第一話、入道雲と共に…
月生まれの二人と地球生まれの少女が回収屋として地球や宇宙を舞台に活動するお話
20xx年 夏
気温四十度を超えるギラギラ眩しく肌を焦がすほどのムシムシと熱を発する太陽
そして青一色の空にスパイスを加えるかのように遙か彼方から此方に近付いてくるであろう白くそびえ立つ巨塔の入道雲
そんな地表の光景とは裏腹に私は太陽の光さえも届かぬ暗黒の暗闇とも言うべき深海にダイブしている
自然に発する明かりは何一つも存在しない漆黒の暗闇
この手に持つ水中ドローンの明かりだけが深海の暗闇内を私の進むべき方向を大きく照らすのであった…
そして深海に潜る私の元へ母艦から無線が入った
ピピッ!
「めぐ?聞こえてる?」
「聞こえてるよ~」
「そっちの状況はどう?位置情報によるともう直ぐ目的の場所付近だけど何かありそう?」
「んーまだ何も見えないねーただ砂底が永遠と続いてるだけー」
「はーい了解、気を付けてねー」
かつて所属していた軍隊ならば懲罰もののなんとも気の抜けた通信を終え
私は位置情報を頼りに目的地方向へと暗闇を突き進むのであった
・
・・
・・・そしてそれは突如として私の目の前に現れた
深海へと更に続く漆黒の崖
「社長聞こえる?」
「聞こえてるよ?何か見つかった?」
「更に深海へと続く崖」
「崖?」
「そう断崖絶壁の崖」
「マジか!?ん~地図には崖なんか存在しないはずなんだけどなぁー?」
「もしかしてその地図の情報が古いとか?」
「そんな事無いわよ!!今回の仕事にあたる為に機材一式新調したんだから!!」
確かに今回の仕事にあたる為に機材一式を新調している
中でも私が着ているルナスーツは今まで着ていた軍払い下げの世代の古いルナスーツでは無く最新型のルナスーツである
しかし無線から聞こえてくる社長の声はため息混じりであり通信越しでも社長が頭を抱えてるのが安易に想像出来る返答であった
「社長どうするの?潜る?スーツの限界深度にはまだまだ余裕あるけど?」
確かに今まで着ていた何世代も前のルナスーツなら今いる深海が限界深度である
だが今着ている新型ルナスーツなら何も問題無く更に潜る事が出来る
「…めぐポイントまで着いて悪いけど撤収で、情報が無い以上安全マージンを犯せないわ」
社長の少し悲しそうな声が少し切なかった
「了解、現ポイントから離脱し浮上する」
私は今いるポイントにアンカービーコンを打ち込み浮上を開始した
深海へと潜りポイントまでの移動に数時間しかし浮上するのはたった数十分
何とも残酷な事かオマケに何の収穫も無いただ働き
私は社員だから給料は固定であるから収穫があろうが無かろうがそれ程に関係は無く(収穫物によっては臨時ボーナスが有ったり無かったり)は無いが社長はそうも言ってられない
何の収穫も無ければ稼ぎがゼロつまりそれでは会社が成り立たず潰れてしまう
それに今回の仕事に向けて機材一式を新調してしまってる以上何が何でも稼がないといけないと社長は思っているだろう
そんな中社長は会社の利益よりも社員の危険を犯さず安全を優先した社長はなんとホワイト何だろうか
私ならブラック企業も真っ青にすぐさま崖の下に潜らせ成果が出るまで帰ってくるなと言っていたね
ウンウンと頷きながら海上が近づくにつれ周りの暗闇が段々と明るくなってゆく
・
・・
・・・ザバンッ!!
海上に緊急ボートを取り出しプカプカと浮かぶ私の目の前には先程までの深海の暗闇とも潜る前にみた青く広がる空でもなく地平線に沈まりゆくオレンジ色に輝く太陽とそれを影に此方に近付いてくる小型戦艦であった
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