1時間目は二百度ちゃんです!
「人間辞める!」
彼女は二百度四葉明日から私立金桜学園女子高等学校に入学予定の新高校生だ。
そして四葉は今、二人しかいない食卓で宣言していた。
「……」
「あれれ〜? 反応ないんだけど? お〜〜い〜〜」
四葉の向かいに座っているのは鴉牙朔夜、理由があり、二百度家で住んでいる。
「四葉、どう反応すればいいか分からん」
「そっか! まっ、そういうことで私人間辞めます!!! 以上! ごちそうさまでした!!!」
そう言うと四葉は、自室へと戻った。
残されたも朔夜もご飯を食べ終わり、二人の食器を洗い始める。
「急に何だったんだ……」
朔夜は困惑しながら皿洗いを終わらせる。
――場面変わって私です!
「ふふっ! 物語じゃないから場面が変わるとかありえないけどこう思ってるとちょっとは人間を辞めて凄い何者かにはなってるかも私!」
さて……明日の準備もしてあるし、後はお風呂に入って寝るだけ!
楽しみだなぁ……。
そう明日から私は高校生!
自己紹介用のポーズを練習しよっと!
「ピース!」
うん、練習も終わったし、お風呂入って寝る!
さてお風呂場に行こう!
あっ! お返しします!
なんちゃって!
――翌日。
「起きろ……起きろ……」
「う……ん……?」
「ハッ! 今何時!?」
「……昼12時だ」
それを聞いた瞬間、四葉は飛び起きる。
「入学式、終わった!?」
「そうだな、今日学校に来た生徒は全員家に帰っただろう」
朔夜は当たり前かのように発言した。
「なんで起こしてくれなかったの!?」
「起こした、起こした結果、昼になった」
「え〜まさか昼までずっと起こし続けた訳じゃないでしょ?」
「……起こし続けたが?」
「そんなに起こしたなら普通起きるでしょ!」
「そんな事言われても知らん」
「ハッ! もしかして私! 宣言通り人間辞めたのかな? ……うん! そうだよ人間辞めちゃったから人より倍の睡眠時間が必要なんだよ! 学校休んじゃっても仕方ないね!」
そう言い四葉は喜んでいたが朔夜の顔が怖くなる。
「人間を辞めるのは勝手だが、それを言い訳にすると痛い目見るぞ」
「……は〜い、ごめんなさい」
確かに言い訳だったのは事実なので四葉は反省した。
「それより! 朔夜は学校大丈夫なの?」
「お前に付きっきりだったから入学式は行かなかった」
「もちろんお前の高校にも俺の高校にもさっき連絡した」
「そうなんだ! ありがとう!」
「とりあえずお前の高校に後で行ってこい」
「え〜なんでよーもう今日は休みでいいじゃん!」
「明日自分の教室分かるのか?……分かるならいいが」
朔夜は四葉に今日学校で貰った書類と説明をしてもらえるように連絡していた事を説明した。
「なるほどね、まっ仕方ない! 二百度ちゃん、行ってきます!」
「俺も自分の高校に行ってくる」
こうして支度をし互いの高校に出発した。
――私立金桜学園女子高等学校と書かれた校門の前に立つ。
「ふぅ……」
キャラ作りも疲れたなぁ……と思いながらも人間を辞める為に頑張る。
だって人間の私なんて皆興味がないから。
「さて! いざ、出発!」
――職員室に向う。
職員室に着き、扉を叩く。
「はーい」
扉が開かれる。
「えーと……多分貴方が二百度さんよね?」
「はい! 私が二百度ちゃんです!」
「そ、そう……貴方の事は家の人に聞いてあるから、とりあえず自己紹介させてもらうわね」
「私は1-1の担任の餅月美奈子よ、そして貴方の担任でもあるのよ」
「じゃあ美奈子先生だからみなみなで」
「……普通に呼びなさい」
呼び名を却下された事に不満は感じつつも四葉は尋ねる。
「それで! 私何すればいいんですか?」
「とりあえず教室に案内するから付いてきて」
職員室を出て二人は廊下を歩き1-1の教室まで辿り着く。
「1年生は一階なんだ!」
「そうよ」
教室に入り、美奈子先生が席を案内する。
「ここが貴方の机と椅子ね」
窓際の一番奥の席だった。
「えー人間辞めた私にはもっと禍々しい椅子と机がいいなぁー……」
「何に影響されたのかしらこの子……」
「ちなみに隣の席の子は舞城花恋さんで前の席は雛鳥南さんよ、仲良くしてね」
「はーい!」
「じゃあ今日渡したプリントねこれ、それと明日の時間割もね」
「ありがと、みなみん!」
「また変わった……」
「じゃあこれで今日はおしまい! じゃあ帰っていいわ、お疲れ様」
「大丈夫です! 私人間辞めてるので疲れてません!」
「いや……うん……そっか……」
美奈子は困惑しながら四葉を見送った。
帰宅。
「帰ったか、じゃあ朝ご飯兼昼ご飯を作ったから食べるなら食べておいてくれ」
「うん! ありがとう!」
こうして入学式初日は欠席で終わった。
四葉はすでにキャラ作りに限界を感じながら入学初日を過ごしたのだった。




