表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名無しの悪魔ちゃん  作者: こめっこ
第2章 教育冒険者
28/35

実地訓練最終日

長い期間空いてしまって申し訳ありませんm(_ _)m

不定期にはなりますが、また更新していきますのでよろしくお願いします。


 目が覚めると馴染みのない天井が映った。


「……そうだ、昨日……ッ!?」


 昨日ゴブリンの集団に襲われた事を思い出して慌てて飛び起きた。

 襲われてって言うのも何か違うけど、確かナナシさんに治療院に運んでもらって治療したところまでは覚えている。

 ふと周りを見ると隣のベッドには所々に包帯を巻いたルークが寝ていて、その脇に私達の装備が置いてあった。ルークはぐっすり眠っていて、無事な姿を見て安心した。


 ベッドから起きてどうしようかと考えていると、丁度ナナシさんが部屋に入って来た。


「フランちゃん、もう起きて大丈夫なの?」

「はい、もう大丈夫です!」

「そっかあ、良かったよ」


 私はナナシさんに謝らなくちゃいけない。

 調子に乗って勝手な行動して、命まで助けてもらった。

 あの時ナナシさんが来てくれなかったら私達は街に帰る事が出来なかった。


「あの――」

「ごめん!」

「え……」

「私のせいでフランちゃん達を危険な目に合わせてしまって……本当にごめん!」


 私が謝るどころか逆に謝られてしまった。


「あ、あの……そうじゃないんです……。あれは私達が悪いんです」

「で、でも」

「あれは……私とルークが調子に乗って何でも出来る気になって勝手な事をしたからです。ナナシさんは何も悪くなんてないです! だから、だから謝らないで下さい。……ごめんなさい」


 途端に申し訳ない気持ちや、怖かった思い出が蘇ってきて気が付いたら涙が溢れていた。


「よしよし。怖かったんだね」


 そんな私を優しく抱きしめて、子供をあやす様に声をかけてくれた。それに堪えきれなくなった私は、声を上げて泣いてしまった。


 どれくらいそうしていたのだろう。私が泣き止み、落ち着いたところでナナシさんが話しを切り出した。


「そうだ! 一緒に特訓してみない?」

「特訓……?」

「そう! 何かやった方が少しでも強くなれるかなと思ってさ。ルーク君はしばらく動けないだろうし、もし時間があるならだけど……。どう、かな?」

「や、やりますっ! お願いします!」


 私も今より少しでも強くなれるのなら嬉しい。だけど、迷惑かけた上に命も助けてもらって、どうやってこの恩を返せばいいのか分かんないよ……。

 こうして次の日からナナシさんとギルドの訓練場で特訓する事になった。



 私はナナシさんの特訓を受けているうちに、意識して身体強化が使える様になっていた。

 その事をナナシさんに伝えると『きっと修羅場を乗り越えたからだね』なんて言ってたけど、絶対違うと思う。

 こう言っちゃなんだけど、はっきり言ってゴブリンに襲われた時よりもナナシさんの特訓の方がきつい……。

 いや、嬉しいんだよ。嬉しい事なんだけど、でも本当にきついんだよ……ナナシさん全然疲れないし……特訓の方が修羅場だよ。ニコニコしてるけど、この人容赦ないし……。



 訓練を始めて三日経った休憩中に、ナナシさんがじーっと私を見つめていた。思わず何か付いているのかと服をはたいてみたりしたけど特に何もなかった。


「フランちゃん結構魔力増えてるね?」

「えっ?」

「うん、間違いないよ。見た感じ、前より三倍以上は増えてるし、質も良くなったんじゃないかな」

 

 魔力が増えたのは今言われて初めて、あぁそう言われてみれば? くらいには自分でも何となく分かった。

 魔法使いの人は他人の魔力量を測れるって聞いた事あるけど、質って何だろう?

 私はその疑問を聞き返した。


「あのう、質って何でしょうか?」

「んぅ?……あ、あー……。なんていうか純度っていうのかな……? 同じ量でも魔力の効率が良くなるって言うのかな」

「……?」

「うーん。そうだねえ、口で伝えるよりも見た方が早いかな。とりあえず質の悪い方がこれね、ほい」


 そう言って私でも視えるくらい凝縮された小さな魔力の塊を人差し指の先に出した。

 それは薄紫色で少しキラキラしてとても綺麗で、とても大きな魔力を感じた。

 凄い、魔力ってこんな色だったんだ……えっ? ……これで、悪い方……?


