学ランって着てみたくなるときがある
お久しぶりです。(/ω・\)チラッ
受験が終わって、卒業式も終わって、残すは高校入学というところまで来た。
あ、受験?私もソウ君もどっちも第一志望の北波に合格しました。わーい。やったね!
真悠子も瀬古君も同じ北波を受けてて、みんな合格できました!あ、ちなみに三崎君も合格してたと思う。入学説明会みたいなやつに三崎君の姿を見かけたから。
しゃべれなかったのは少し残念だなぁ。あー、でも、入学式とかで会えるかも。
というか、高校入ったら、ゲームが始まる?いや、待てよ。だいたいこういうシミュレーション系のゲームって、主人公が高校二年生の時に始まるのが定石だよね?
そういえば、シュミレーショは間違い?の言い方で、シミュレーションを日本人が言いやすいようにした発音らしい。
ってああ、横道に逸れてしまった。
とりあえず、高校二年の主人公が多いのは、一年だとあんまり学校行事にも慣れてないし、後輩ポジションがいないからだと思う。後輩大事。
えっと、だから、ゲームが始まるのは一年後ってこと?
攻略対象は、だいたい学園ものだと生徒会役員+幼なじみとか後輩とか部活の先輩とかだよね。
……ん?幼なじみって私じゃん!いや、待て落ち着け。ここは、幼なじみとかそういうのじゃなくて、昔からの知り合いにしておこう。
……よし、これで万事解決だ。
むりやり自分を納得させた私は、寝転んでいたソファから身を起こす。
そのままぐーっと体を伸ばした。
あぁ、今日は何しようかな。まだ入学式までは一週間くらいある。
説明会の日に出された課題もまだ手を付けてないけど手を付ける気がおきないしなぁ。
と、そのまま、またソファに逆戻りしそうな私にお母さんから声がかかった。
「宥香、することないなら制服とか出しとけば?北波って女子はリボンタイでしょ?練習しといたら?あれ、慣れるまでは結ぶの難しいわよ~」
リボンタイって難しいのか……。いや、まぁなんか見るからに難しそうだけど。
……ちょっと練習しとこうかな。
自分の部屋に戻り、袋から制服を取り出す。北波の制服ってかわいいのよね。
ライトグレーのスカートに白のブラウス。それに海老赤色のリボンタイ。ジャケットはグレーである。
この制服見ると着てみたくなる。…着て練習するか。
いや、雰囲気がどんな感じか見るだけだから。別に制服がかわいくて浮かれてるとかそういうんじゃないから。ほんとだから!
いそいそと着替えてリボンタイを結ぶまではよかったんだけど、そこからが無理でした。
なんっっかい結びなおしてもなんかこうぐちゃって感じになる。なんでだ。謎だ。
もういいや、あきらめよう。人間あきらめも大事。
そ、それにほら、まだまだ時間はあるから。なんとかなるよきっと。うん。
制服から着替えて階下に降りる。
そしてぐでっとソファに腰を下ろした。いや、腰を下ろしたじゃなくてソファに身を沈めたの方が表現的にあってる気がする。
あぁー、疲れた。
入学式までは結べるようにしとかないと。いや、お母さんにやってもらうというのも一つの手……?
そんなことを考えていると、「あら、もう結ぶ練習やめたの?宥香はそんなに器用じゃないんだからあとで苦労しそうね。私はよっぽどのことがない限り手伝わないわよ」と笑いながらお母さんが言ってきた。
「えぇー、そんなぁ」
思わず声が出る。これはもう練習しないといけない空気。
ん?いや、待てよ。ソウ君にやってもらったらいいんじゃない?ハイスペックなソウ君ならリボンタイもささっと結んでくれそう。
やばくなったらソウ君に頼ろうかな。うん、そうしよう。
「あぁそうだ。宥香、紫織さんのとこに届け物してくれない?お菓子たくさんもらっちゃったから、おすそわけなんだけど」
そういや、前に田島家からお菓子もらったな。
私は二つ返事で了承した。
ピンポーンとインターホンを鳴らす。
中から出てきたのはソウ君だった。……なぜか北波の制服姿の。
え、なんで?
私の困惑顔に気が付いたのか、ソウ君は事情?を説明してくれた。
「いや、ネクタイは自分で結ばないとだろ?一応結べるけど、制服はまた勝手が違うと思って」
はぁ…。左様ですか。
それにしても、と制服をしっかり着たソウ君を見る。
見事に着こなされた制服。ネクタイもしっかり結べてて、うらやましい……。
これはもう、ソウ君に結んでもらう未来がだんだんと予想できてきた。
「いや、それはわかったけど、なんで制服着て出てきたの?正直、ネクタイきれいに結べてるとかうらやましい以外の何者でもないんだけど」
最後の言葉は聞こえないように小声で言いました。
「あぁ、母さん今出かけててさ。インターホンみたら宥香だったから、いいかなって」
「そんなもんなの?まぁ、これ。お母さんから紫織さんにって」
「ありがとうな。美香子さんにもよろしく伝えといて」
「あぁー、宥香。ネクタイっていうかリボンタイだよな、女子って。練習、するか?」
我が幼なじみには小声だろうが聞こえていたようだ。けっ。
「じゃ、適当に座ってて。飲み物持ってくる」
私は結ぶ練習をするために田島家のリビングにいる。ソウ君は飲み物を持ってくるためにキッチンにいった。
適当に座って部屋を眺めていたら、不意に学ランが目に入った。中学の時の学ランだ。
学ランってなんかいいよね。そういえば、女子は体育大会のとき応援団に入ったら学ラン着てたなぁ。
…なんか着たくなってきた。ちょっとぐらい着てもいいよね?ソウ君はそんなに潔癖じゃないし。多分。
ハンガーにかかっている学ランを拝借してっと。
うわぉ、けっこう袖余るなぁ。やっぱり身長の差?いやいや、ソウ君が男子の平均をちょっと超えてて、私がちょっと超えてないくらいだから、そんなに差はない、と信じたい……。
それになんかいい匂いする。男子のくせにこんないい匂いするなんて。どんな柔軟剤使ってるんだろ。気になる。
そこへ足音が聞こえた。ソウ君が戻ってきたようだ。
「あ、ソウ君。学ラン借りてます。ってやっぱり大きいねぇ。こんなにも袖余っちゃったよー」
そういいながら見せびらかすと、ガシャンっと乱雑に飲み物を置いた。
え、どうしたんだろう?も、もしかしてソウ君って潔癖だったとか?そうだったら、あぁやばい、謝らないと。
「ご、ごめんね。制服勝手に着られたらいやだよね。ほんとごめん」
「い、いや別に気にしてないからいいんだが……、だが、俺以外にはそういうことはしないでもらえると助かる。」
「えぇ?ソウ君以外にはしないよー。それにソウ君だからしたんだし」
さすがに私も、見ず知らずの人のは着ない。それにソウ君はなんだかんだ私に甘いから許してくれそうな気がする。いや、そんなに常識知らずのことはしてない、はず……。
あれ、なんか心配になってきた。
「宥香……。いや、そういうことはほんと……」
なんかうなだれてるけどどうしたんだろ。
ちなみにうなだれから回復したソウ君に、家から持ってきたリボンタイを渡すとめちゃくちゃきれいに結べた。
さすがです。
セーラー服のときはブレザーに憧れ、ブレザーのときはセーラー服にあこがれる作者です。
最近、小説の構想ばかり頭に浮かんで全然進みません……。
この小説(略称が思いつかない)を完結させるまでは浮気はしないと思うので…。
気長に待っていただけたらと思います。




