Msm高校自然科学部ロボット競技部門
俺の名前は機動 組良苗字から絶滅危惧種だ。今年も春がこの街に訪れた。 でも、桜の木がそこら一帯にある訳じゃない。電車は1時間に一本。バスは無い。だからといって都会に住もうとは思わない。絶対に疲れる。高校なんてどこも同じ。入試前にインフルエンザになった時は焦ったけど俺は上位で受かったらしい。授業中寝まくりだったのに内申点が120/135はおかしいだろ。入試勉強はしていない。偏差値49の高校なんて勉強しなくても受かる。どうせ退屈な高校生活だろうと諦めを持って俺は校門をくぐった。
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この学校はやけにテストや模試が多い。休みを潰さないでくれよ。勉強して全国偏差値58。しょぼすぎる。このしょぼい偏差値で校内で両手に収まる。田舎なんてそんなもんだ。
この市の特産品は紙でなんでも全国トップレベルらしい。だからかうちの学校の書道部は書道パフォーマンスで海外に演技をしに行くくらいには強い。でも入る気にはならなかった。俺の字は他人に日本語に見えないと言われるくらいに汚い。うんち。なので書道部はパス。運動部も選択肢から除外だ。運動にはトラウマしかない。頭で考えられてもそれが実行できるかは話が別だ。もし、ロボットみたいに出せるパワーが決まっていたら誰よりも動けるのに。
そうこうしているうちに部活動紹介が始まった。運動部のところは……寝るか。寝た。文化部の発表は一応起きて聞いてやるつもりでいた。
「次は自然科学部です。お願いします。」
俺は壇上を見た。ゴ○リだ。ゴ○リがいる。なんで自然科学でゴ○リなんだ。ゴ○リはその後真空砲を客席に数発打ち、爆鳴気チューブで観客の鼓膜を裂きにかかっている。
サイコパスだ。( ˙꒳˙ )ダマレーー!!
「自然科学部には、先生と研究をする課題研究部門と独立して活動しているロボット競技部門があります。後者は昨年創立で部員は6人です。」
こんな田舎の学校でも新しく部活ができたりするのか。どうせ成績もしょぼ……
「昨年は、3月に大阪であった大会で初出場初優勝、そして全国大会に出場しました。競技結果は振るわなかったですが、プレゼン部門で第5位になりました。」
創立1年目にしては上出来すぎる部活だと思った。俺は少しだけ興味を持ったが、次の一言で確信に変わった。
「俺たちは今年世界に行く。日本という狭い所、ましてやこんな田舎から世界へ飛び出します。」
俺がいるべき場所はここだ。ここなら俺は変われる。俺は放課後、ロボット競技部門の見学に行くことにした。
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