「じゃあ今度は純度が高い方ね」


 すると突然、指先の空間にまるで穴が空いたみたいに真っ黒な塊が現れた。

 小指の爪くらいの大きさなのに、触ったら死んじゃうんじゃないかって思うくらい強い力を感じた。

 私はそれから目が離せなくなった。というか、正直すごく怖い。


「どうかな?」

「凄い……です」

「フフフ、毎日練習したからね」

「……ナナシさんは魔力を自在に扱えるんですね」

「ん? まあ身体強化は魔力操作の延長みたいな物だし、意識して身体強化が使えるんだからフランちゃんも出来るようになるんじゃないかな?」


 簡単そうに言うけど、そんな事全然出来る気がしないんだけど……。

 それに身体強化が魔力操作の延長? 身体強化は身体強化なんじゃないの? 長い期間体を鍛えてたら自然と使えるようになるとかは聞いた事あるけど。

 ……あぅ、全然分かんない。



 私は一日で退院出来たけど、ルークは二日経っても目が覚めなかった。

 治癒師の先生はじきに覚めると言っていたけど、このまま目覚めなかったらどうしようと不安になっていた。

 だけど、今日お見舞いに行ったら普通にご飯食べてて、本当にすごくほっとした。

 本人は大丈夫って言ってたけど、先生から大事を取ってあと三日は入院って言われたルークが駄々こねてナナシさんに怒られてた時はちょっとだけ笑っちゃった。

 それから三日後、予定通りルークも無事に退院した。


 そして、私達は実地訓練の最終日を迎えた。




♢ ♢ ♢




 はぁ。

 最近、気付いたらため息吐いてるわー。

 結局二人は無事だったし、過ぎた事でいつまで悩んでるんだって思うけど、なかなかねぇ……はぁ。


 この一週間、私に出来る事はしたつもりだけど、これでよかったのだろうか。


 ……って、あーもう止め止め!

 今から最後の実地訓練なんだからしっかりしないと!



「よし揃ったね。じゃあ出発するけど、ルーク君は退院して昨日の今日だけど本当に大丈夫?」

「ああ、もう何ともねえよ」

「無茶しないでよルーク? 痛くなったらちゃんと言ってよ?」

「わーってるよ。ほら、この通りだ」


 そう言いながらピョンピョン跳ねている。これだけ見ると子供らしいんだけど。

 あれだけ重症だったのに傷も全く残ってないし、本当に平気そうだ。

 それにしても回復魔法って本当に凄いな。私が回復魔法を使えたら良かったんだけど、まあ今言っても意味ないか。


 今日の予定はファングボアとの戦闘を経験させる為にいつものゴブリンの森に来た。

 ここのゴブリンは居なくなったからゴブリンの森って言うのも変だけどね。その変わりに色んな野生動物や獣型の魔獣が見られる様になった。



「来るぞ!」

「うん!」


 とまぁこんな感じで早速ファングボアとの戦闘が始まった。今回の獲物は私がいつも狩っているファングボアよりも小さいが油断出来る相手でもない、と思う。

 二人は左右から挟撃する作戦のようで、二手に別れて素早く獲物の横に回り込んだ。

 すると、ファングボアがルーク君に狙いを絞って突進した。


「おっと!」


 ファングボアの突進を危なげなく躱した。

 病み上がりだと言うのにルーク君の動きは悪くない、むしろ以前より良くなっているように感じた。


「くっ!」


 どうやら避ける事は出来るが、攻めるタイミングを掴めないでいる様だ。


「フラン!」

「大丈夫! 任せてルーク!」


 何度かルーク君が突進を躱すと、ファングボアは狙いを変えてフランちゃんへ向かって行った。

 フランちゃんは突進を最小限の動きで避けて、通り過ぎて行ったファングボアを追い抜く程の加速で追いすがった。


「たあぁっ!」


 そして、ファングボアが方向転換する隙を狙って首元に槍を突いて、素早く引き抜いた。

 首元を突かれたファングボアは太い血管が切れたのか、瞬く間にドバドバと大量の血液を流した。

 もう一度彼女に向かって駆け出したが、急にもがく様に暴れ出してそのまま次第に動かなくなった。


「……ふぅ」

「やったなフラン!」

「うん! ありがとルーク」

「だけど何だよさっきの動き?」

「え? 普通に避けて突いただけだけど……?」

「いや、それは分かったけど……」


 確かに避けて突いただけだけど、無駄が無くて凄く良かったよ!


「ナナシさん比べると遅かったから……かな?」

「ああ、そういや俺が寝てる間に特訓してるって言ってたな」


 なるほど、これは私の特訓も無駄じゃなかったって事だね。


「おいナナシ! 俺にもその特訓しろ!」

「エー、どーしよっかなー? 人にお願いする態度じゃないよねーフランちゃん?」

「えっ……う、うん。 ちゃんと言わないとダメだよルーク」

「ぐっ……俺にも特訓して、下さい」

「うむ、まぁよかろう」


 ふっ、勝った!

 まあ、ルーク君も悔しいんだろうね。

 私も時間はあるし、それで不安が減るなら喜んで引き受けよう。


「良かったねルーク」

「ああ」

「これでルークもあの地獄の特訓に……フフフ」ボソッ


 おおぅ……何だかフランちゃんの笑顔が黒い!?


 倒したファングボアは二メートルない位の大きさだ。

 普通ならもうこれで帰ってもいいけど、今日は荷車を借りて来てるから沢山持ち帰る事が出来る。なので時間の許す限り狩りを続ける。

 獲物の見張り番は私に任せなさいな。



 それからはホーンラビットが一匹とワイルドウルフが4匹、そして最後にファングボアをもう一頭仕留めた。

 どれも危なげなく安定した立ち回りが出来ていたから無茶さえしなければ問題はなさそうだ。

 ……ほとんどフランちゃんのクリティカルヒットで呆気なく終わったんだけどね。逆にルーク君が少し拗ねちゃったけど、君にも訓練をつけてあげるから安心しなさい。

 それでも一度痛い目に遭っているからなのか、カッとなって怒るような事もなく戦闘中は冷静だった。

 今の段階でこれだけ出来ればもう大丈夫だと判断して私達は冒険者組合に戻った。


 依頼達成の報告もつつがなく済み、なんとか私の特殊依頼は完了した。



やべっ、どんな話だったか忘れた(汗)


ここまでお読み頂きありがとうございます(๑˃̵ᴗ˂̵)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