第51話『ライアの過ち』
私とライアは動かないエミシアをツンツンしてみた。しかし、その度にピクンピクン動くがハッキリとは動かないでいた。ライアは私と目を合わせて
「ボルガンダよ。お前、コイツと何やら因縁が有りそうだがどうする?」
「んー。この人、闇召喚師ですし、召喚獣解放同盟だから。括り的には悪い人なんですけどね。でも、気持ち悪い事を言うだけで大して悪い事をされた訳でも無いので。水ぐらいはあげても良いんじゃないですかね。」
私はライアの問いにそう答えると。ライアは
「では、水ぐらいはやろう。」
そう言うと水筒をエミシアの口に付けると、ゆっくりと水筒を傾けてエミシアに飲ませた。すると水分を得たエミシアの顔色はぐんぐんと...
悪くなり。エミシアは
「ブホッ!ゲハッ!ゲッゲー。」
と勢い良く水を吐き出した。私は不審に思ったが、この嗅いだ事のある鼻をツン割く様な芳香
「ライアさん!それデスズズズガンのデスガドガン族の『戦士の咆哮』じゃないですか!なにそんな物を持って帰ってんですか!」
「しまった!こんな貴重な物を飲ませてしまった!まあ、これで精力がみなぎるだろう。」
「ライアさん!デスガドガン族の料理はデスガドガン族以外には毒だからダメですよ!貴女も弱ってたじゃないですか!」
「何を言うか。私はこんなに元気だぞ!」
「いや!それは薬膳エルフ料理のサングリラさんのお陰です!変な所をポジティブにならないでください!」
「そうか。空腹みたいなので、コイツをデスズズズガンへ連れていこうと思ったが止めておこう。」
「それ、優しさか殺意か判りませんよ。」
そんなやり取りをした後で、ライアはもう一つの水筒でエミシアへと水を飲ませると、エミシアの意識は戻り。
「すまない。借りを作ったな。所で最初に口に入れたのは気付け薬か?強烈で目が覚めたぞ。」
目覚めてそんな事を言い出すエミシアへ私は
「ま、まあそんな所だ。」
と知らない振りをした。すると、エミシアは立ち上がろうとするが体力は戻らず、また倒れた。ライアはエミシアに肩を貸し、私の背に乗せると私に向い
「良くわからんが。腹を空かせているみたいだし。先程のハーフエルフとダークエルフの店に連れて行こう。コイツも見たところハーフエルフの様だし。」
そう指示を出すと私の背に飛び乗り。私は薬膳エルフ料理のサングリラへと飛び立った。
―――そして私達はサングリラの前へと着地した。
たった、一時間程の時でサングリラの様子が違っていた。私達が、蔦の生い茂った柵の門を潜ると。先程まではガランとしていた店内は多くの客で賑わっていた。私達に気付いたミルネは 走って寄って来ると
「先程はご来店ありがとうございました!あれから貴方達が帰ると、たくさんのお客さんが来ててんてこ舞いだったんです!何でも、美味しいものと可愛いものが大好き賢者『ぽんこつハミット』さんのミンスタを見て来た。と仰るのでフロイラさんの事だと知りお礼が言いたかったのです。所でそのハーフエルフはエミシアじゃありませんか?」
私はミルネの発言に色々と驚いたが、とりあえずミルネがエミシアと知り合いな事に驚く事にした。




