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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編(ざまぁとかコメディとかテンプレ外しとか)

N4年度 「異世界恋愛」後期中間考査

作者: 渕澤もふこ

【注意】頭をからっぽにして、お楽しみください。

[掲示板]

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


<落とし物>


【この答案に心当たりがあるものは、至急申し出るように】




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





【N4年度 淑女科 後期中間考査】


淑女科 3年A組 氏名________



【問1】

学園の卒業パーティーで、婚約者から突然「お前との婚約は破棄する!」と宣言されたとする。

その際に取るべき行動を50字以内で答えなさい。


『答え』 △殴る。

(字数の8割は書くこと、短いので減点。なるべく具体的に、詳しく書きましょう。)



【問2】

結婚式の後に「お前を愛することはない!」と宣言してきた新郎に対して、どのように接すればよいか。

20字以内で、元サヤを想定して答えなさい。


『答え』 △元サヤはあり得ないと、理解させるために殴る。

(字数がオーバーしています。字数制限を守りましょう。)



【問3】

「ずるい」や「頂戴」、「あなたのためを思って」などを連呼し他者の私物や権利を不当に奪っていくハイエナ。仕事が忙しい・子どもとの関わり方がわからないなどと言い訳し、ネグレクトを正当化するクズ。

これらがあなたの身内にいるとします。どうすれば家庭内が安全な場所になるか、あなたの見解を述べなさい。


『答え』 △足がつかないよう、深夜に行動を起こす。

(内容が二通り考えられるため、減点。)



【問4】

親友の振りをして悪評をばら蒔いたり、恋人を奪っていく人物のことをフレネミーという。

フレネミーへの対処法を、簡潔に述べなさい。


『答え』 △潰す。

(潰すのは何か。家なのか、面子なのか、顔面なのかを明確にして書くと良いです。)



【問5】

浮気した夫(もしくは婚約者)に、「もう一度やりなおしてほしい」と言われた場合、気を付けることを20字以内で答えなさい。


『答え』 △ キの根が完全に止まるまで、手をゆるめない。

(浮気?息?消しゴムで消えていて読めないので、減点。)



【問6】

正妻として嫁いだけれど、夫には愛人がいました。対処法を、3つのパターンでそれぞれ答えなさい。

①自分の家が、夫の家を支援している場合。

②自分の家が、夫の家に支援されている場合。

③金銭的、身分的に対等な場合。


『答え』△

①皆殺し

②半殺し

③飼い殺し

(③はおそらくお家乗っ取りのことかと思いますが、分かり辛いので減点。)



【問7】

ある男が重い病気を患い、余命いくばくもないことが判明した。彼は「他に好きな人ができたから、婚約を解消したい」と嘘を吐き、愛する婚約者の幸せを願って死んでいった。

婚約者のとった行動に対して、あなたの考えを述べなさい。


『答え』 △脳みそに花が咲いているロマンチストの自己中男と結婚しなくて済んだが、無駄に自尊心を傷つけられたので、本当は殴り飛ばしたいが、すでに死んでいるので許すか許さないかは慰謝料の額による。

(一文が長すぎて読みにくいため、減点。)



【問8】

結婚生活に必要不可欠なものを、3つ答えなさい。


『答え』 △ ①家計の支配 ②上下関係をはっきりさせる ③放置・隷属・ソフトSM

(惜しい。正解は、①金銭的な余裕 ②信頼関係 ③報告・連絡・相談)



【問9】

日頃から「お前を嫁に貰う物好きなどいない」と馬鹿にしていた幼馴染みから、「本当はお前のことが好きだった。結婚してほしい!」と告白されたとする。承諾と拒否の二通りの返事を書きなさい。


『答え』 △


承諾「 _______ 」(無回答)


拒否「そうだったんだ。私ずっとあなたのこと好きだったんだけど、あなたが私に『お前を嫁に貰う物好きなどいない』って言うから諦めて、お婿さんを貰うことにしたのよ。その人のこと、初めは特に好きじゃなかったんだけど、どうしても私がいいって言ってくれて、卒業したらすぐに結婚することにしたの。結婚式には招待するから、絶対に来てね!」

(承諾したくない気持ちは分かりますが、頑張って考えましょうね。)



【問10】

最近、若者の間でサプライズが流行っている。自分がサプライズされると想定して、困るもの・困ることを具体的に書きなさい。


『答え』 △

「借金と暴力」

(そうですね。)



