プロローグ
作者の暇つぶしに作られた設定をもとに作った作品です。痛いかもしれないですが温かく見ていただけたら幸いです。もう一つのがてんで進んでないくせに二つ目に手を出す、失踪フラグかな?
約5万年前、世界は魔法で満ち溢れていたという。
魔法生物と呼ばれる、幻想でしかない『精霊』や『ドラゴン』などがいて、人間の中にも魔法を極め、空間を捻じ曲げ、超長距離を転移することができたものもいたらしい。
だが、それも5万年前までの話。
神災。
当時の魔法使いたちの文献の最後に、必ず記されていた単語だったらしい。
曰く、それは神の御業である。
曰く、それは神の怒りである。
曰く、それは神による罰である。
曰く、それは魔法を消し去るものである。
曰く、それは魔法を否定するものである。
曰く、......
書き方、捉え方は様々だが、そのすべてに共通していたのは、それが神が引き起こしたと見まごうほどの災害であったこと。それは何の前触れもなく起きたこと。これが起きた直後、いや、瞬間から魔法は消えてしまったこと。
たとえ、どんな場所であろうと存在していた精霊は消え、絶対的な王者で、陸海空を支配していたドラゴンは堕ちたのだと、それは示していた。
一つも、例外なく。
ゆえに魔法使いたちは誰一人欠けることなく、一般人に、いや、魔法以外に道を見出さなかった者たちはそれ以下になってしまったのだ。
ある魔法使いは慄いた、かつてない災害を前に。
ある魔法使いは嘆いた、私の努力はなんだったのかと。
ある魔法使いは恐れた、神の怒りを。
ある魔法使いは怒った、私の人生を神は否定するのかと。
ある魔法使いは祈った、神の怒りが静まることを。
ある魔法使いは誓った、この災害の情報を後世に残すことを。
それが約5万年前に起きたことである。詳細は残念ながら失伝してしまった。当時は確かに技術的には現在よりも進歩していたが、それは魔法が、だ。紙はあったが、それを5万年もの間保存することは不可能であった。もちろん石板に記した者もいたが、それも5万年という長い年月によりほぼ解読が不可能になってしまった。写本もきちんと写しておらず、情報がすべて虫食いになっている。
だから、今、この世界の人間たちは神災がどんなものであったかを知らない。言葉としては知っていても、それがなにであったかは知らないのだ...
失踪しないよう頑張ります






