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成長した幼なじみ

一気に成長してます。

「……か、おい宥香。そんなとこで寝てたら風邪ひくぞ」


んー、まだ寝てたい。

体を揺さぶられて目を開ける。でも、未だに覚醒しきっていない脳は目の前にいる人物が誰なのかを認識しない。

ああー。まぶたが落ちる。眠い。とりあえず眠い。


「宥香。いい加減起きろ!」

「んん、なに?」

怒ってはいないけど、いやに迫力のある声にびっくりして覚醒した。


「あれ?ソウ君?なんでここに?」

目の前にいたのは、幼なじみであるソウ君だった。ついでに自分の状況も確認してみる。

ここは私の家。部屋ではない。布団にくるまって眠っていたようだ。


 今何時だろ?なんかさ、昼寝っていうか、まぁ夜に取る睡眠以外で寝たら寝つきが悪くなっちゃうんだよね。

時計、時計~。時計はどこかなーって、まだ六時だった。よかった。これで八時とかだったら発狂してた。

多分、心の中で。


「なんでここにって、宥香が呼んだんだろ。数学がわかんないからって」

「あー、そんな気がしてきた」


そう言いながら、目の前にいる幼なじみを観察する。

幼少期に私の語彙力を消滅させたさらっさらっの髪は未だにご健在で、目はちょっとシュッって感じになった。身長もこいつ何cmあるんだ?っていいたくなるような感じ。

いや、私の身長が低いってわけじゃないから!ちゃんと平均くらいはあるから!

筋肉もこいつあるんだよね。服着てるからわかんないけど、脱いだらすごい。細マッチョって言うのかな。

なんで知ってるのかって?ラッキースケベとかじゃないよ?田島家と里見家の合同でプール行ったとき見たの。

まぁ、有り体にいえば、イケメンってことだよ。小さい頃のそうくんはかわいかったのにな。はぁ。



「そんな気がしてきたって、宥香、今いくつだ?」

「十四歳だよー」

そう、私たちは今十四歳なのだ。誕生日迎えてないからね。

長い年月はあんなにかわいかったそうくんを、こんなイケメンに成長させたんだ。許すまじ。


「十四歳だよー。じゃねーよ!中学三年だろ!」

「もう、いきなり大きな声出さないでよ。中三って、まだ五月だよ?」

「受験どうすんだよ……」

「そんな高望みしなかったら行ける高校くらいどこでもあるじゃん。そんなに急いだって、ねぇ」


受験生だからってこんな早くから勉強しなくてもいいと思うの。進学校に行くなら別だけど。

そんなことを伝えると、ソウ君はそのきれいな顔を般若のように変えた。


「はぁ……。こんなんで一応成績上位なのがまた…」

そうなのだ。私実は頭いいんだよ。いや、頭いいってか記憶力がいいってだけなんですけどね。

前世のアドバンテージがあるって思うかもしれないじゃん?でもね、この十年間くらいの期間、何も思い出しませんでした。はい。

とりあえずアドバンテージの使い方もあってるかわかんないし。



はぁ……。公式とか覚えてればよかったんだけど。

数学とか理科とか意味わかんないし。あれ得意な人ってどういう作りしてんだろうっていつも思うんだよね。



「まあいいや。宥香、勉強始めるぞ。どこがわかんないんだ?」

くるまっていた布団をはがされ、二階にある私の部屋にやってきた。

部屋に入るなり、すぐにこの質問。勉強好きすぎかよ。


「ん~。全部?」

「は?全部?」

うん。とうなずくとソウ君がため息をつく。

国語は問題文の中に答えがある。英語は感覚で行けば大丈夫。社会はもう暗記だよね。

でも理数系が無理なんだよね。

できる人尊敬しちゃう。



「とりあえずわかるとこまで解いて、わかんなくなったら聞いて」

と言って、ソウ君は自分の勉強に移る。


こういうところがほんとに主人公なんだよなぁ。

問題をノートに解きながらソウ君を盗み見る。なんやかんやで勉強教えてくれるし。

そういえば、ソウ君ってオールマイティにできる人だ。成績めっちゃいいし、運動できるし、イケメンだし、性格はどうか知らないけど、いいって言われてるし。


あれ……?ソウ君ってBでLなゲームの主人公だよね?そういうゲームをしたことはないけど、この数年間で少しは勉強したのだ。え、だって普通に面白かったし。いや、この話は置いておこう。


そういうのってさ、主人公君はかわいいのが定石なんじゃないの?

ま、まさかのソウ君は、総受けというものでは、なかった……?



そんなことを考えていると、ソウ君が私をじっと見つめているのに気が付いた。

「えっと、ソウ君…?ど、どうかした?」

さっき考えてたことバレてませんように。バレてませんように。バレてませんように!

「さっきから進んでないけど、なんかあったのか?わからないなら聞けよ?」

そういいながら、私の方へ近寄ってくる。


ついにソウ君の顔が私の真横にきた。

「大丈夫か?って一問も解いてないじゃないか。……気分悪いとかか?」


うわああああ!み、耳元でしゃべらないでくれ!なんかこうぞわってするんだよ!

一応言っておくけど私の弱点は耳ではない。友人にされたときはなんにも思わなかったし。


「み、耳元でしゃべらないで……。なんかぞわってする…」

涙目にはなってないけど、多分、顔が真っ赤だ。だって顔熱いし!

言いながらソウ君の顔を見上げる。なんか知らないけど、ソウ君の顔っていうか目元が赤い。なんでだ。なぞだ。


「はぁ…。宥香、そういうことは俺の前以外でするなよ」

そういうことってなんぞや。全然わからん。顔の熱も引いてきたようだし、とりあえず返事しておこう。


「りょーかい」

「絶対わかってないだろ。宥香は無防備すぎるんだよ」

そういいながら、ソウ君は私の頬をむにょーんと引っ張る。地味に痛い。


な、なんなんだ!私は無防備ではないぞ!


反論するために、ソウ君の手をペシペシと叩いて頬を救出する。

ふう。痛かった。


「しつれーな!私は無防備ではありません!」

「はっどこがだよ」

鼻で笑われた。イケメンはどんな顔してもイケメンですね!



「いいから、勉強の続きするぞ」


そう言ってソウ君は勉強を始めた。

ん?さっきまで向かい合ってたのになぜか、私の隣にいるぞ。なぜだ。まぁいっか。

あ、あれか。こっちのほうが教えやすいのか。なるほど。宥香ちゃん冴えてる


そうして勉強を始めるのだった。




勉強会の成果?あぁ……。寝たら忘れるだろうってだけは言っておくよ。


GW期間に投稿できるかな…

できたらいいな…

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