第16話『闇召喚師エミシア』
シュナウザー達を殲滅したフラアイラの横には麒麟のユードラスが立っていた。つまり、ボルガンダの立てた作戦はこうである。
まず、シュナウザー達を猛毒の霧で囲う事で。一ヶ所に集まり防御体制を取り霧が晴れるのを待たせる。そして、そこへ猛毒の霧の影響を受けない大地と共に戦う者の自動索敵攻撃で探索と攻撃を同時に行い。霧が晴れた瞬間に、麒麟のユードラスの『閃光の疾駆者』で瞬間移動して奇襲を仕掛けるものであった。
そして、フラアイラ『灼炎の断罪』が決まりシュナウザー達を殲滅し。ブラックカンパニーの勝利となったのである。
――――しかし、バビロン達に勝利に浸れない声がした。
「ヒーッヒッヒッヒ。さあ、挨拶は終わりで次が本番よ。ブラック=バビロン!」
その声は女性の声で。その声を聞いた途端にバビロンは嫌な顔をして杖を構え。その声の方を向いた。
そこには召喚師の服装をしているが。マントや法衣などが普通は紫色一色であるが、そこに全て黒い縁取りあしらっており。フードのサイドやマントの襟の部分などの召喚師資格を授けた国の紋章が入る所には竜の骸骨が描かれており、なんとも邪悪な出で立ちの女性召喚師が立っていた。
バビロンはその姿を見るや、一歩前に出て
「魔王の下部に成り下がった召喚師。闇召喚師、紅蓮の破壊者エミシアさん。ハーフエルフで在りながら炎と破壊に取り憑かれた人格破綻者が何の用だ!」
そう叫ぶと、フードを被った闇召喚師の女は
「美しい物を美しい時に壊せば、ずっと美しいのよ。それの何がいけないのかしら?バカの考える事は理解に苦しみますわ。」
バビロンにその様な言葉を返すと、エミシアはフードを脱いで顔を露にした。ハーフエルフ特有の白く透き通った肌に、水色に見える美しく透明感のあるロングヘアー。そして気品溢れる青い瞳に柔らかく長い睫毛が現れた。
とても、このように美しい女性が先程の様な。非道なセリフを吐けたものだと思いながらも美しく目が離せないでいた。バビロンはそんな状況になり自分の召喚獣達に
「お前達、決してあの闇召喚師エミシアに名前を教えるなよ。アイツは召喚師で有りながらハーフエルフ。特殊能力の『知らされない口頭契約』を使い召喚獣と契約を結べる。召喚師と契約を結んだ召喚獣は、その召喚師の事を契約が切れるまで攻撃出来ないからな。」
そう説明すると私達、召喚獣は黙って頷きエミシアから注目を逸らさなかった。エミシアは自分の杖の柄に付いた大きな目の様な物を舐めながら
「この目。綺麗でしょ?Lv.100になったルーンドラゴンの目よ。ルーンドラゴンはLv.が100になると、瞳の中に星々が宿るのよ。ああ、そこのLv.100のアイスエルフちゃんの心臓は永久的に溶けない氷で出来ていて美しいのよね。」
エミシアは体から禍々しい魔力を放ちながら、フロストを舐め回す様に見ていた。その何とも言えない妖しさに、私達召喚獣は震えと鳥肌が止まずに。この召喚師は何よりも危険である事を感じ取った。




