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なんか、すごく攻略対象

PVもユニークもブクマもだんだんと増えてきて嬉しいです。ありがとうございます

これからもよろしくお願いします!

「うぅ…。酔った……。無理……」

「おい、宥香大丈夫か?まだけっこう電車に乗るぞ?」


今、私たちは電車に乗っている。目的地まではまだ遠いというのに、私は酔った。電車に乗って数分で酔った。


「あぁ、ほらあそこの席あいたから座るぞ」


そう言ったソウ君に後ろから押されながら座席に着く。私が一番端っこに座り、ソウ君がその隣に座った。


きつかったら俺の肩にもたれていいから、というありがたいお言葉に甘え、ぐでんとソウ君の肩に寄り掛かる。

まあ、身長差が少しだけあるから私の頭がソウ君の肩と二の腕の境目?っぽいところに来る感じだ。肩と二の腕に境目なんてないと思うんだけど、ね?そこは私の語彙力を察してくれ。

えと、上腕二頭筋かな?あれ、三頭筋?てか、この二つは何が違うのか見当もつかない。


電車に揺られ、グルグルと考えていたら眠気が襲ってきた。


眠い……。目的地に着いたらソウ君は、きっと私のこと起こしてくれるはずだよね。

よし、今はこの睡魔に身を委ねよう。


そこからソウ君に起こされるまで私はぐっすりと眠るのだった。





ソウ君に起こされて、駅から少し歩いたところにある目的地、そう北波高校だ。


なんで高校にいるのかって?オープンキャンパス、学校体験、いろいろと言い方はあるけど、まぁ、有り体に言えば体験入学だ。

なんでソウ君と来ているのかって?先日聞いた、志望校(仮)がソウ君と同じだったからだよ。真悠子も誘ってみたけど、北波と他の学校の体験の日付がかぶっていたそうだ。だから、ソウ君と二人。


話は遡ること数週間前。


「最近、学校あてに体験入学のプリントが来てるから各自気になった学校に行くように。まあ行かなくてもいいけど、面接とかでアピールできるから極力行っとけよー」

という担任の言葉で、気になっていた北波に足を運んでみようと思ったのだ。


……遡るほどのことでもなかったわ。


「宥香?ぼーっとしてるけどまだ気分悪いとかか?」

「え?いや大丈夫大丈夫。やっぱ高校って大きいんだなーって思ってただけ」

「それならいいけど…。じゃあ、さっさと受付に行くぞ」


そういうや否やソウ君は私の腕を取って歩き出した。


腕を取って歩かなくても迷子にならない気がするんだけど……。

害はないからいっか。




体育館で校長先生とか生徒会から、この学校の特色やらなんやらを聞いて、体験授業だ。

ちなみに私とソウ君の体験授業はかぶらなかった。

私が国語の和歌・百人一首の授業に対し、ソウ君は数学の何かの授業だ。数学は眼中になかったのでどんな授業をするのかわからない。


「じゃあ、私こっちだから」

「ああ。先に終わったら体育館の入り口で待っててくれ。じゃあ、また」


そう言って私たちは係の生徒に連れられて別々の教室に入っていった。





「皆さん、初めまして。私が今日この授業を担当する国語科の末吉です。よろしくお願いしますね」


私が選択した体験授業はきれいでおっとりとした感じの先生が担当してくれた。


「百人一首っていうのは日本の文化です。四季折々の変化や微妙に揺れ動く恋心などを題材にしているんですよ。

 いろいろな歌がありますが、今日は好きな歌を見つけてくださいね。学校のことにもお答えしますよ」


その言葉を皮切りに続々と本にむらが、いや集まる中学生たち。どうやら私は出遅れてしまったようだ。


……いや、仕方なくない?だってみんな友達とか知り合いと楽しそうに話しながら見てるんだよ。

そんなとこに一人で入れないって。マジで。

しかも、一人で本を独占なんて無理。


一人ポツンとしていると、後ろから声をかけられた。


「君も一人?」


そこにいたのはおっとりって感じがする男の子。


「え、うん。一緒に来た子は別の授業だから」

「そっかぁ。ね、百人一首が載ってる本一緒に読まない?あの本を一人で独占するのなんか気が引けるというか、忍びなくてさ」

「あ、わかる。なんか気が引けるよね」


そこからの授業はその男の子と一緒にいた。

この歌が好きだとか終いには中学のこととかいろんなことを話した。

ついでに自己紹介もした。彼の名前は三崎新(みさきあらた)で、この学校に三崎君の一つ上のお兄さんが通っているそうだ。

んで、こっからが重要なんだけど、三崎君のお兄さんは生徒会副会長でそして、大層おモテになるらしい。


これは、攻略対象の匂いがする。副会長が美形、かどうかは知らないけど、おモテになるなら攻略対象でしょ。絶対そうでしょ。しかも、生徒会でしょ。これはもう攻略対象だと思います。

でも、まだ会ったことないから攻略対象(仮)とでもしておこう。


三崎君がいうにはカリスマ性があり、次期生徒会長と噂されてるらしい。文武両道を地でいくタイプらしくソウ君と似ている。


似たもの同士って惹かれあうのかな。そこが謎だけど。

まぁ、三崎君のお兄さんが攻略対象なのは決まりだよね。うんうん。


ちなみに三崎君とは苗字が名前っぽいとこで意気投合した。



体験が終わって各々帰路につく。


「それじゃあね、里見さん。今度会うときは入学説明会で」

「うん。じゃあね、三崎君」



三崎君と別れて、体育館の入り口近くでソウ君を待つ。

それほど時間を置かず、ソウ君はやってきた。


「悪い、宥香。待ったか?」

「ううん。さっき来たばっかだからそんなに待ってないよ」

「ならよかった。じゃあ、帰るか」



帰りの電車の中で私とソウ君は体験授業のことを話した。

といっても、主に話してるのは私で、ソウ君は聞き役に徹してるんだけど。

そんな中ソウ君がそういえば、とある爆弾を落としてきた。


「数学の体験授業の引率の生徒が生徒会の副会長でさ、北波のこといろいろと教えてくれたんだ」


……な、なんですと!?いつのまに攻略対象(仮)に会ってただと!?

さすが、主人公。入学する前からフラグをたてるなんて。

いや、フラグだからけっこう前からたてられるか。なんか納得。


「親切に教えてくれてさ、北波に絞ろうかなって思えた」

「へー、私も北波に決めたかな。仲良くなった子もいたし」

「そっか、じゃあお互いに頑張ろうな」

「うんっ!」



三崎君とも仲良くなれたし、ソウ君のお相手っぽい人も見つかったっぽいし…。

よし!ソウ君の幸せのために頑張ろう。

そう心に決めたのだった。


帰りの電車は乗り物酔いしなかった。謎。

電車の中のくだりは実際に兄がやってくれたことをベースにしました。(八割方脚色。やってくれたのは座席のくだりだけですがw)

三崎君は特にライバルになるわけではございませんので悪しからず。

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