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先生は笑って答えた。
「違うよ、…ゲンセイ達と別れてあとね、お父さんが勤めている病院まで金魚もっていったけど、金魚は死んでたんだって。お父さんには怒られるし帰りのバス賃はないしで大変だったみたい。アキラ君らしくないよね。」
「金魚は校庭のすみに埋めて、ビーカーも理科の先生に返したそうよ。その事はさっき理科の先生からも注意されたから、先生も知ってたけどね。」
オレはホッとした。とりあえずビーカーを弁償しなくてもよさそうだ。
「‘だから、ゲンセイ君たちは関係ない。悪いのは僕だ’ってあやまってたよ。」
先生が言った。
「あの金魚が死ぬのは解かってた。…でも、何かしなきゃって思ったら体が動いてたんだって。前の学校にいた時も病気で、うずくまっているネコを家に持ち帰ってお母さんにしかられたんだって。」
「アキラ君ね。そのネコの事で学校でいじめられてたんだって‘毛の抜けたネコを抱いて、気持ち悪い’って。だから今度もいじめられると思ったら恐くて何も言えなかったって。」
「そしたら、ゲンセイがかばってくれて、ビックリしてたら泣いてたんだって。」
「ゲンセイ、あんたのやった事はほめられる事じゃないけど、ミノル君はうれしいって言ってたよ。」
ゲンセイの耳が赤くなってる。
「ゲンセイは自分を大切にしなさい。先生もミノルーもみんなもゲンセイの事、好きだよ。」
「ダール。お前の父ちゃんがオレに‘フラーな事したら止めれ’って言ってたバーヨー。」
エッて顔でゲンセイがオレを見た。とたんにゲンセイは顔まで赤くなった。
先生がそれを聞いて「そうなの、じゃミノルーついでにアキラ君の事もお願い。」
オレはうなづいた。
ナイチャーが優しくて、ウチナーが荒いじゃないんだ。アキラーが優しいんだ!だけど、オレが見てやらなきゃな。アタマ良いクセに周り見えてないし、「うれしくて泣いた。」?はっしぇ、どんだけナチブサーか?
先生は相変わらず“アキラ君”だけどそのうち“アキラー”になる。そんなる。たぶん。
サァ、アキラー。明日はどうしよう、
まずはあのボッチャンガリの頭をグシャグシャにして、オレたちの秘密基地に連れていこう。
そうだ、木も登れないとな。ナチブーアキラー、鍛えてやるからな。