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知恵者の領地経営  作者: 仰向けペンギン
9/25

9



【反乱の真相と領主就任】




「え、え~~~~~!!??」



トロロの驚愕が領主邸に木霊した。

真相を知り、驚きを隠せないトロロ。

目は点。口は半開きで、パクパクと震えている。


無理もない。


シュヒトー領創立以来初めての領民の武装蜂起。

前兆を感じられなかったとはいえ反乱軍をみすみす領都に侵入させ、そのうえ領主邸を制圧されたんだ。

領軍隊長のトロロは責任を感じていただろう。



しかしその反乱が全て計画のうちだった。



そりゃあ驚く。


「全てを話そう。あれは5年前の大飢饉が起きた後のことだ―――」



俺はトロロに今回の反乱の背景を説明する。









まず、この計画を最初に提案したのはゲスゲスだった。



5年前の大飢饉を契機に、俺はマリー(いもうと)の願いを叶えるために行動を始めた。


【領民を幸せにする】というマリーの願いは既存の体制では叶わない。

現在の領地では養える領民に限りがある。

その数はギリギリ現在の領民の数に足りている。

でもそれは、飢饉や略奪なんかの非常事態が起きると簡単に崩壊してしまう危ういものだ。

事実5年前の飢饉がそうだった。



領内の大改革が必要だ。



さしあたって予想される障害があった。



名主共の妨害だ。



名主共は現状維持を望んでいる。

大地主として地元の小作人の上に立ち、上前をはねる。

飢える領民なんて気にもかけない。

自分らが飢えず、ただ今を楽しめればそれでいい。


改革に伴う変化が予想できない以上、選民思想の名主共が反対するのは目に見えていた。


名主共を強制的に排除することは出来ない。

領内の混乱が大きすぎる。

領民が疑う余地もない大犯罪(・・・)で検挙でもしなければ、奴らを粛正できない。

下手に手を出し奴らが生き残れば、手痛い仕返しを食らうのは俺だ。


思案する俺にゲスゲスが言った。



『我輩が(カモ)になりましょう。奴らの信頼を掴み、尻尾を出させてみせます』



その日以来ゲスゲスは名主共に取り入るために暗愚を演じた。

酒を呷り肉を貪り、肥えていった。

今では昔の面影がないほど太ってしまった。

3年前までは父上に似て格好いいと評判だったのに。


だがその分の成果はあった。



3年間にわたる暗躍の末、ゲスゲスは名主共に領主への反乱という大罪を犯させることに成功した。



領主邸制圧だけでなく次期領主の殺害未遂も加わった。

農奴60と領兵30が現場を目撃している。

証拠は十分。

自然と反乱の噂は広がり、領民の心から名主共は消える。

一族郎党を皆殺しにしても文句は上がらないだろう。



まさしく致命的な一撃だ。







ガチャリッ。



俺がトロロへの説明を終えると、領主邸のドアが開いた。


顔を向けると、金髪を耀かせる美青年がいた。


女が見れば続々昏倒するだろうイケメン。

彼は笑顔でこちらに近づいてくる。


麗人、マララークの右手には領主邸に逃げ込んだはずの老公の姿。

マララークは老公の襟足を掴み引きずりながらこちらに近づいてくる。

老公は白目をむいて意識を失っている。

巨体は脱力していて為されるがままだ。

マララークは俺の下まで辿り着くと老公を俺の目の前に放り投げた。

自由になったマララークは優雅に一礼した。



「お待たせいたしましたシュバルツ様。忠臣マララーク。ご下命を完遂しシュバルツ様の下へ」



俺はゲスゲスの援軍要請に応じてマララークをゲスゲスに送った。

先月から名主共に取り入り内部に潜入。

外交官として育てられたマララークは相手の懐に入るのが巧い。

その上この美形だ。

マララークはすぐに老公に気に入られ、今日の反乱においても屋敷内部の統率を任されていた。


俺はそんなマララークに屋敷内部の賊の制圧を命じていた。

賊もまさか隊長が裏切るとは思わない。

反乱中に裏切られた賊は簡単に寝首を掻かれたということだ。



「よくやった。屋敷内の状況は?」

「内部の賊は全て拘束済みです。捕らえられていたメイド達は全員無事。唯一ジミーだけは傭兵に殴られて意識を失っていますが、命に問題はないと思われます」



