第007話
冒険者になれたのでクエストを受けるために、クエスト文が書かれた紙が書貼られている掲示板の前に来た。
冒険者ギルドの制度では、新人は誰でも最低ランクのFから始まり功績によってランクは上がっていく。また、クエストにはA~Fのランクが設定されており、高ランクの方が報酬が高い。そして、クエストを受けるには冒険者ランクがクエストのランクと同等以上である必要がある。
俺も最低ランクのFだからFランクに設定されているものしか受けれないのでその中から選ぶしかない。他の人にとっては数多くの良い選択肢から選ぶ自由があろうとも、最下層の俺にとっては悪い選択肢からマシなものを選ぶことしかできない。
今出されているFランクのクエストは「ゴブリン駆除」に関するものだけであった。街の近くに巣を作ったゴブリンが隊商等を襲撃して被害が出ており、巣がどこにあるか判明したので大規模な掃討作戦を実施するとのことだ。
ゴブリンの巣は山中の洞窟にあり、ゴブリンによって罠が設置されているので攻略に人手が要る。隊商護衛や巣に突入する戦闘要員の募集はいくつもあるが俺には戦う力がないので、戦闘要員に着いて行き彼らが使用する武器や食料を持つ、いわゆる荷物持ちのクエストを探すことにした。
こうして掲示板を見ていると、Fランクでありながら高報酬のクエストがあった。内容は、ゴブリンの巣を攻略する冒険者達の指揮だ。大怪我や場合によっては命の危険もあるクエストと違い、巣に入らないのでゴブリンの罠にかからない安全な場所なのにこの報酬の差は一体。
「安全かつ高い報酬のクエストを受けるには学歴が必要なのか」
そのクエストを受ける条件に、冒険者ランク以外に学歴が設定されている。
この街には学園があり、入るには王侯貴族であることが必要だ。さらに莫大な入学金と授業料も必要。幼年から初等部・中等部・高等部があり、高等部を卒業するには王族か大貴族でなければ不可能だ。
平民である俺はそのクエストを受けることができない。
街全体に及ぶ不条理な制度に嘆きつつ、俺に今できるのは荷物持ちのクエストを探すことだ。