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第11話『2代目社長ブラック=バビロン』



 火急の事態にフロストは水晶モニターを、ブラックカンパニー社屋周辺に切り替えた。ブラックカンパニー社屋周辺は、木々に囲まれた山の中に広大な平地が在り、その中にポツンと黒いレンガ造りの三階建てで古い洋館を模して創られた社屋であった。


 会社周辺を今度は近景で映し出したモニターを見ると150体程の召喚獣が周りを取り囲んでいた。しかし、社屋周辺に結界を張っているらしく。それ以上は近付けずに、周辺を囲むだけに至り。時折、バクダンカメを投げ付けて自爆させている程度であった。



 そこへ、黒髪のボサボサ頭の若い男が鼻唄を歌い。踊りながらブラックカンパニー社屋から出てきた。よく見ると、その男は召喚師の衣装を着ていたので。私は『まさか?』と思い見ていると。フロストは水晶モニターをアップにして、その男を映し出し指を差し


「お前等はなかなか見る機会は無いだろうが。この緊急事態に浮かれて踊るボンボンが、このブラックカンパニー2代目社長『ブラック=バビロン』である。アレが出て来たからには指揮権はアレに有る。」


フロストの言葉に驚きながらも、水晶モニターを眺めると。その社長であるブラック=バビロンは取り囲まれているにも関わらずフラフラとしている。


 そして社長は、会社を取り囲む召喚獣達を指差しながらぐるりと回ると


「君たちはさぁ。会社に対してこんなこと殺っちゃってるけどさぁ。ぼくたちをどうしたい訳?どうして欲しいの?」


そう言い終わるとピタッと回るのを止めて。ダークナイトのシュナウザーの方を向いて、両手で指を差し足を広げてポーズをとった。その時、召喚師の衣装特有の紫色のマントが風にたなびいていた。


 ダークナイトのシュナウザーは集団から一歩前に出ると、黒い鎧をガシャガシャと言わせながら


「我々召喚獣は召喚獣派遣会社ブラックカンパニーの劣悪な環境下での労働に対し。身も心もボロボロにされた。その復讐を成就させるべく集まったのだ!」


そう社長に向けて言ったが、社長は笑いながら杖を取り出すと。会社を取り囲んだ召喚獣達の頭上に大量のバクダンカメを召喚した。大量のバクダンカメはシュナウザーやシリュウ達の頭上から降り注ぎ。それと同時にバビロンは


「いっけー!バクダンカメ『命を懸けた爆撃(ギガナパーム)』だー!」


と杖を振りながら、大きい声で叫ぶと。頭上から降り注いだバクダンカメ達は赤く輝き出し、身体を膨らませ連鎖的に激しい爆発を繰り返した。余りの激しい爆発に山全体が大きく揺れ、まぶしい光が辺りを包み込んだ。そしてバビロンはその光景を眺めながら


「ぼくなんかさぁ。18歳でブラックカンパニーの社長なんだよ。召喚獣派遣会社の社長はたくさんの召喚獣と契約を結べないといけないから。Lv.100は必ず必要なんだよ。どんだけ努力したと思っているんだよ。甘えんなよ。」


 そう呟くとバビロンは、今度はフロスト、ライディン、フラアイラの3人を召喚すると。赤いマジックポーションを取り出して、グビグビと一気に飲み干して


「フロスト、ライディン、フラアイラ行くよ。」


そう言うと杖を構えてニヤリと微笑んだ。




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