それと、とマララークが付け加える。



「マリー様は手はず通りにここにはいません。宿屋の一室でユリアに護衛させています。マリー様の柔肌に何人も触れてはいませんのでご安心ください」

「マリーが無事なら他はどうでもいい」



本作戦ではマララークに随分無理をさせた。

老公が俺への切り札としてマリーを人質に取るのは目に見えていた。

しかしマリーを本当に危険に晒すわけにはいかない。

マリーに害が及ぶ可能性は1%でも排除する。

当たり前だ。

意見は許さん。

誰であっても、何があってもだ。


とはいえマリーを人質に取れないと老公が思えば、奴は反乱という行動に移らない。

用心深く、慎重すぎるデブだからだ。


ということでマララークにはマリーを確保した演技をして貰った。


マララークがマリーを確保したと老公に報告する。

老公や傭兵がマリーを一目見ようとした時には話術で切り抜けてもらう。

協力者としてゲスゲスもいた。

本当に困ればゲスゲスを呼ぶこともできただろう。

実際に作戦は無事成功。

マリーがいないとバレず作戦は終了した。



俺は地面に横たわる老公を見下ろす。

そしてトロロに手の平を向ける。


「トロロ、短剣は持っているな?」

「もちろんでさぁ。それがどうしやしたか?」

「渡せ」

「え?でももう」


もう決着はついている、といいたいんだろう?

分かっている。

だがやらなければならないことが残っている。


「早くッ!!!」

「は、はいですだぁ!!!」


俺が一喝するとトロロが跳ねた。

すぐに腰の短剣を渡してきた。

俺は受け取った短剣を鞘から引き抜く。


そして振り下ろした。



「ーーーッ!!!」



ブスリッ!


短剣が老公の胸に刺さった。

左胸。

フーザから教わった人間の急所だ。


これで老公はーーー死ぬだろう。


「ーーーえ!?シュ、シュバルツ様!!??」


俺の突然の行動に驚いたトロロが声を挙げた。


「老公だけはここで確実に始末しなければならない。こいつは処刑場で領民を扇動しかねない」


老公の影響力は大きい。

領内の大地主として領主に次ぐ数の小作人を抱えている。

老公が処刑場で部下の小作人に甘言を吹き込めば、厄介ごとになりかねない。

金目的に老公の脱走の手助けをする者が現れても不思議じゃない。


「どうせ老い先短い命。俺の手で死ねたことを誇りに思え」


俺は胸から短剣を引き抜く。

ゴポリッ。

傷口から大量の血が湧き出た。

瞬く間に血の池が出来た。


デブだから血の量も相応に多いんだろう。


短刀は真っ赤に染まり、切っ先から血の雫が落ちている。


少しして。

老公は口から血を吐き出しながら死んだ。


俺は老公の死を確認してから隣のトロロを見た。

トロロは驚愕の表情で俺を見ている。

その目にはーーー畏れが見て取れた。

俺は思わず苦笑して問いかける。


「トロロ、俺が悪魔だと思うか?気を失っている老人に容赦なく刃を突き立てる狂人だと」

「い、いえ!これもシュヒトー領の繁栄のためだすよね!?頭の良いシュバルツ様がそう判断されたなら正しいンだと思いますだぁ!!!」


返した短刀を受け取りながらトロロは答えた。

若干言わせてしまった感があるな。


とはいえトロロも自分の中で整理がついたのだろう。

その目から俺への恐れは消えていた。




「領主は優しさだけで担える役職ではない。理想ではなく現実を生きる必要がある。そのためには時に切り捨てる覚悟も必要だ。俺はその覚悟を持ち続ける。妹が愛するこの領に、何人の悪意も寄せ付けないためならーーー俺は悪魔にでもなろう」

















※トロロ視点



反乱事件の後始末はおいらたち領兵の仕事だった。


領主邸を占領していた賊の拘束。

牢獄への移送。死体の運搬。

シュバルツ様の指揮の下、領兵で手分けして進めた。


その後はゲスゲス様に案内して貰って名主共の屋敷に押し入った。

ゲスゲス様は3年間の潜入で名手共の内部事情にすごく精通していただぁ。

広い屋敷の隠し扉を簡単に見つけちまった。

部屋の中には色んな犯罪の証拠があった。

反乱計画の書類や領主様に隠して開墾した畑の地図。

領の若い女子を奴隷商に売った証拠もあっただぁ!!!


クズ共め!こんなことまでしてだか!

もう許す余地はないだ!!!




