嫌味が通じない女
ポジティブ大事ですよね
嫌味が通じない女、それは私です(唐突)
こうがさんの書くお話のキャラクターはちょっとアレな子が多いと思っているんですが、「その情熱は誰のため?」はポジティブな子です。
聞くのも言うのも前向きじゃなきゃ、みたいなことを言っている人をラジオで聞いて、確かになぁ、となるべくポジティブを心掛けるようになったのはここ数年です。
元来とても心配性かつマイナス思考なのですが、いい言葉は言うのも聞くのも心地良いですよね。
なのでなるべく明るいお話はポジティブな子が主人公になるように心掛けているんですが、全力で後ろ向きに前向きな子もいるので創作って難しいなぁと思っています。
ポジティブな子がずっとポジティブかと言えば落ち込むこともあるし、ネガティブに受け止めていたけど視点を変えてポジティブに受け止められるようになったりもするし。
その多面的な人間臭さを表現することがとても難しいのですが、一話一話を大事に更新できればいいなと思っています。
さて、高校生の頃、こうがさんはとても鈍い子でした。
小学生の頃に棘のある言葉を聞きすぎて、ちょっとの嫌味が通じなくなってしまった時期でした。
当時アルバイトをしていたお店で、テスト前にお休みをとったり平日の夕方は入れないと言うと大分嫌味を言われていたようですが、全然気にしなかったんですよね。気付かなかっただけなんですが。
「女子高生は花を食べる」でも書いてますが、家から学校が遠かったのです。
バス停に着くのが夕方バイトの開始時間でした。
なので平日は出られないと言ったところ、店長から時間遅れてもいいから、ということでバイトに行っていました。
人が足りなさすぎて、いいから来い、という状態でした。
因みに高校1年生で時給650円でしたよ★
勿論最低賃金以下でしたが、ぼんやりしていたこうがさんは搾取されていることに気付かず働いていました。
夏休みそれで4万以上稼いだので、恐らくほぼ毎日バイト行ってた気がします。食費浮くし。
賄い代があったから時給650円だったのだろうか……。
そこで出会った女性社員ですが、彼女は就職先がないからとバイト先の店長に頼んで社員になった方でした。
赤点常習犯なのは別にどうでもいいんですよ。勉強嫌いなのもどうでもいいんです。
ただ、テストで休みを取ると嫌味が炸裂していたらしいです。
そこで言われていたのは、
「いいよね、勉強できて。私も上の学校行って遊びたかった」「テスト休み?頭がいいと大変だね」
なんですが、こうがさんは言葉を素直に受け取りました。
「大丈夫ですよ!今は働きながら学校行くのもありなんですよ!
行きたいとこがあるなら行くべきですよ!奨学金もあるので何とかなりますよ!まずは入学試験受ければいいと思いますよ!頑張ってください!」
「テスト前じゃないと勉強しないんで!頭は良くないですが頑張ります!」
とまぁ、確かそんな事を羅列してめちゃくちゃ励ました覚えがあります。
その後言われなくなったのであれは嫌味だったのか、と後から気付いて羞恥に悶えた高2の春でした。
因みに勢いとしては某熱血テニスプレイヤーのような勢いだったそうです(目撃者:一緒に働いていた友達)
足を引っ張るのではなく、認め合って褒めあうと前向きになれるのになぁと子供ながらに思っていましたが、あまりに嫌味が通じなくて後から気付いて笑ってしまうのでした。
変わった女性だったんですよね。
皆で食べるようにお土産持って行ったら、好きな物だからと1箱丸ごと持って帰ったり。
もやしは足が速い、と言ったらもやしが走らないことぐらいしっている!バカにするな!と怒鳴ったり。
会話が嚙み合わないことが多々ありました。
機嫌が悪いと物にあたることもありましたし、自分が気に入っているバイトにはケーキ買ってくるんですが1ピースだけだったり。
しかもその子が嫌いなケーキっていう……。
今思うと中々な方でしたが、やっぱり態度で機嫌が悪いアピールされると困りますよね。
目撃者だった友達は言い返して泣かせてました。
弱い者いじめはするけど反抗されるとすぐ泣くタイプだったので、こうがさんはフルシカトで掃除していました。
やはり言葉は聞くのも言うのも前向きがいいですよね。
自分を卑下する言葉を吐くよりも、自分を褒めてあげると少し前に進める気がします。
勉強がどうでもいいとは思わないですが全てとも思いません。
ただ、自分で勉強しない、と選んだのなら人を責めるネタにするのは違うかなと思います。
好きなバンドのボーカルは高校行くのも惜しいと音楽に打ち込んだとインタビューで読んだことがあるので、好きな物に打ち込んだり、自己研鑽をしていれば他人を貶める暇はないのだろうと今なら思えます。
その方に嫌味言われてても嫌いにならなかったんですが、ある一言で敵認定しました。
「ダイエット中なんですよー」と言ったこうがさんに対し、彼女はガトリング砲を撃ち込みました。
「大丈夫だよ!お相撲さんより瘦せてるから!」
因みにこれ嫌味じゃなく本気の褒め言葉で言っています。
あれからもう何十年と経っていますが、彼女に抱いた感情の残骸は1つです。
こいつは絶対許さねえ
今はどこで何をしているか知りませんけどね!
今もお相撲さんよりは瘦せてますよ(前向き)




