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未詳文庫

急逝と待望

作者: 狂言巡

 ほんっっとに掬われない上に人によっては気持ち悪い感じなのでご注意下さい。

 読後の文句は一切受け取りません。

 妹が、死んだ。


 町外れの橋の上から、自ら飛び込んのだそうだよ。

 数時間後、妹は神社近くの川辺で漸く発見された。

 妹は濁流に何キロも流され続け、何度も頭や身体が岩にぶつかった所為なのか、あの美しく愛らしかった、見るも無惨な状態に……! 特に顔面は襤褸襤褸の雑巾の如くだ!

 最早この世のものとは思えぬ異形の生物……否、肉塊となって果ててしまった。

 あれは自分の妹ではない、寧ろ人間などでもないと、何としても思い込みたくなった程だ。それでも、これは自分の妹だと直ぐに認知した。


 次に逢った妹は、完全に冷たくなっていた。

 顔色は元から白かった白を通り越して青紫白で、着衣服は中学校時代(あの時、私達が初めて結ばれたのだ!)の制服だった。


 嗚嗚呼アア嗚ああアア嗚呼アアああ嗚アア嗚呼ああアア嗚アアああ嗚ああ嗚呼アア嗚呼ああ嗚アア嗚呼アアああ嗚

 嗚嗚呼ああ嗚呼アア嗚アアああアア嗚呼ああ嗚アアああ嗚呼ああ嗚アア嗚呼ああ嗚ああ嗚アアアア嗚呼ああ嗚ああアア嗚


 どうして、死んでしまったんだい。

 どうして俺を置いていったんだ。

 どうして、何も……。

 そんな事を今さら嘆いても、無意味な事だが……。


 でも、これだけは真実だ。俺は、俺なりに目いっぱい妹に愛を注いだつもりだったんだ。

 なのに何故! 何故どうして!

 ……やはり、兄妹以上の関係を築き上げてはならなかったのか?


 あの、新雪の様な白い肌、指どおりの良い黒い髪、全てを吸い込んでしまうような澄んだ瞳はいつも潤みを帯びていて、発達途中の性器、膨らみ掛けたふたつの果実……!


 笑止、私はこれから彼女以外を、誰を愛していけと言うのだ?


 それでも、それでも、妹は“ひとりで”の“死”を選んだ。


 其れが答えだ。以上も以下も無い。

 唯、俺が妹を永遠に待つだけの話だ……。

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