ポカと申します
番組が始まってしまった...。
私の名前は前田美香、24歳。
いわゆる女子アナだ。
報道番組を担当する事になり、コメンテーターの方を待っていたら...謎の白くてちっちゃい生き物が隣の椅子に座ってきた。
なんだコイツは...。
一体なんなのかすらも分からないまま、
オープニングへ。
「こんにちは。今日から新しく始まりました新番組、ニューススペース。私、前田美香と...」
そういえば名前は?
ていうか見てる人絶対なんだアレ!!!
ってなってるってぜったいに!!!
「あの〜お名前をよろしいですか?」
「ポカ、ウチュウジン、チキューセーフク...シニキタ...ような気がする」
ような気がするって...宇宙人!?
オイ〜プロデューサー後でちゃんと説明しろよ(怒)
とりあえず進めなくちゃ...
「最初のニュースです...」
ふぅ〜終わったぁ〜
あーもう終わりだ〜。
原稿読んでる時に
「ポッカポッカポッカポッカ」て踊り出すし、
CM中にいきなり
「プロデューサーとホテルへGO...と。」
って私のスマホ勝手にいじって、しかもプロデューサーとあたかも恋人みたいな事つぶやきやがって!
終わりだ〜!!!
私の華麗なる女子アナ人生になるつもりが、
宇宙人連れてる変人アナウンサーとか言われ書かれする人生になるんだ〜(涙)
オイ!プロデューサー!!
どこ行った!!!
クソ...逃げやがったなあのヤロー。
明日は必ず問い詰めて追い詰めてやる!!
とりあえず...
はぁ荷物まとめて帰るとしますかね〜
宇宙人の事は一旦忘れよ〜
今日も無事、帰還。
ていうか私、知名度低いのかしら?
一応テレビ出てるのに誰にも気付かれないし。
はあ〜ああ(大溜め息)
そして私は目を疑う。
何でここにいるのよ!!!!
「ヨッ」
ヨッ...じゃねーヨッ!!!
「オラ、ココ、マイホーム、すっから」
すっからって勝手に言ってんじゃね〜!
ツッコミ・チョップを食らわそうとしたのだが、
いつの間にか消えている!
アイツどこに行ったの!?
「フエ〜」
という声が風呂場から聞こえてきた。
扉を開けると湯船にプカプカ浮いたまま、
まるでオッサンのようにくつろいでいる。
「オマエもハイルカ?」
なんなんだコイツはと呆れなあきれながらも
入るに決まってんだろ!
と、タオルを頭に置いて寛ぐ宇宙人と共に疲れを癒やすのであった。
そんなこんなでなんとなく、
ちっちゃい宇宙人との同棲が始まったのである。
つづく