表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/92

第31話『戦いの行方』




 ―――ボルガンダはパーティーの皆を庇い、タナーカの魔法を受けて身代わりとなった。


 フロイラは涙を流し、目を開かないボルガンダに回復魔法を充てながら。


「わたしが守るぅって言ったのに...ボルガンダちゃん。」


と呟き。イエミツは涙を何度も拭いながらボルガンダの頬を撫でた。そんな中でライアは一人でボルガンダの懐から抜け出した。そして剣を構えるよりも先に走り出し、タナーカへと体当たりをし。倒れたタナーカの上に馬乗りになった。


「この戦士ライア!ボルガンダお前一人では死なせはしないぞ!」


ライアはその叫びと共に馬乗りになったまま剣を両手で持ちタナーカへとつきさした。タナーカは笑いながら


「残念だったなマジックポイントの回復した私は何回でも回復魔法を使える。その上、お前は私の攻撃魔法から逃れられない距離だ。ギャハハハハ。」


そう馬乗りになったライアに向い吐き捨てた。しかし、ライアは迷わずにタナーカへと何度も剣を突き刺した。タナーカは血を吐きながらも回復魔法を使い。そして空いた手でライアへと激しい爆発魔法を浴びせた。しかし、ライアは輝く鎧の効果で、ダメージは負うが軽傷で済み。


「戦士とは戦場へ身を置く覚悟を背負った者を言う!戦士ボルガンダの御霊に我が命を捧ぐ!」


そう言うと、ライアはまたタナーカへ剣を突き刺した。タナーカはライアへ


「無駄だ無駄!私は死なない!」


そう言ながら回復魔法と、ライアへの攻撃を繰り返した。ライアは攻撃を受けても怯む事無く刺し続けた。タナーカも手を緩めずにライアへの攻撃魔法を放った。


 幾度となく放たれたタナーカの強力な攻撃魔法でライアの輝く鎧は、魔法反射効果が有ると言えどヒビだらけになっていた。ライアの方もダメージがかなりなものであった。


 タナーカはそれでもライアが死なない事に苛立っていた。そしてタナーカは次の攻撃魔法をライアに放つと、遂にライアの輝く鎧は粉々に砕けてしまった。それを見たタナーカは満面の笑みでライアへ攻撃魔法を放とうと手を伸ばした。



筈だった。



しかし、タナーカが魔法出そうと手を伸ばした瞬間にイエミツが刀でタナーカの両腕を切り落としたのだ。イエミツはライアの目を見るとライアは頷き、タナーカの口の中へ剣を突き刺した。タナーカは魔法を唱えることも出来ず、魔法を放つ事も出来ず。


 ジタバタと。ジタバタともがいていた。


しかし、その内タナーカは動かなくなり。目の光を失い。呼吸も脈も止まった。それを確認するとライアは剣を抜いて、立ち上がり。その剣を天に掲げると意識を失い倒れた。


 そんなライアをコルシカは受け止めると、優しく地面へと寝かせ回復魔法を唱えた。メーブナとスイも回復の音魔法を奏で。フロイラパーティーはLv.200のタナーカ相手に見事に勝利を収めた。


 一行は体力、魔力を使い果たし。その場に座り込みそのまま不死の山頂上で日は落ちて行った。


 夕陽は真っ黒になったボルガンダを優しく照すがボルガンダは動かなかった。


「この勝利は彼の物だ。」


そうコルシカは言うとボルガンダに向けて黙祷を捧げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