第10話『召喚獣解放同盟』
フロストは私とファビュラ三姉妹に話し始めた。
「私達はシュナウザーも、シリュウも、ビリビーも謀反を企ている事を事前に知っていたのだ。それで泳がせている所をお前らに目を付けだした頃に実行が近いと覚り監視していたのだよ。
ビリビーは元々、パープル商会に居たのであるが。アイツがパープル商会を辞める際に複数の召喚獣を共に連れて行った。との情報を得ていたのでな。私達が調べた処、どうも後ろに『召喚獣解放同盟』付いている事を知った。」
「召喚獣解放同盟ですか?」
「ボルガンダ、お前は召喚獣解放同盟の存在を知らないだろうが。複数の召喚師が召喚獣派遣会社に不満を持って創られた団体だ。最もらしい屁理屈を付けては召喚獣を個人売買する連中だ。」
ファビュラ三姉妹は、フロストの言葉に三人並んでコクコクと頷いていた。ファビュラ三姉妹の長女のキョーカは
「そうよ、召喚獣派遣会社からの召喚獣解放を呼掛けてはいるけれど。その実は、魔王に従う闇召喚師にダッサーラした召喚獣を売買して利益を得ている組織よ。私達ハーフエルフの村もアイツ等に襲われたんだから。シリュウめ偉そうな事を言っておきながら。」
そう言うとキョーカは怒りに拳を握り震えていた。私はその話を聞いて一つ疑問が浮かんでフロストに質問をした。
「フロスト常務。彼等の後ろ楯にその様な組織が在ると言うことは。我社からダッサーラした者達以外の加勢も有り得ると言うことですね?」
フロストはそれを聞いて
「それを考慮した上での人員配置だ。本来で有れば、私やライディン、フラアイラが出向く事は無いんだ。まあ、お前等に作戦を一応伝えておく。ファビュラ三姉妹は、腐ったミーガン共が視界に入った時点で『背中を押す疾風』を使え。お前等が一番素早いからな。そして、ボルガンダはストームブーストの影響で素早さが上昇するので、その間に『岩壁の王国』を唱えよ。それはどの様な事態でも変更は無いと思い実行せよ。」
『「畏まりました。」』
私とファビュラ三姉妹は、声を揃えて応えた。そして、フロストが私達の目を見て頷くと
目が覚める様な爆音が鳴り響き
ーーー「奇襲です!腐ったミーガン共が、我社に奇襲を仕掛けました!」
その場に居た全ての召喚獣の目の色が変わった。
「しまった!協力召喚師が社から離れた所を狙ったか!召喚師様が居ないと我々は呼び出されないぞ!」
その誰かの発した言葉にざわつき、召喚獣達は慌て出した。しかし、フラアイラがステージに上り。
「皆、案ずるな。召喚獣派遣会社の社長は、我社の全ての召喚獣と契約を結んでいる大召喚師様である。下らぬ心配よりも、全社員で迎え撃つ体制に備えよ!」
そう言うとフラアイラは大槍『煉獄の大槍』を高く掲げ上げた。その行動と言葉に全召喚獣が熱く猛る雄叫びを挙げて、社屋は激しく震えた。私もこの熱く燃えるような中に沸き上がる闘志を肌で感じた。そして『備えよ』との言葉と『どの様な事態でも変更は無いと思い実行せよ。』とのフロストの言葉を思い。ファビュラ三姉妹に目を向けると、ファビュラ三姉妹も此方を向き頷いた。




