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闘気について

 やあやあ、諸君、私の講義にようこそ、私の名前は希代の天才博士、サンチョ! いやはや君たちは運がいい、なにせ、私の講義を聞けるのだから! 

 そうとも普段、こんなところで講義をするような暇な人物ではないのだよ、私という偉大なる……ああ! ちょっと待ってくれたまえ! なぜ席を立つのだ?


 何? 僕だって忙しい? こんな意味のわからない自慢話をするだけの無名の博士の講義なんて聞くだけ無駄? 

 む、無名とは失礼な! いいかな私の研究結果というものが万が一、世に出たら全てがひっくり返るのだぞ!

 む! 信じていないな、いいだろう! 今は見せることができないが、いずれ私の研究結果というものを見せてやる!

 なになに? その前に? きちんと講義を実施してちゃんとした博士だということを証明してほしい?

 そこからか! そこからなのか、君はまずそもそも私がきちんとした博士がどうかすら疑っていたのか?!

 だが、まあ、いい、君と私は所詮、初対面。初対面の人間に対して全面に信頼せよという方が無理な話ではあるな。

 よし、では講義を始めるとしよう! なあに、簡単なこと! 今日のテーマはなんだったかな? 


 ふむ……「闘気」についてか……


 忌々しいものだ、闘気、こいつの存在のお陰で、古代人が生み出した素晴らしい発明である銃は、軽視されている。

 まあ順を追って説明しよう。


 闘気、それは、鍛え抜かれた肉体から溢れ出る特殊なエネルギーのことである。

 別名「チャクラ」「アルトラ」とも呼ばれているそれを人類が発見したのは、魔法すら、発展していないころ、人類がいわゆる原始時代と呼ばれる時代からだ。

 まあ、闘気というもの自体、実は人類が猿だった頃から使えているのであるが、初めて技術として体系化されたのは原始時代からだと言われている。

 ……何? 人間は猿じゃない? これは失敬、君は進化論というやつには否定的な立場の人間だったか、いやはや、君はもしかして敬遠な、メサイ教の信奉者かい?

 まあ、でもこれは事実なのだから、一旦、飲み込めなくても飲み込んでくれ。


 とにかく、人間が技術として闘気を体系化したのは原始時代なのだ。

 その証拠に原始の時代に人間は闘気を纏わせた武器を用い圧倒的な威力で、古代の獣を屠った形跡が化石などから見て取れるのだ。

 そうして人々は闘気の力を使い、獣たちと渡り合い、発展していった。

 また狩りだけでなく、闘気によって増強された力を建築などに用い、古代で人類はますます発展していったのだ。


 ……何? そもそも闘気とはどのような効果があるのかだと? ああ、すまない、私としたことが重要なことを忘れていた。


 闘気がもたらす効果は多様だ、肉体の強化はもちろん、闘気のエネルギーそのものを射出したりもできる。

 そのほかにも武器や防具に纏わせることで、破壊力、耐久力を向上させることも可能だ。

 全く、こんな闘気というものが扱える戦士が、ぽんぽんいるから、世論が、偉大な古代の発明である銃を軽視するのだ。

 君ももう存じているだろうが、闘気に目覚めた戦士は莫迦みたいに強い、五感が常人より優れ、力は百人力、皮膚は魔物の爪さえ通さぬ者もいるという。


 全く、嘆かわしい、このような戦士たちは大抵原始的な剣や槍、はたまた弓矢などを好むのだ。銃も素晴らしいというのにな……


 とにかく闘気というのはこういうものなのだ。まあ少しはわかってもらえただろう、休憩を挟みつぎの講義に行くぞ!

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