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目失  作者: Homumin
7/10

7話 ラブ探偵悠也

吉田は困惑していた。


横濱は、今なんと言ったか。


遭難と言ったのか。何故、何故、何故。

目覚める前の記憶を辿る。


帰宅している途中、吉田の記憶はそこで止まっている。遭難する可能性は皆無。ありえない、起こりえない、ありうる訳が無い。




「____________夢か」


吉田の思考は停止した。


目を閉じようとする吉田を遮るように、大きな欠伸が聞こえた。

目をやると、橋本が目覚めていた。


「不細工な目覚めだな…。可愛い方の橋本を見習って」

大門は呆れた口調で悪態をついた。


横濱は、橋本と橋本の欠伸で起きた中屋敷に、遭難していることを説明した。


「つまり、どゆことだってばよ、早く帰ってゲームしてぇんだけど」

山田は状況を飲み込めていないようだ。無理もない、IQが3なのだから。IQ3でも可愛ければ許せたのに、気持ちの悪さが相まって憎悪すら覚えてしまうかもしれない。

しかし、状況を上手く飲み込めていないのは山田以外にもいた。

吉田、鈴木も、ここまでの経緯を何一つ覚えていない。


横濱、大門、中屋敷、橋本によると、林間学校の森林散策中に遭難してしまったそうだ。

吉田の記憶に拠れば、林間学校は来週の木曜日からだった。つまり、一週間分の記憶が無い事になる。

遭難したショックで軽い記憶喪失でもしたのだろうか、三人の人間が。同時に。そんなことがあるのだろうか。しかし、四人の証言は一致している。矛盾点も無かった。それに、過ぎたことは仕方ない、受け入れるしか無いようだ。


「林間学校中の遭難でしょ?なら、焦って動かなくても良さそうだね。誰か気づいて探してくれるでしょ」

吉田悠也は安堵した。

木々が生い茂る自然の中、七人は持っていたゴキブリポーカーで遊び始めた。



吉田の手札

ゴキブリ×1

カエル×4

ネズミ×2


吉田の場

ゴキブリ×4

カエル×2

ネズミ×3

コウモリ×4


有り体に言うと、吉田は負けそうだった。

吉田のターンからだった、地獄が始まったのは。

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