『救出された、我々の船出』・・・『詩の群れ』から
『救出された、我々の船出』・・・『詩の群れ』から
㈠
大きな、大きな、船出じゃないか、だろうだ。
だろう、世界の先を行く、我々の夢を乗せた船じゃないか。
だろ、我々は、対岸を見て、我々が乗るはずの、船を眺めているだろうだ。
そうだろ、そして、やがて、こちらに来た、船を貸してもらえるんだよ。
㈡
しかし、この国の民を、全員乗せるには、少し、幅が狭まってはいないか。
そうだろう、しかし、文句は言えまい、お前の選んだ船じゃないか、え?
だな、そして、もしも、船が来なかったら、それは、自力で泳ぐしかないな、だろうだ。
だろうだ、あろうことにも、我々は救出されるんだよ、時間の問題さ。
㈢
成程な、つまりは、救出された、我々の船出ってことで、乗るにしろ、泳ぐにしろ、船は用意されたんだ。
だろうだろうだ、後は、船の帆にまかせて、まあ、気軽に行こうじゃないか、だろうだ。