表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

寂シサト希望ト

主人公病んでる?

会って間もないのに何となく惹かれてるメノウ。

ちょっと短い朝目覚めた彼女の心を語っております。

『メノウ・・・』


誰かが私の肩に手を置いた。

誰かが私の名を嬉しそうに呟いた。


__貴方は誰?


薄い桃色の綺麗な長髪。煌びやかな白銀のドレス。頭には金色に輝く輪っかみたいなものがあって、綺麗に微笑んでいる。目を細めて、私に微笑みかけている。

声をもう一度聞こうとしても何も言ってはくれない。

あぁ、何故だろう。私はこの人を知っている。

そして、どうして____?私の頬に伝う涙が止まらない・・・。







**********************************************************************************





「・・・ゆ、め?」


夢だった。

目を覚ましたとき、窓から白に似た黄色い光が目映くカーテンの隙間から差し込んでいた。

私は無意識に、閉じかけているカーテンをゆっくりと開けた。

一瞬、あの目映い光に包まれる。さっきの夢と同じだ。

まだくっきりと瞼に焼き付いているあの夢。

なんだか懐かしく、悲しかった。

よくわからない感情に戸惑い、風に当たりたくて窓を開けた。

それでも懐かしい悲しさは消えなくて。次の瞬間、少しひんやりとした風が颯爽と駆け抜けた。なんとなくスッキリした気がして、なんだか心地良くて。

人間界の朝は気持ちが良い。心を落ち着かせてくれる。


バサバサっ


何かが羽ばたく音がした。

何となく見上げて見ると、仲良さそうに鳥の群れが遠くへどんどん飛んでいく。


・・・羨ましい。


一層、自分が虚しく悲しく思えた。

私も翼があったら、飛べたのかもしれないのに。あの、自由な空へ。

そうえば、キーラスはいるのだろうか。


「・・・起きているのかな」


私は、廊下を通りリビングに到着する。


辺りを見回しても、閉まっているカーテンからの微かな木漏れ日だけが辺りに光を与えているだけで、昨日見た部屋と何の変わりもない。そして、目的の人はいなかった。


「どこ?」


どこにいるの?


急に不安と恐怖に駆られた身体は、言うことを聞いてくれない。ただ、どこにいるのか彼が知りたい。

自分でも、本当は寝室に居ることくらいわかっているのに、頭がよくまわらない。ただ、希望を求めてる。

ずっと独りであった、そんなトラウマが蘇る。私の裏切られて悪魔に弄ばれた悲劇が、静かに蘇るのだ。


お願い、私を独りにしないで。

私の側に居てよ。

貴方を信じるから、私が貴方の味方でいるから。

どんなことでもするから。


_だから、側に居て?


そんな焦燥感に理性が持って行かれそうで、必死に理性を留まらせた。

出会って間もないはずなのに、無意識に求めてしまう。

理由なんて分からない。ただ、私はどうやらほんの束の間の夢に囚われたのかもしれない。

そんなことを、頭の冷静な部分で考える。だって本当なら、私は直ぐに逃げる気だった。何日も居られない。一晩だけ、お世話になるだけだ。そう自分でも考える迄もなく納得していた。

でも、昨日の彼との触れ合いが、交流が、__私のリズムを狂わせたのだ。

頭に、悪魔に弄ばれた日々が過ぎった。

炎に焼かれて、凍らされて、縄で打たれて、あぁ身体も抱かれたっけ?

あのときの私の部屋は狭くて、ほんの小さな木漏れ日の如き淡い光だけが頼りの、本当に狭くて冷たい牢獄。

あれ、頭がガンガンするや。私、何思い出してるんだろう。

あれは終わったこと。既に済んだこと。その為に、今こうして逃げて隠れているのでしょう?

そう言い聞かせて、私はリビングの小さな椅子に座った。

椅子は、何故だかひんやりしていた。





「お~い」





「!」


聞き覚えのある声がした。

私は直ぐに振り向く。そして、振り向いた先に彼がいた。









私が振り向くと彼が、私のずっと側にいたことに気づいた。

寄り添うかのように、優しく側にいたことに。

先程まで見えなかった彼の姿が見えた瞬間に、_私の心が満たされるのを感じた。





「大丈夫か?人間の朝ってのは辛いか?まぁ俺も朝は苦手だけど」


彼にとっては、これは何の変哲もないスキンシップらしい。

こんな彼を見て、自分の心が静まるのを感じていく。

あと、一晩だけ居よう。もしかしたら迷惑かもしれないけれど、私の心の整理がつくまで。整理は今日中に片をつけよう。きぼうを巻き込まないように、ここを立ち去ろう。自分と彼の命を守る為に。


「私は平気だ。さっきは色々考えていただけ」


それまで、笑っていたい。



だって、



これが、私の最後の___






               貴方と居られる時間だから









ちょっと病み気味。そして一応そろそろ終わると思う(汗)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