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原子の地球、原子の私

作者: ばーでーん


原子で語る自然です。



この地球は原子でできている

外へ出て風を頬に受けたら

それは窒素や酸素の分子の粒の流れだ


無数の分子は、東西南北上下へ

あちらこちらに飛ぶ

速度の平均はなんと音速(340m/s)


東から345m/s、西から335m/sが吹かば

心地よい風になる

東風10m/sになる



この身体は原子でできている

外へ出て風を頬に受けたら

表皮の皮角化細胞(ケラチノイド)細胞膜(イオンチャネル)の反応する


無数の皮角化細胞の表面の水分が

風にふかれ、飛んでいく(乾く)

こもった温度が開放される


細胞膜の浸透圧が変わり

水分子は細胞の内外にイオンを出し入れする

細胞の営みは原子のダンスだ



動植物は原子でできている

息を吸えば、その一つ一つが

肺の奥深くまで旅をする


酸素分子は血液(ヘモグロビン)に乗り

全身を巡り、エネルギーを運ぶ

そして二酸化炭素を吐きだす


植物の葉緑素の光合成で

二酸化炭素が自身の茎や葉になる

食物連鎖がまわる



思考もまた原子の動き

神経細胞(ニューロン)は電気信号を送り

無限の可能性を秘めた思考が生まれる


脳内のシナプスが繋がり合い

思いや記憶が形作られる

原子の舞が創造する物語


アイデアの火花は電気の衝突

新たな発見へと導く光

知識の海を泳ぐ探求の旅



原子の地球、原子の私

微細な粒子の集まりが

この広大な宇宙の小さな惑星(ほし)を躍動する



星々は原子で織りなす宇宙の詩

光の粒子は時空を超えて

遥か彼方から私たちの目に届く


太陽は水素の核融合で輝き

光と熱を地球に送り届ける

生命の源、温かな恵みを与える


海の波は原子のリズムで揺れ

潮の満ち引きは月の引力に応じ

地球上の生命と共に呼吸する


深海の闇には、原子が静かに輝く

海底火山の熱で、新しい生命が誕生する

黒い煙を吐き出し、熱水噴出孔が生き物を育てる


海底の砂は、時間の粒子を集め

遥か昔の生物の記憶を宿す

地球の歴史を、一粒一粒に刻む


深海の生物は、光を求めずとも

化学のエネルギーで生きる

暗闇の中で、彼らだけの光を放つ


岩石もまた原子の集合体

長い年月を経て形を変え

山を築き、大地を育む


地の底でマグマは煮えたぎり

原子は高温で踊り続ける

地殻を突き破り、新たな陸を創る


大地の裂け目からは熱が逃げ

地球の息吹として噴火する

生と死を育む、地球の力強い鼓動


マグマの流れは地球の血潮

岩石を溶かし、地形を変えてゆく

創造と破壊のサイクルを描く


地中深くの原子は静かに語る

地球の歴史を刻む時計のように

永遠に時を刻み、物語を紡ぐ



明日もまた原子でできている

大地が南北を軸にして一回転したら

それを明日という


今日よりも素敵な明日が

より良い原子の集団の営みが

あらんことを切に願う


原子の地球、原子の私

明日の天気、明日の原子

明日もワクワクしていたい



お読みいただきありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 頬に受ける風は分子の粒、細胞の営みは原子のダンス、をはじめ一つひとつのフレーズがとても印象的で、イメージが湧きます。 アイデアの火花は電気の衝突、知識の海を泳ぐ探求の旅、のところも好きで…
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