第15話『策 対 策』
バビロンは、その事態に急いで呼び出した召喚獣達を社屋へ転送すると。ブラウンドラゴンのボルガンダを呼び出した。
私は社長のバビロンに呼び出されるや、直ぐに『岩壁の王国』を唱えて守備体制に入ると、バビロンは溜め息を吐いて。それから赤いマジックポーションを飲み干した。そして、またフロスト、フラアイラ、ライディンを呼び出し。少し真面目な顔をして。
「お前達は召喚をやり直したいから、状態異常からは回復した筈だが。あのユニコーンとドリームイータには気を付けろ。なかなか厄介な能力を持っている。ボルガンダは、時の祈り子を守り抜け。ソイツは契約していないから社屋へ転送出来ないからな。」
そう言うとバビロンは目を閉じて少し考えた。キングダムの内側は外から攻撃を受けているが、キングダムは頑丈で音が聴こえるだけであり、私達には充分に考える時間は作れた。
私は気になる事が有り。バビロンに進言した後に、時の祈り子を守る事を誓った。
バビロンは麒麟のユードラス、パープルスライムのグレープを召喚した。呼ばれるとパープルスライムのグレープは『際限無き緊急事態』をキングダムの外に向けて放った。
キングダムの外はグレープの放った猛毒の霧で何も見えない状況になっていた。
敵方のアイスエルフのシルビアと、ダークナイトのシュナウザー、ドリームイータのナターニャはユニコーンのランドの『光の防御壁』でバイオハザードの猛毒の霧の影響を逃れていたが、この紫色の霧は視界を遮り身動き取れずにいた。シュナウザーは人員を確認すると
「この視界ではブラックカンパニーの奴等も身動きは取れまい。ブラックカンパニーダッサーラ組で残ったのは我々4人だけか。同じアイスエルフとしてフロストに考えられる弱点は無いか?シルビアよ。」
シュナウザーのその問いにシルビアは答えた
「さすがにLv.100にもなると、私達アイスエルフとは別物です。きっと弱点の炎すら凍らせてしまうでしょう。」
「そうか。先程のナターニャとランドの戦法もキングダム相手では使えないな。」
そうシュナウザー達が作戦を話していると、紫色の霧の中で3体の影が色濃く近付いてきて。ドリームイータは不意を突かれて攻撃を受けて倒れた。
「クソッ!この猛毒の霧の中で奇襲とは!ならば仕方あるまい!」
シュナウザーはそう言うと、両手を影にかざして『絶対暗黒の星』を唱えた。すると、霧の中の空間に黒い塊が宙に現れ。物凄い勢いで霧や周囲の物を吸い込み砕き始めた。
シュナウザーのブラックホールの影響で霧が和らいで、視界が戻りかけると3体のゴーレムの姿が目に入った。
「しまった!これはブラウンドラゴンの『大地と共に戦う者』だ!」
シュナウザーが、そう声を上げると。ブラックホールはゴーレム達を吸い込み霧が晴れると同時にシュナウザー達の後ろに。炎と闘いの女神フラアイラが『煉獄の大槍』を構えてシュナウザー達へ『灼炎の断罪』を放ち4人のダッサーラした召喚獣達は一刀両断されて燃え尽きた。




