第12話『召喚獣の攻防』
バビロンに召喚された。フロスト、ライディン、フラアイラは現れるなり。それぞれの武器を構えてシュナウザー達が居るであろう、爆煙の方を目を凝らして見ていた。ライディンはその間に『雷神の加護』を唱え味方全員の素早さを15%上げると。
フロストは『凍てついた甲冑』を唱えて全体の防御力を10%上げて毒性の状態異常を防ぐ手立てを打った。フラアイラは、攻撃に向けて魔力を高めながら機を伺っている。その時、イエロースライムのビリビーが爆煙を影に利用して結界に触れながら『電気信号解除』を唱えた。
結界は頑丈に出来ており解除される事は無かったが、スイカ程の大きさの穴を空けることは出来たが。そこを召喚獣が通れる程のサイズでは無かった。
しかし、それを見逃さない奴も居た。エビルゴーレムのゴードンであった。ゴードンはビリビーの空けた穴に人差指を入れ。『進撃の巨大化』を使うとゴードンは全身が普段の20倍にも大きくなり、結界に空いた穴から結界を打ち砕く事に成功した。
それに、いち早く気付いたのは集中いていたフラアイラで『太陽の粛槍』をゴードンに向い撃ち放った。流石に巨大化したゴードンの全身にダメージを与える事は出来ずにいたが。ゴードンの右足の膝から下は弾け飛びゴードンはバランスを崩して激しく土煙を上げながら倒れた。
その状況に注意が逸れた所を、パープルドラゴンのシリュウは『際限無き緊急事態』を唱え。結界の壊れた社屋を猛毒の霧で覆い尽くした。シリュウは高笑いを上げながら
「ハハハハッ!勝ちましたよ!我等の勝利だ!この猛毒の霧に犯されれば回復魔法を使う前に全身に猛毒が廻り死んでしまう。ハハハハッ!全滅だ!ハハハハッ!」
そう言い。少し時間が経つと、シリュウの放った猛毒の霧は風によって散っていくと。その中には巨大な岩石の砦が聳え立っていた。シリュウは
「何だコレは!」
そう叫ぶと岩石の砦はボロボロと崩れ落ち中からバビロンが杖を立て。
「いやーボルガンダくんー、なかなかやるじゃん。咄嗟に呼ばれて即座に『岩壁の王国』を使ってくれるなんて。それじゃあ反撃いくよー。」
と結界が崩れると同時に呼び出した私を褒めるとライディンに反撃の指示を出した。ライディンは待って居たとばかりに雷神の槍を構えると
「宇宙の雷道」
と叫び。周囲に激しく落雷が起り、それは周囲を取り囲んでいた召喚獣達に落ちて蹴散らして行ったが。それは予備動作でしかなく、そのたくさんの雷はライディンの槍へと集まり。そのエネルギーは余りにも激しく輝き周囲が真っ白になると。
ライディンの槍先から、激しい爆発が起り。社屋前の広場は激しくえぐれて、そこには何も無くなっていた。そして周囲を取り囲んでいた召喚獣達は殆ど死に絶えていた。
しかし、中には絶大な生命力を誇るシルバードラゴンのメルファーが息も絶え絶えで立っていた。そして、小さい子供の様な召喚獣を右手で鷲掴みにして、こちらへ向けて。
「我々はこんな召喚獣も用意していたのだよ。」
そう言うと。こちらを向いてニヤリと笑い。それに気付いたバビロンは
「しまった!アイツ等あんな召喚獣を!フロスト間に合うか!?」
と声を上げると、フロストは急いでメルファーの下へ走った。




