第6話『毒竜シリュウ』
私とビリビーが別のソファーへと移ると、直ぐにフロストが
「イエロースライム、ビリビーお呼びだよ。」
とビリビーを呼び出し、ビリビーは転送装置へイソイソと行き、私は一人でソファーに座っていた。
すると、ファビュラ三姉妹の二女スイが私の下へと来て。手招きをすると
「ブラウンドラゴンさん。シリュウ様がお呼びになっていますので来てください。」
(来てくださいって、隣のソファーなんだけどな...)
私はそう思いながらも高位レベルの召喚獣の誘いを無下には出来ずに、立ち上りシリュウに一礼して立つと。シリュウは私に
「まあ、かけたまえ。」
と言うので「失礼します」と一礼して対面のソファーに腰掛けた。シリュウは毒竜らしくポイズントードの丸焼きを食べながら、マンドラゴラスムージーを飲んでいた。
「所で、ボルガンダくん。私はこう見えても同じ竜族には低レベルでも敬意を払うものでね。他にもシルバードラゴンのメルファーやエッジドラゴンのグルゴン何かとも親しくさせてもらってるよ。」
「はあ。」
「そう言う事でボルガンダくん。まあ、君とも親しく...」
「おい!シリュウ!うちの会社は組合は禁止だからな。」
私とシリュウの会話を裂いて、フロストが声を上げた。さすがに、シリュウも固まり慌ててフロストの機嫌を取り始めて
「いやーレベル100のフロスト常務に楯突く訳が無いじゃないですか。」
そう言いながらシリュウがおべっかを使うと、フロストは大して気にもせず。水晶モニターを見ながら指を鳴らし
「おいボルガンダ呼び出しだ。誰がレベルが高いか判ったら立ち上り行け。」
私は立ち上り返事をすると、転送装置へと入った。私が運ばれたのはレベル40の老召喚師テルロイの下であった。テルロイのパーティーは剣士、武道家、僧侶といった珍しいパーティーで向き合う敵は私と同じブラウンドラゴンであった。
ブラウンドラゴンは激しく雄叫びを上げて。パーティーの前に立ちはだかっている。私は初めて遭遇する自分と同じ姿に、戸惑いながらも契約通りに攻撃の準備をし『大地と共に戦う者』を唱えようと構えると、剣士と武道家が飛び出し。
私のアースディライズが発動し三体のゴーレムがブラウンドラゴンに飛び掛かると同時に、サイドからゴーレムの影から剣士と武道家が攻撃を同時に放ちブラウンドラゴンの鱗を剥がし流血し出すと。僧侶が真空魔法を放ちブラウンドラゴンへ大きくダメージを与えていた。
私はゴーレムが消えると同時に、転送装置で会社へと戻ると続けてフロストが
「ボルガンダ。同時に二人から依頼が来たぞ。」
「フロストさん。依頼者はどなたですか?」
「さっきの召喚師テルロイと、召喚師ブローザだ。」
「ブローザ様のパーティーは勇者エルトラと、戦士グラント、魔道師ヘルスラと強者揃いで次のターンまでに勝負が決します。ブローザ様の所へ転送してください。それが一番会社に収入を得ます!」
私のその台詞にフロストは頷き
「急げよ。」
そう言うと、私をブローザの下へと転送した。転送された私の前にはオバケマタンゴの群れが居たので私はガッツポーズを心の中でした。