迎えた朝(舞華&静斗)
学園を逃げ出した舞華は静斗の部屋に身を置く事にした。
朝を迎えた二人は・・・?
素肌に慣れない暖かさと布団の感触を感じて私は目を覚ました。
温かい腕に抱きしめられている事に気が付き私は顔を上げた。
「おはよ」
静が私に微笑んだ。
その状況を理解できず私は固まった。
「身体・・・辛くないか?」
身体・・・?
静の素肌に抱きしめられている自分もまた一糸纏わぬ姿である事に気付き、私は彼の身体を引き離し布団に包まった。
静は一瞬驚いた顔をしたが、クスクスと笑い出した。
静はこういう事に慣れてるんだと思う。
「珈琲でも飲むか?」
静はいつもと変わらぬ様子でベッドを出ると、傍にあったTシャツを拾ってキッチンへと向った。
キッチンに向かいながらTシャツに袖を通している。一糸纏わぬ私とは違い、彼はいつの間にか短パンを穿いていた。
彼がキッチンに入っていくのを確認して、私は慌ててパジャマを着た。
多分、彼が気を遣ってくれたんだと思う。
下腹部に鈍い痛みが奔る。
それは・・・彼とそういう関係になった事を意味していた。
珈琲の馨りが部屋に漂い始める。
「舞華、お前絶対に外に出るなよ。洗濯物も家の中に干せ。窮屈な生活になるけど・・・暫くは我慢して欲しい」
寮を出た時にそれは覚悟していた。
何よりも静と一日でも長く一緒に居たい。
静はキッチンで朝食の準備を始めたようだ。
時計を見ると午前八時になっていた。
「静、学校は?」
「大丈夫だから気にするな。舞華、身体辛いだろ。大人しく座ってろ」
静は何でもお見通しらしい。
私はベッドから抜け出すとコンポの前に腰を下ろした。
CDがまた増えている。
「ほら、珈琲。俺が居ない間暇だろ?興味のあるヤツでも聴いてればいい」
静から珈琲を受け取ると、軽くキスをされた。
「今日はバイトもないし早く帰って来れるから」
何だか妙に恥ずかしい。
顔を合わせる事も出来ずに私は小さく頷いた。
静はトーストと目玉焼きとサラダを私の前に並べた。
「簡単なもので悪いけど」
「充分。静、料理出来るんだね」
意外だった。
「そりゃ、外食ばっかじゃ金掛かるしな。簡単なものでも作れればラクだろ」
静は私の目の前に座ってトーストに噛み付いた。
何だかとても不思議な気分だった。
そして彼の上半身に釘付けになっていた。
何も着ていない彼の身体は意外にも逞しく、目を逸らす事が出来なかったのだ。
「どうした?」
じっと見つめていたら、静が顔を上げた。
「何でもない」
嬉しさや恥ずかしさで私は視線を逸らした。
「ったく・・・朝からそんな顔すんなよ。襲いたくなるだろ」
私は今、どんな顔をしているのだろう?
両手で顔を覆って私は俯いた。
顔が熱い。
多分真っ赤になってるんだと思う。
「舞華、可愛過ぎ」
静は私を眺めながら微笑んだ。
食事を終わらせた彼はシャワーを浴びて上半身裸のまま出てきた。
「し・・・静っ・・・!服くらい着てっ・・・!」
私は目のやり場に困りながら訴えた。
「今更だろ?昨日あんな事して・・・っ」
私は傍の籠の中に畳んで積まれていた彼のTシャツを掴んで投げつけた。
静はTシャツを拾い上げて背を向けた。
「あ、静・・・背中赤くなってる・・・」
「昨日俺の背中引っ掻いたのお前だぞ」
私は真っ赤になった顔を隠すため、立ち上がってキッチンに向った。
背後から静のクスクス笑う声が聞こえる。
彼は私の反応を見て楽しんでいるようだ。
それでも、変わらない彼の態度がとても嬉しかった。
舞華を抱いた俺は何度も夜中に目を覚まし、腕の中で眠る舞華を確認していた。
夢じゃない・・・。
一糸纏わぬ舞華、シーツに残る初めてであった証・・・。
朝、六時半を回ったところでインターホンが鳴り、俺は再び目を覚ました。
ボリュームを小さくしているお蔭で舞華は気付いていないようだ。
俺は、そっと腕を抜き取り、短パンだけを穿いて玄関に向かった。
こんな早朝からやって来る奴といったら一人しかいない。
玄関を開けた瞬間信也の口を塞いで俺は外に出た。
信也の地声はデカイのだ。
舞華が目を覚ます恐れがある。
「舞華がいなくなった」
信也は俺の手を払い除けてそう言った。
もう連絡が来たらしい。
当然といえば当然か・・・。
寮では起床時間も朝食時間も決まっている。
当然起床時間に姿がなければ大騒ぎになっただろう。
ただ、信也への連絡があまりにも早い。
それには驚かされた。
「朝、母さんから連絡が来た。お前何か知らないか?」
「近所迷惑だ、少しボリューム下げろ」
俺は溜め息を吐いた。
「何で落ち着いて・・・まさか、舞華はここに居るのか・・・?」
俺が口を塞いだ時点で気付いてもいいと思うんだが・・・余程動揺いていたらしい。
「あぁ、今寝てる」
「何で・・・?!」
信也は俺を睨み付けてきた。
「暫く預かるつもりだ」
こいつは母親に報告するんだろうか?
