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目失  作者: Homumin
1/10

1話 大事な妹

立ち入り禁止の看板を無視して、柵を越える。

水を多く含んだ土を踏む度、不快な音を立てていた。

吉田悠也は思い出す。あの、眩しかった日々を____。

*****************************


窓から光が差し込むと同時に、甘やかな声が耳元で脳を溶かす。

「おはよう!起きてお兄ちゃん!」

「起きて下さい。…後5分じゃありません!いい加減にしないと…。」

「お兄ちゃんは眠気なんかに絶対負けたりしないよね!」

月曜日の朝から元気な妹だ。

吉田悠也は目を覚ます。手を伸ばし、スマートフォンから流れ出る妹の声を停止させる。

今日も妹は可愛いなぁ。吉田悠也は妄想に耽る。

しかし、その選択は危険だ。忌もうとに見つかる可能性がある。

それだけは、駄目だ。

二つ下の忌もうと。彼女は同じ高校に通っている。妄想に耽っている瞬間を見られたならば、

終わる。色々な意味で。

吉田悠也は決意する。

吉田悠也には秘密がある。人には言えない秘密が。

双眸が光り輝く。イメージが脳裏に過る。

四角い部屋 激しい獣 二つの瞳 走る口 冷気 ナイフ 檻

「アッ、アッオッアッ!み、未来が見えた…。」

吉田悠也は一日に一度だけ未来が見える。

見えた未来は、生き地獄。

飢えた獣は、死んでいた。

立ち下がり、立ち上がる。

吉田悠也は、選択を間違えない。

今日は月曜日、学校に行かなくてはならない。襖を開けて、母の作った温かな朝食をいただく。

白米、納豆、卵焼き。そして、ミルク。

吉田悠也の朝はこれで始まる。

__________________________________________________________

朝食と身支度を済ませ、玄関を開ける。

吉田悠也の長い一日が、始まった。

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