(4)
「それじゃ、バスが来たから…。」
アキラーはバスに乗り込んだ。
「じゃ、明日な~。」
アキラーと別れたあとオレらは教室へカバン取りに走って戻った。
すっかりそうじは終わっていた。明日、ミドリーとアキコーは先生に言いつけるんだろうな。
まっイイカいつもの事だし。
それより明日、金魚が元気になってたらスゴイよな。
「ミノルー、父ちゃんの仕事場に行ったらフツウーしかられるよなー。」
ゲンセイはアキラーの心配をしていた。
「普通はヨ。だけどアキラーはオレたちとは違うしオリコーだから」
「そうかー…。帰ろう。」
ゲンセイは元気がない。
次の日、デージな事になっていた。
翌日、オレとゲンセイは遅刻した。
もう先生は教室にいた。オレたちはカンネンしたが、先生はオレたちをしからなかった。
全員いるのを確認するように見回して言った。
「金魚がいないけど、どうしたの?誰か知らない?」
オレは水槽を見た、そこには元気で泳いでいるはずの金魚はいなかった。
アキラーはうつむいている。治らなかったんだ。
アキラーだったら正直に言えば先生はすぐ許してくれるのに。
そんな事を考えていると。先生が言った。
「昨日のそうじ当番は誰?その時は金魚はいたのかしら。」
オレとゲンセイとミドリーとアキコーが起立させられた。みんながオレらを見ていた。
『犯人は誰だ』『またミノルーとゲンセイじゃないかー』って目で。
そのとき、ミドリーが言った。
「アキラくんが金魚をビーカーに入れて持っていたのを見ました。」
「ゲンセイとミノルーと話してたら泣きそうになって教室を出ていきました。」
「そのあとをふたりが追いかけていきました。」
教室がザワザワとさわがしくなった。
『犯人はアキラーなのか?』
『まさか。オリコウのアキラーがするわけないさー』
『じゃあ、ミノルーとゲンセイにおどされたんかー』
そんな声まで聞こえてきた。
『フラー!オレたちじゃないバーヨー』と言いそうになった時。ゲンセイが言った。
「先生、言うの忘れてた。そうじの時ヨ。金魚が死んでたから、ミノルーとアキラーと一緒に埋めに行った。」
驚いた。ゲンセイ何言ってんだよ。
アキラー、本当の事言えよー。
アキラーは…。