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第23話『夕食の宴』



 

 夕飯の居酒屋へ着いたのはいいが、私は身体が大き過ぎて店には入れなかった。他の者からは可哀相な者を見る目で見られはしたが、私自身はドラゴンの身体が大きい事は仕方の無い事だと思ったが腹は減るので、たまに店の中は気にはなった。


 時折、外に漏れるタナーカの甲高い笑い声が癪に障りはするが。私は雇われた召喚獣の身。何処かに餌でも探しに行こうと、私が立ち上がると後ろからフロイラの声がした。


「ボルガンダちゃん、ごめんね。エドゥーの街って建物が全部小さいよねー。お腹が空いたんでしょ?わたしがお店の人に頼んで作って貰ったんだ。」


そう言いながらフロイラは、お盆の上に大量の焼き魚とオニギリらしき物を持ってきた。私はフロイラへ


「こんな私の為にフロイラ様がわざわざ...」


「わたしが守るって言ったんだから、ご飯を持って来るぐらい当然でしょ?」


と屈託なく笑うフロイラに私は感謝した。そして、フロイラは嬉しそうに


「見て!見て!ボルガンダちゃん。ニポン王国の人達ってパンじゃなくてライスを食べるのよ。変わってるでしょ?でね。この海草を巻いた白いのが『にぎにぎライス』って言う料理なのよ。可愛いくない?『にぎにぎライス』よ。」


どうやらお酒が入ったせいか。フロイラは実に楽しそうだった。私はそのにぎにぎライスを一つ食べると、海苔の風味を合わせた塩気の効いた暖かいご飯が懐かしく美味しかった。そして、次に焼き魚を食べるが。ドラゴンの歯は頑丈で焼き魚の骨も気にならない程にバリバリと食べられ、前世の時よりも美味しく食べられ空腹だった私は、アッと言う間に食べてしまった。


 勢い良く食べる私に、フロイラは嬉しそうにしてくれて。何だか私も嬉しくなった。そうした時に、店の中からお酒を持ってコルシカが現れた。


「ボルガンダさん、本当にこの前の戦闘の時も。今回の旅も協力師てくださって本当にありがとうございます。」


コルシカは、礼儀正しく私にその様な挨拶をしてくれたが。頼り無いとは言え、コルシカは勇者でありクライアントだ私は謙遜しながら


「いえいえ。滅相もない私も召喚獣として、お呼び頂いて光栄でございます。」


と言葉を返すとコルシカは


「いえ。貴方は私達の恩人です。それなのに外で食事なんて事をさせてしまい。申し訳無いです。」


そう言いながら、私に酒を勧めてきた。私はそれを受取り飲み干すと


「コルシカ様。中で大賢者様が居られますので、お戻りに為られた方が宜しいかと。」


と進言したが。コルシカは笑いながら


「私は今は酔っ払っております。そんな私は名声の有ろうが、力が有ろうが、それよりも共に戦ってくれる者と共に居たいのです。」


そう言って、ゴロンと私の横の地べたに寝転がって笑った。その姿を見てフロイラも優しい笑みを浮かべている。それを見て私はブラック様はこの者、コルシカの事が好きなのだな。と感付いたが、このコルシカと言う男は人として私は好感が持てる者で微笑ましかった。


 暫くすると、パーティーの皆と。タナーカパーティーは酔っ払って居酒屋から出て来た。


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