私は新世界の神になる
某日、沢は佳境に立たされていた
「私は、スーパー地球人ダァーーー!!」
同時刻、世界で数々の超常現象が観測される
ある一点を中心に上空の雲は晴れ渡り、地面は地震によって山が作られた
この異常事態を受け、天界では地上に洪水を起こすことが決定される
そんな中、書記官であるエーノックが、その洪水の中止を求め、天界の主は彼に、沢という女を始末するという命令を与えたのだった
ッカッッ
「話をしよう
あれは確か、1万と2000年前、いや、1億と2000年前だったか、まあいい
私にとってはつい昨日の出来事だが、君たちにとっては多分、明日の出来事だ
彼には72通りの名前があるから、何て呼べばいいのか、確か、最初に会ったときは、エーノック、そう、あいつは最初から言うことを聞かなかった
私の言うとおりにしていればな
まあ、いいやつだったよ」
はるか上空、特命を授かったエーノックと共に地上へと向かう、ある男がいた
「そんな装備で大丈夫か」
「大丈夫だ、問題ない」
そう男に告げると、エーノックは駆け出す
はるか上空、雲一つない空を通り過ぎる
「なんだ、お前は」
エーノックが下りると、そこにはまさに、この世のすべての悪を詰め込んだような存在がいた
「血祭りにあげてある」
(しまっ)
その風貌に気後れしていたエーノックは背中を打ち付けられる
「なんだ、その程度か」
怪物は、にやけながら、エーノックの装備をはがしていく
防戦一方となったエーノックは、その素早い動きについていけない
「もう、俺たちはおしまいだぁ〜」
隣で何もしていない男が言う
視線を少し変えた時、怪物の拳を正面で受けたエーノックの剣が折れる
(ああ、私は地上を救えなかったのか)
そう、エーノックが死を覚悟していた時、
「神は言っている ここで死ぬ運命ではないと」
瞬間、時間が、上空にいた、あの場所に引き戻される
「一番いいのをくれ」
そういうと、彼の体には、白い、まるで神々しさを内包しているかのような装備が現れる
数日後、一向にスタート画面から進まないエーノックに失望し、天界では洪水を起こすことが決定された