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目失  作者: Homumin
6/10

6話 その幻想は最初から殺されていた

 体の表面が皮膚が、暖かさに包まれる。

 朗らかな光が、吉田悠也の瞼を開かせる。

 春の日差しが眩しくも、優しく、吉田を照らしていた。


「ここは_____」

吉田悠也は思い出す。ここに至るまでの経緯を____。

*****************************


強風により電車通学の生徒に合わせた早期下校になった。早く家に帰れると知った周りの生徒達は、喜びに満ち溢れているのが見て取れた。

勉強は学生の本分。しかし、周りは勉強を毛嫌う者ばかり。吉田は呆れ返っていた。

吉田は____。





誰よりも先に帰っていた。



高鳴る胸を抑えながら帰宅する彼の足取りは軽く、Y字路に差し掛かる_______。


彼の記憶はそこで止まっていた。

*****************************

 立ち上がり、辺りを見回す。



 正面には断崖絶壁。それ以外は木々が生い茂る森。一度、奥に足を踏み入れてしまえば迷ってしまう。アウトドアの知識、経験の無い吉田でも、理解するのに時間はかからなかった。

 思考に耽っていると、茂みから人が現れた。

 「目が覚めたのか、やっさん」


 泥か何かで少し汚れた格好の鈴木、山田、大門、横濱が立っていた。

 「あー、重かった」

 担いでいた何かを大門と、横濱が地面に降ろした。橋本と中屋敷だった。


 吉田悠也は思考を巡らせたが、この状況の答えが出ない。情報が少なすぎる。

 自分も同じように鈴木達に運ばれてきたのだろうか、だとしたら何故、「__ん」森の中に自分は眠っていたのか何「__っさん」故自分は何故何故何故何故__。

「やっさん!!」

 耳元で起きた急な爆音。瞬間、原因である男の背後に回り、拘束する。__イメージは完璧だった。


「イメージするのは最強の自分___」

 尻もちをつきながら、吉田は呟いた。


「ったく、さっきの話、絶対聞いてなかったでしょ。もう一度話すのも面倒だから簡単に言うよ」

 横濱が気怠そうにぼやく。

 「いやいや、聞いてた聞いてた。うんうん、で、なんだっけ」

 呼吸をするように、それが当たり前なんだと、そう言わんばかりに、堂々と嘘をついた。しかし、周りの者は何も気にしている様子はなかった。どうやら、分かってくれたようだ。単純な奴らで助かった。


 横濱が口を開く



「遭難した」

人物紹介

内容は、吉田悠也の独断と偏見


吉田ヨシダ 悠也ユウヤ

 本作の主人公 人畜無害の人間 一日に一度だけ未来を視ることが出来る。



鈴木スズキ ヒジリ

 吉田のクラスメイト 吉田とは休日にゲーセンで一日中遊ぶような仲

 何をしても平均的な男 常識人



山田ヤマダ ミヤビ

 吉田のクラスメイト 言動全てが周りの人間に戦慄を与える男

 ホモなのか、ゲイなのか、人間なのか、謎が多いようで少ない



大門オオカド 駿河スルガ

 吉田のクラスメイト 基本的に下ネタしか話さない

 "うんこ"だけで心の底から笑うことのできる低俗な人間



横濱ヨコハマ タツキ

 吉田のクラスメイト

 温厚な性格をしているが、気に入らないものには毒を吐く。



橋本ハシモト 浩太コウタ

 吉田のクラスメイト アイドル沼に頭からダイブして帰ることが出来なくなった男

 金のためなら大体のことは何でもやるクズ



中屋敷ナカヤシキ 雄輔ユウスケ

 吉田のクラスメイト 頭はいいが、どこかに違和感を感じる男

 宇宙人と噂されている そして、シャンプーが髪に合っていない

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