったし気にはなってたけど携帯繋がらないし・・・』

私も気になってたんだけど・・・。

「ごめんね。今・・・静の所にいるの」

『新井君から住所も電話番号も聞いてるわ、今後は私の方でもその周辺に見張り付けとくから』

見張り?

それって伯母様対策?

『彼は舞ちゃんの事、本当に大事にしてくれてるのね。舞ちゃんの声を聞いて安心したわ』

静はすごく気を遣ってくれてると思う。

私にも司にもお母さんにも・・・。

『彼によろしく伝えて。私も行ける時にそっちに顔を出すわ』

忙しいのに・・・。

何だか申し訳なかった。

「私まで迷惑掛けてごめんね・・・」

『何言ってんの、貴女もよく我慢したと思うわ。後は私と新井君に任せて』

お母さんの優しい声に涙が零れる。

「また泣いてんのか?」

静が苦笑しながら隣に腰を下ろして私の頭を抱き寄せた。

「また・・・電話するね」

私はそう言って電話を切った。

「泣くなよ」

静の声も手も優しくて・・・涙が止まらなかった。


舞華の母親が社長室に帰って来たのは一時間くらいしてからだった。

何をするでもなく落ち着かない時間を過ごした俺は、彼女が帰って来て素直にほっとした。

「お待たせしてごめんなさいね、司ちゃんは帰ったの?」

「はい」

「寮長だし・・・仕方ないわね」

あいつは寮長だったのか・・・。

「これ、新しい携帯。それと必需品と、舞ちゃんの好物のケーキ」

舞華の母親は色々な物を買って来ていた。

「あの・・・コレは・・・?」

どう見てもかつら

「舞ちゃんと外に出たかったら変装すればいいじゃない。舞ちゃんだってずっと家の中じゃ精神的にキツイと思うの」

そんな事は分かってる。

でも、変装してもあまり意味がないような・・・。

「通常舞ちゃんはジーンズとか穿かないし、こういうのも敵を欺くにはいいと思うの」

敵って・・・信也の母親の事だろうか?

いや、それ以外にはないだろう。

「たまにはライブとかにも連れて行ってあげて。見つかった時は私が全力で貴方達を守るから」

こんなに心強い言葉をもらえるとは思わなかった。

「俺の住所と電話番号知らせておきます」

俺はテーブルの上にあった紙に住所と電話番号を書いて舞華の母親に手渡した。

「これからもご迷惑をお掛けすると思いますけどよろしくお願いします・・・美佐子さん」

杉浦の言葉に従って俺はおばさんという表現を避けた。

「司ちゃんから聞いたの?」

舞華の母親は俺に微笑みながら紙を受け取った。

「えぇ・・・まぁ・・・」

舞華の母親はクスクスと笑いながら俺の頭を撫でた。

普段ならその手を振り払うんだが・・・相手は舞華の母親。

そんな真似はさすがに出来なかった。

アパートに帰ると舞華が夕食をテーブルに並べていた。

「お土産。美佐子さんから」

俺は舞華の母親から受け取った袋を差し出した。

「静・・・お母さんに会ったの?」

「あぁ、杉浦と美佐子さんとな。これ、新しい携帯。美佐子さんがお前に渡してくれって。好きな時に使えばいい」

舞華は不安そうな顔をしながら袋の中を確認していた。

「あれ・・・?」

舞華がケーキを見つけた。

「美佐子さんがお前の好物だからってくれた」

半熟チョコケーキ。

幸いにも密閉状態らしく匂いはしない。

「冷凍庫なら保存効くし、週末杉浦が来るって言うから一緒に食えばいい」

あいつは週末に来ると言った。

舞華が嬉しそうな顔をして顔を上げた。

・・・が次の瞬間涙が頬を伝う。

「泣き虫」

俺は舞華の頬を撫でながら唇を重ねた。

「ありがと・・・」

舞華が俺の腕の中で小さく呟いた。

「杉浦、その番号聞く前に帰ったから電話してくれって言ってたぞ。美佐子さんにも電話しとけよ」

俺はいつもの席に腰掛けながら舞華に告げた。

「美味そう、先ず食おうぜ。腹減った」

「お酒は?」

舞華が冷蔵庫に向かいながら訊いてきた。

「ビール」

俺は飯を食いながら杉浦や舞華の母親・・・美佐子さんの話をして、食後は風呂に向かった。

俺が居ない方が話しやすいと思ったから少し長風呂。

風呂から出ると舞華が泣いていた。

舞華は泣き虫だと思う。

舞華じゃなきゃ引くだけなんだけど・・・舞華に泣かれると動揺する。

舞華には笑っていて欲しい。

俺は舞華の頭を抱き寄せた。

電話を切った舞華は俺の胸に頭を寄せたまま暫く泣いていた。


ご覧頂きありがとうございます。


ライブの話も書けなくて残念です。

早く何とかしたいけど・・・あ、他視点で書けばいいのか。

でも、それじゃ話進まないしなぁ・・・。


☆次回更新10月12日デス☆

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