第13話『時の祈り子』
フロストはメルファーの下へ走り、冷気でメルファーの動きを止めようとしたが。間に合わずに、メルファーは右手で鷲掴みにした子供に炎を吐いて殺した。
「この殺された召喚獣は『時の祈り子』だ。そして、コイツの特殊能力は...」
メルファーが話している途中で、辺りは淡い光に包まれだして。時が止まった様に静かになると、バビロンは
「時の祈り子は、自らが死にそうになると時間を巻き戻すんだ...」
とメルファーの言葉の続きを呟くと。時は完全に止まり。私や周囲の召喚獣達も、時が逆転しはじめて。時空に呑まれ真っ白になって消えて行った。
――――――
バビロンに召喚された。フロスト、ライディン、フラアイラは現れるなり。それぞれの武器を構えてシュナウザー達が居るであろう、爆煙の方を目を凝らして見ていた。ライディンはその間に『雷神の加護エレクラシス』を唱え味方全員の素早さを15%上げると。
フロストは『凍てついた甲冑アイスガード』を唱えて全体の防御力を10%上げて毒性の状態異常を防ぐ手立てを打った。フラアイラは、攻撃に向けて魔力を高めながら機を伺っている。その時、イエロースライムのビリビーが爆煙を影に利用して結界に触れながら『電気信号解除アンチロック』を唱えよ......
「絶対零度の夢の国」
フロストは、ビリビーが『アンチロック』を唱える前に『ランドオンアイス』を発動させ。社屋周辺は絶対零度の氷の世界となり、草も木も召喚獣達も全てが凍り付き動きを止めてしまった。この絶対零度の世界で動けるのはフロストだけであった。
フロストは、この絶対零度の世界を歩きながら凍り付いたライディンに向い
「ありがとうライディン。貴方が時が逆転する前に私の頭に『バリア』を張ってくれたお陰で、記憶が時流の影響を受けて消えずに済んだわ。」
そう言うと、結界の方へカツカツと歩き出し。フロストの武器である。『月光石の斧』で凍り付いた結界を壊してビリビーの前に立つと
「願い通り結界は壊れたわよ。」
そう呟きながらビリビーにムーンライトアックスを振りかざし。凍結したビリビーは粉々に砕け散った。そして、次ぎはゴードンの下へ歩き今にも駆け出しそうな姿勢で凍ったゴードンを砕き。次ぎにシリュウに近付くと
「『際限無き緊急事態』は使えなかったな。シリュウよ。」
そう呟き、フロストはシリュウの首を落とした。そして、フロストはメルファーの下へ行くと時の祈り子を保護した。その後にメルファーの首を落とした。フロストは時の祈り子を連れ、シリュウとメルファーの落とした首を持ってバビロンの下へ戻ると。
「残りはお前等にくれてやる。」
そう呟き、ランドオンアイスを解除すると。凍り付いた全ての物が元に戻り。バビロンはフロストを見ると杖を構えて
「時の祈り子とは稀有な者を。この甚大な被害の上に切り札を失ったアイツ等の考えられる戦法は...。一気に畳み掛けようとするのを利用しての反射魔法と幻術か...。よし!『ファビュラ三姉妹』だ!」