数々の犯罪の発覚と領主殺害未遂により名主共に即座に罰が下された。


全財産没収の上、現当主共の公開処刑だ。


公開処刑は翌日昼間、領都の外の広場で行われた。

多くの領民が集まった。

ここまで集まれば数人は処刑反対の声を挙げると思っていた。


でも名主共の横暴さは領民達にとっても周知の事実だった。

反乱の目撃者もたくさんいて噂は既に領都中に広まっていた。

今更反対する者もでず処刑は滞りなく進められた。




これでシュバルツ様は領内の反乱分子を潰せた。

後顧の憂いなく、領の改革に専念できる。

シュヒトー領は諸手を挙げて次期当主シュバルツ様を称えた。



そして今日ーーーシュバルツ様の領主就任式が行われている。



『ーーーダンケルク大帝国皇帝陛下の名代の名において!ここにシュバルツ・マルク・シュヒトーがシュヒトー準男爵領領主に就任することを認める!!!』



『ーーーうぉぉぉぉぉ!!!!!!』



領民の歓声が領都の広場に響き渡った!


皇帝陛下の名代様がシュバルツ様に書状を渡された!

これでシュバルツ様が正式にシュヒトー準男爵になっただ!

シュバルツ様が受け取った書状を領民に掲げると、さらに歓声が大きくなった!


ここにはシュヒトー領中から新領主様を一目見ようと多くの領民が集まっている。

その数500!

実にシュヒトー領の全人口の半分以上だ!

彼らの熱気は凄まじい。

歓声を聞いただけで鼓膜が破れちまいそうだぁ。

皆優秀なシュバルツ様の当主就任に期待しているんだろう。

全員目がきらきら輝いている。

希望に燃えている。


荘厳な音楽が広場に轟いた。

この日のためにシュバルツ様が領外から呼んだ音楽隊だぁ。

神秘的な音色だなぁ。

滅多に聞けない楽団の演奏に、さらに会場の熱気は上がった!


おいらは天を見上げた。

雲1つない青空。

神聖な大空がおいらたちを見下ろしている。

神様もシュバルツ様の就任をお祝いしているみたいだぁ。



皇帝陛下の名代様が壇上から下がられた。

シュバルツ様1人が壇上に残った。


シュバルツ様は【拡声の魔道具】の前に立ち、領民を見下ろした。

そしてシュバルツ様が腕を広げて口を開いた。



『ーーー親愛なる領民よ。俺はシュヒトー準男爵家現当主、シュバルツ・マルク・シュヒトー。今日から正式にシュヒトー準男爵領の領主に就任する』



シュバルツ様が一呼吸置いた。



『ーーー皆覚えているだろうか?5年前の大飢饉を』

『記録的な日照不足により小麦の収穫が激減した。領内に残った小麦も悪質な商人に買い上げられ、食べる物がなくなった。日を追うごとに身体は痩せ、力を失った』

『腕が小枝ほどに細くなった頃、倒れる者が現れ始めた。そして冬が明けるまでに50人以上の領民が命を落とした。あの時の悔しさを覚えているか?目の前に腹を空かせた赤子がいるのに何も与えられない悔しさ。身体を壊した父親に薬を買えない悔しさを!』


5年前のことはおいらもよく覚えている。

おいらたち軍人は身体が大事だ。

だから飢饉当時も領内で優先的に食料が渡されていた。

隣領から盗賊が流れてきたときに、おいらたちが動けなければ簡単に食料を略奪される。

残り少ない食料も無くなっちまうだ。


おいらたちが優先的に食べ物を食える理由は理解できていた。

でもおいらたちだけが食べることに罪悪感を抱いていた。


周りが腹を空かしている中、おいらたちだけ飯を食えている。

ガリガリの子供を差し置いて大人のおいらが、だ。


あんな状況もう真っ平だ。

もう飢饉なんて起きねぇでほしい。


領民の皆も当時のことを思い出したのだろう。

皆顔を顰めている。

中には思い出したくない過去に耳を塞いでいる者までいた。


そしてシュバルツ様が叫んだ!



『ーーー妹は涙した!!!こんな可愛い妹が死に行く領民を見て悲しさのあまり泣いたのだ!聖女の如き妹が嘆き悲しむ!?そんな姿!2度と許したなるものか!!!!!!!貴様ら男はそれでいいのかぁぁぁぁ!!!!!!?』



『ゆ、許せねぇ!!!妹様を泣かせちゃいけねぇ!!!』

『そうだそうだ!子供を泣かせるわけにはいかねぇ!!!』


領民が口々に叫んだ。


「その通りだぁ!!!もうあんなことあっちゃいけねぇだぁ!!!!!」


おいらも思わず拳を突き上げシュバルツ様に訴える!

