第7話『約束の首飾り』
ブローザの下へと転送した私は、オバケマタンゴにアースディライズを使いゴーレム達の攻撃で全滅させると急いで戻り、テルロイの下へと転送した。
つまり、私がブローザを選らばなかった場合。私がテルロイを前に選べば、ブローザパーティーは私の登場を待たずにオバケマタンゴを退治してしまい。私は出番を無くし収入を得られなくなり、テルロイパーティーからのみの収入になってしまうが。ブローザを選んだ事で、ブローザパーティーからも、テルロイパーティーからも収入を得られるのだ。
そして、私の予想通りテルロイパーティーは、まだブラウンドラゴンと戦っていた。ブラウンドラゴンはダメージを受けながらも、テルロイパーティーを追い詰めていた。武道家は倒れて仮死状態になり、僧侶も回復魔法を使うために魔力を練っており。その時間稼ぎに私はテルロイに呼び出されたのだ。
私は大地と共に戦う者を使い、ゴーレムに戦わせながらも僧侶の前に立ちブラウンドラゴンからの攻撃から守ろうとしたが。私は契約上、自分の特技を使い終われば帰らなければいけないので。大して意味も無いが気持ちだけでも、自分を召喚してくれるパーティーの為に何か出来ないか?と考えて仕事をこなして行った。
その時に、私の放ったゴーレムは運良く改心の一撃を出してブラウンドラゴンを退治でき。私は転送装置で戻ろうとすると、ボロボロになっていたテルロイに
「ありがとう。助かったよ。」
と一声礼を言われ。何だか充実した気持ちになり、私はテルロイに頭を下げて会社へと戻った。
そして、私は会社へ戻ると直ぐに座る間も無くフロストに次の召喚の指示を受けた。私を呼び出しのは小柄な女性召喚師のフロイラであった。フロイラはいつもの様に転送された私に
「ボルガンダちゃだ♪」
と脚にしがみついて来たので、然程気にもせずにいつもの様に大地と共に戦う者使うとフロイラは私の顔を覗き込むと
「ボルガンダちゃん、お顔が疲れてる。全然休んで無いじゃない?」
私はフロイラのその言葉に働き詰めで、3ヶ月間休み無く働いている事に気付いた。そして自分の顔を撫でてみると鱗の艶が無く、いつもよりガサガサとした感触であるが元々ブラウンドラゴンはガサガサなので少し考えたが。やはり疲れが出て居るのだろう。と私は考えに辿り着いた。
すると、そんな私を心配してフロイラは私の長い首に手を伸ばして銀色に輝く首飾りを装備させてくれた。
「ボルガンダちゃん。この首飾りには癒しの力があるから、決して外しちゃダメだからね。」
そう言いながら回復魔法を私に使ってくれた。私は職務中に、この様な優しい事をされた事が人間の頃を含めて無かったので、戸惑いながら
「ありがとうございます。フロイラ様。」
私がフロイラに礼を言うと、フロイラはニコリと私に微笑んで
「私が守ってあげるね。」
私はまだ、そのフロイラの言葉が理解できずにただフロイラに微笑み返して。ゴーレムが消えると、私は会社へと転送された。