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第41話『ネコロンカフェ』




 先程の会話で、フロイラとスイは仲良くなりネコロンカフェへと歩いている最中は、ずっと二人で話が盛り上がっていた。


「フロイラさんって、もしかして『ミンスタ』やってます?」


「うん。やってるよー。スイちゃんは?」


「はい。わたしも会社に内緒でやってるんです。アッ!もしかして『ぽんこつハミット』さんってフロイラさんですか!?」


「そそ!『ぽんこつハミット』は、わたしだよー。えっ?スイちゃんアカ何?後で交換しよ!」


と、何か解らない会話を聞いているうちにネコロンカフェへと到着した。ネコロンカフェは余り大きい店では無かったので。私は外で待つ事にして、皆は中へと入って行った。


 ネコロンカフェの店内は、10匹程の猫が居り。可愛らしい家具や雑貨が並んでおり。そのピンク色を基調としたファンシーな空間の中で、猫達と遊びながらくつろぐ店の様であった。フロイラとスイはキャーキャー言いながら猫を撫でると、二人共猫を抱き抱えてテーブルの席へと腰かけた。コルシカは


「カワイイのは判るけどこれからご飯食べるんだから、猫ちゃんは放してあげたら?」


と言うと、フロイラとスイは首を横に振りながら


「モフモフは『神』です!わたし達は信心深く神と共にお食事を頂きます!」


と許否した。すると、メーブナはクシャミが止まらなくなり


「俺、猫アレルギーなんだわ。」


と言うと奥からこの店のマスターが現れた。先程の露天風呂で一緒になった老人であった。マスターは紙ナプキンの入った円形の筒をメーブナに渡すと


「それじゃったら、表にオープンカフェを用意しておくから。そこでくつろいでください。」


そう言うと。このネコロンカフェの唯一のメイド。猫耳を付けた77歳のオヨーネに、マスターはオープンカフェの指示をした。オヨーネが手招きをするので、メーブナは後ろを付いて行くと。オヨーネは店の入り口の軒下に呉座を敷いて手を差して


「どうぞ、オープンカフェです。」


と、メーブナを案内した。私もメーブナも心の中で強く


(呉座かよ!)


と突っ込みを入れたが。どちらにせよ中の面々が食べ終わるのを待たなければいけないので。メーブナは仕方無く呉座の上に座り紙ナプキン入れを置いて、鼻をかんだ。そんなメーブナに向いオヨーネは話を始めた。


「私は77歳じゃが。気分は常にセブンティーンじゃ。私がセブンティーンの頃にこのネコロンカフェで働き始めた。」


「この店、創業60年の老舗かよ!ファンシーなのに!」


と声に出して突っ込みを入れた後に。


(オヨーネの話し長くなりそうだな。)


と思い。BGM代わりに絃楽器で優しい音色を奏でながらメーブナはオヨーネの話を聞いた。


「その頃と言えば。魔王を超えた魔王『イルビゾンテ』とグルコニア王国が対峙した。グルコニア大戦の真っ只中じゃった。私の旦那でマスターのマカロンは徴兵で、この店を離れる事になり。私は一人でこの店を守った。」


「マスターの名前カワイイな!おい!」


構わず話し続けるオヨーネにメーブナは突っ込み続ける時に。店内ではフロイラ達がネコロンカフェ特製ふーわふわとろけるパンケーキとタピオーカミルクティーを注文していた。私はメーブナとオヨーネのやり取りを静かに見ていた。



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