【評価】

模範解答からは外れていますが、解答としては間違ってはいません。

これからも素晴らしい淑女を目指して、頑張ってください。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





ナロー学園の掲示板の前。

何人かの男子生徒たちが、落とし物の連絡コーナーに貼られているテスト用紙を、食い入るように見ている。

その中でも、下位貴族の子息が多い騎士科の生徒たちは、普段触れ合うことのない「淑女」に興味津々だった。



「すげぇな。三角しかない解答用紙とか、初めて見た」


「……淑女科って、こんな勉強してるのか?」


「いや、この解答者、明らかに淑女じゃないだろ。ほとんど拳で解決してるから、騎士科じゃないのか?」


「能ある淑女は拳を隠す?」


「そもそも、うちの学校は男子校だから、淑女科無いんだけど。なんでこんなもんが学校の掲示板に貼られてんだよ!」


「え、じゃあこれどこの学校のテストなんだ!?」



謎のテスト用紙に盛り上がっていると、紳士科の生徒の集団が掲示板の近くにやってきた。


 彼らは、第二王子を筆頭に、無駄に顔面偏差値の高い集団である。

しかも、第二王子の婚約者は、「淑女オブ淑女」と呼ばれている公爵令嬢であり、側近候補たちにもそれぞれの身分や立場に合った婚約者がいる。

そのため、婚約者や恋人がいない騎士科の生徒たちは、淑女たちへの憧れもあり、やっかみ半分、羨ましさ半分の複雑な思いで見ることが多かった。


そのような理由で、普段から下位貴族の生徒から遠巻きにされていた王子たちだったが、今日はさらに周囲の反応がおかしかった。

傍を通ると、他の生徒たちが王子たちを避けて、その場からいなくなってしまうのだ。

不思議に思っていた騎士科の生徒たちだったが、王子たちが近くに来たことで理由を察することができた。



「……おい、殿下の顔……ヤバくないか?」


「うわぁ、なんて酷い。組み手の授業って紳士科にもあったか?」


「いや、無いはずだ。どうしたのだろう、暴漢にでも襲われたかのような酷い怪我だ」



遠目からはわからなかったのだが、王子たちは満身創痍だった。

ズタボロというか、ボコボコというか、ギタギタというか、とにかく酷い有り様だった。

顔が腫れ上がっている者もいれば、首や腕にギブスを着けている者、頭や顔に包帯やガーゼをしている者もおり、紳士科の集団は全体的に白かった。

中でも、第二王子の表面における白の面積は多かった。

白くない部分は変色していて、青あざになってしまっていた。

麗しいご尊顔が台無しになってしまっている。


騎士科の生徒たちからしてみれば、体術や組み手の授業でよく見る青あざだったが、それが紳士科の、しかも第二王子の顔にあったのが衝撃だった。



「一体どうして……、殿下に何があったのか。……まさか襲撃を受けたのか!?」


「近衛騎士が護衛でいたのに襲われたのか!?」


「いや、どうやら違うらしいぞ」


「じゃあ、やっぱ授業?」


「……ここだけの話なんだが、あれの原因はどうやら殿下の浮気らしいぞ?」


「は?どういうことだ?」



噂話というものは、信憑性の無いものが多い。

事実の確認が取れるまでは、迂闊に言いふらしてはいけない。

騎士科の授業でそう習っていた生徒たちは、第二王子たちに声が聞こえないよう、こっそり掲示板の裏に移動した。



「一昨日、夜会があっただろ。そこで殿下が婚約者ではない女性をエスコートしていたらしく、一悶着あったそうだ」


「え、殿下最低じゃん」


「それ本当の話なのか?ガセじゃないのか」


「俺の妹の友人が、その夜会に参加していて現場を見たそうだ。公爵令嬢は、殿下の酷い仕打ちにも涙を見せず、淑女らしく凛々しく対応されたそうだ」



下位貴族の中でも、中位並みの力を持っている家の次男が、自分の知る情報を皆に提供する。

男子校に通う若い男子たちにとって、憧れの淑女の情報は最大の娯楽であり、生きる活力である。

男子同士で馬鹿をやるのもいいが、恋人を作って楽しみたい気持ちだってある。

ただ、出会いやご縁がないだけなのだ。



「公爵令嬢って、淑女の中の淑女って言われてるんでしょ?そんな人を蔑ろにするなんて、罰が当たるよ!」


「なんて羨ましいんだ!俺も淑女様にお会いしたい!」


「我々にとっては高嶺の花だが、殿下にとっては身近に当たり前に咲く花と同じなのかもしれないな。王族や上位貴族と我々とでは、やはり住む世界が違うのだろう」


「淑女な彼女欲しい」


「俺も」


「俺も」


「僕も」


「まあ、そんなわけでやらかした殿下たちは、お叱りを受けてああなってしまったそうだ」


「説明、雑過ぎない?」


「しかたないだろ、又聞きなんだから」


「また又聞きしといて~、今度は詳しく!」


「分かった、殿下の怪我について分かったら知らせる」


「違うよ!淑女様について!」


「そうだな、気になる」



騎士科の生徒たちは、騎士の試験に合格できれば、一代だけの爵位を得ることができる。

継ぐ家や財産がないため、他家に婿入りすることができれば大出世。

高嶺の花である公爵令嬢だって、彼らの中では恋人候補なのだ。だって夢見ることは自由なのだから!





淑女に夢を抱いている彼らは、まだ知らずにいた。

第二王子をボコボコにしたのが、婚約者である公爵令嬢だったことを。

一昨日の夜会で「淑女アッパー」を繰り出し、はめ技から「淑女衝撃波」を決めて第二王子を床に沈めたことを、彼らはまだ知らなかった。

これを書き終わったあとに、なんかできてました。


「淑女と婚約破棄~わたくし、愛のために闘いますわ!~」

https://ncode.syosetu.com/n4148hy/


なんかもう、私いったい何書いてるんだろうと思った。


↑※こちらの作品では、第二王子が埋まっている場所が少々違います。御了承ください。(投稿してから気付きましたが、そんな矛盾とか言っていたら内容自体が突っ込みだらけなので、このままでいきます。)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 学生諸君!よく見て!三角の理由は全て内容の不備不足だぞ! 問9の承諾「お前の恋情愛情に一銭も価値はないんで、当家と私の精神苦痛に対するメリットと保証、及び別居婚の同意をご提示ください」…
[良い点] こういう回答をし、説得力のあるキャラも素敵ですが。 それ以上にこの評価をしている採点者の先生がユニークで好きです! [一言] 問4の回答へのアドバイスwww 先生、潰す箇所の問題なんですか…
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