迎えが来たとしても、俺は渡す気はないけど。
「詳しくは大学で話す」
俺はそう言って玄関のノブに手を掛けた。
「母さんには・・・暫く黙っておく」
「サンキュ」
信也はそれだけ言い残して階段を下りて行った。
多分、あいつは舞華の所在だけ分ればよかったんだと思う。
俺は部屋に入り、再びベッドに潜り込んだ。
眠る舞華を抱きしめ、その首筋に残る痕を見つけ一人微笑んだ。
八時近くになって舞華が目を覚ました。
「おはよ」
不思議そうに俺を見上げる舞華を見て、俺は微笑んだ。
「身体・・・辛くないか?」
シーツに残る初めての証が何となく痛々しい。
舞華は一糸纏わぬ姿である事に気付き、俺から身体を引き離し布団に包まった。
その様子に一瞬驚いたが、舞華の真っ赤な顔を見ると笑いが込み上げた。
恥ずかしいのは俺も同じだ。
一年以上我慢して、やっと手に入れた女・・・。
「珈琲でも飲むか?」
俺はベッドから抜け出して、Tシャツを拾いながらキッチンへと向かった。
珈琲を淹れる間に服を着てくれればいいと思った。
これ以上肌が露な状態で一緒に居れば、俺は間違いなく舞華を襲う。
「舞華、お前絶対に外に出るなよ。洗濯物も家の中に干せ。窮屈な生活になるけど・・・暫くは我慢して欲しい」
ベランダに洗濯物を干している姿を学園の誰かに見つかったらマズイ。
買い物も俺が出ればいい。
「静、学校は?」
時計を見た舞華が俺に尋ねてきた。
落ち着かない舞華は何をしたらいいのか考えているようだ。
「大丈夫だから気にするな。舞華、身体辛いだろ。大人しく座ってろ」
本来なら学校に居る時間だ。
真面目な舞華が気になってしまうのは仕方がない事なのかもしれない。
自宅ならする事もたくさんあるだろうが、俺の部屋で出来る事なんて限られている。
俺は信也と約束した手前、休む事も出来ない。
麗華ももう知っているんだろうか?
コンポの前に座った舞華はCDを眺めている。
舞華に会わない間に更に増えている。
「ほら、珈琲。俺が居ない間暇だろ?興味のあるヤツでも聴いてればいい」
舞華にカップを手渡し、軽くキスをした。
「今日はバイトもないし早く帰って来れるから」
何だか変な感じだ。
俺はトーストと目玉焼きとサラダをテーブルに並べた。
「簡単なもので悪いけど」
「充分。静、料理出来るんだね」
意外だったらしい。
確かに舞華の目の前で飯を作った事はない。
「そりゃ、外食ばっかじゃ金掛かるしな。簡単なものでも作れればラクだろ」
正直、料理と言うような物ではない気がする。
俺はトーストに噛み付いた。
「どうした?」
視線を感じて顔を上げると舞華と目が合った。
「何でもない」
慌てて視線を逸らした舞華がとても可愛く感じた。
舞華は俺が何も着ていない事に動揺しているようだった。
今更な気もする。
「ったく・・・朝からそんな顔すんなよ。襲いたくなるだろ」
舞華の反応は新鮮だ。
今までの女達とは明らかに違う。
大体の女は一回ヤっただけで自分の物と言わんばかりに擦り寄ってきた。
舞華は全く逆だ。
俺に近付こうともしない。
「舞華、可愛過ぎ」
そんな違いさえも愛おしく感じる。
食事を終わらせてシャワーを浴び、俺は上半身裸のまま出てきた。
「し・・・静っ・・・!服くらい着てっ・・・!」
起きた時から何も着てないはずだが・・・。
「今更だろ?昨日あんな事して・・・っ」
舞華が洗濯済みのTシャツを掴んで俺の顔面に投げてきた。
俺は床に落ちたTシャツを身を屈めて拾い上げる。
「あ、静・・・背中赤くなってる・・・」
「昨日俺の背中引っ掻いたのお前だよ?」
俺はクスクス笑いながら答えた。
嘘じゃない。
舞華は真っ赤な顔で立ち上がるとキッチンに向かった。
恥ずかしいんだと思うが・・・その反応を見て俺は楽しんでいた。
「舞華、携帯の電源切っとけよ、居場所バレる可能性あるから。俺に何か用事があったら家の電話からして来い。誰かが来ても出なくていい。電話も俺からじゃなかったら出る必要はないからな」
GPSなんて便利な物がある以上携帯の電源は切っておいた方がいい。
俺はさっさと着替えて鞄を抱えて玄関に向かった。
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
何か恥ずかしい・・・。
俺は舞華にキスをして部屋を出た。
・・・新婚夫婦みてぇ・・・。
ご覧頂きありがとうございます。
恐るべし高井戸連絡網・・・。
信也は味方になるのか敵になるのか・・・?
☆次回更新10月2日デス☆
明日から10日間連続で「有名人な彼」を投稿します♪
よろしかったら読んでやって下さい。