シュバルツ様が領民の反応に頷いた。



『ーーーマイスイートシスターの願いを聞き俺は決心した!このシュヒトー領を大きく変えることを!!!』



『おぉぉ!!??』


領民が期待の眼差しでシュバルツ様を見つめる。

一言も聞き逃すまいと誰もが口をつぐんだ。

場を静寂が支配した。


十分間を置いてシュバルツ様が呟いた。






『俺はここに宣言する!俺、現シュヒトー準男爵はーーー『キヒル大魔境』の開拓を開始し、領内に鉄鉱山を開発する!!!』





『き、キヒル大魔境だって!!??』

『そ、そんなこと不可能だ!あそこは化け物の巣窟だ!!祟られるぞ!!!』


領民が騒然となった。

至る所から戸惑いの声が聞こえた。

おいらだって事前に話を聞いてなかったら同じ反応をしていたと思う。



『ーーーチャーチル支部長!ここに!!!』


『はい!』



シュバルツ様が動いた。

シュバルツ様の求めに従い、冒険省(ギルド)のチャーチル支部長様が壇上に上がった。


『お、ヘッポコ支部長じゃねぇか!』

『ヨッ!ヘッポコ支部長!待ってました!!!』


冒険者と思われる者たちが支部長様の登壇に盛り上がっている。

チャーチル支部長様は忌々しげに彼らを少し睨んでいたけど。

舌打ちを1度して、気持ちを切り換えた。


腕を広げて領民に優しく語りかけた。



『キヒル大魔境の開拓に恐れる者も多いでしょう。相手は三大魔境の一角。開拓できるはずがないと。しかし私、冒険省ギルド支部長のチャーチルは本開拓計画が成功すると考えています!聡明な準男爵閣下の作戦であることに加え、本計画にはかの実力派クラン【白椿】が参加を表明しています!冒険省(ギルド)ガラン支部も全面的に協力することをお約束します!!!』



『ぎ、ギルドのお墨付きだってよ!』

『【白椿】って言えばあの噂のクランだよな!?そ、そんなクランが参加すんのかよ!!??』

『これ本当に成功しちまうんじゃねぇか!!??』


流れがいい方向に戻った。

領民たちからの戸惑いの声がなくなり、期待の声が増えた。



『ありがとうチャーチル支部長。本開拓作戦には多くの領民の協力が必要だ!明日から領主邸で参加者を募集する!給金も弾もう!』



『ど、どうする!?』

『俺は参加するぜ!こんなでけぇ計画に乗らねぇ手はねぇって!!!』

『俺もだ!大魔境の開拓に参加したなんて一生自慢できるじゃねぇか!やってやるぜ!!!』


腕自慢の領民が次々に名乗りを上げている。

全てシュバルツ様の狙い通りだ!


『また鉱山開発以外に新農法『放羊農法』の導入も行う!この農法は毎年農民を悩ませる休閑地を必要としない農法だ!これまでの3倍の収穫が期待できる!飢饉対策にもなる!詳細は各村の村長に聞いてくれ!!!』


シュバルツ様が拳を振り上げた!

天高く掲げられた拳!

青く澄み渡る天空にシュバルツ様の拳が向けられている!




『ーーー俺は妹の幸せのためにお前達を導く!お前達も自分の大切な者、家族や愛する妻の幸せのために俺についてこい!幸せになる道は俺が示してやる!大切な人間を幸せにしてやりたい者はこの中にいるか!!!???』



『ーーー領民総員!!!雄叫びを上げろぉぉぉぉぉ!!!!!』




フーザ殿の野獣の如き豪声が広場を駆け抜けた!

魂を揺さぶられる声!

広場を包む熱狂が領民の心を震わせた!




『ーーーおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!』



領民がシュバルツ様に倣い拳を高く突き上げる!



シュバルツ様!万歳ッ!!!

当主様万歳!万歳ッ!!!

シュバルツ様着いて行きます!!!

俺も!

私も!



口々に領民はシュバルツ様を称えた。

元からシュヒトー家に忠誠心の高い領民だが、今日を経てさらに高くなっただろう。



この日からシュヒトー準男爵領は生まれ変わるだぁ。

シュバルツ様の下で、着実に成長していく。

領民も皆それを確信していた。

領民全員が幸せに向けてひたはしる。







この領は今日、新しいスタートラインに辿り着いただぁ。







おいらはシュバルツへの忠誠心を胸に、ひたすら拳を天に突き上げていた。










【次話 閑話 貴忙鶏襲来!】

 






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