表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄の結末と真相  作者: 東 万里央
アデライードサイド
24/28

真相(6)

 それからのジェラールとの日々は、ほんとうに楽しくてならなかった。私たちはきょうだいで、親友で、いつもいっしょにいた。


 父はよく「お前たちは二人で一人なんだね」、と笑いながら目を細めていた。ジェラールはなぜか顔を赤くして頬をかいていたっけ。


 ジェラールは明るくて強くて頼りになって、ジェラールがいると不思議となんでもうまく行った。フィリップ様との婚約が決まったのもこのころだ。


 そんなふうに毎日が幸せ過ぎたから、私はすっかりここが乙女ゲームの世界で、自分が悪役なんだってことを忘れていた。だから、きっと神様が思い知らせようとしたんだろう。


 ある朝私はいつものように起き上がろうとして、身体がまったく起こせないのに気づいた。だるくて頭が痛くて死んでしまいそうだった。


 いっこうに呼び鈴を鳴らないのを不審に思い、メイドが部屋に飛び込んで来たのは、それから二時間後のことになる。すぐさまお医者様が呼ばれ、三日がかりで診断が下された。


 私の病気は身体が血をうまく作れなくなるものだった。死病ではないけれども重病で、学園への入学は無理だと宣告されてしまった。


――目の前が真っ暗になるのを感じた。


 そんな、ゲームのスタート地点にすら立てないだなんて。努力でどうにかすることも許されないだなんて。ジェラールのおかげでやっと希望を持てるようになったのに。この世界もそんなに私が嫌いなんだろうか? 


 私が絶望しかけたその時に、ジェラールは再び目の前に現れた。


「俺がアディになるよ」


 とんでもない申し出だった。ジェラールは私の身代わりになって、学園に通うと言うのだ。決して諦めるなとジェラールは言った。


「そんな、だめよ!!」


 私は必死に首を振った。

 

 そんなことをしてしまったら、ジェラールの人生はどうなるのだろう? もうたくさんの幸せをあなたからはもらっている。


 これ以上何も奪えないと私は首を振った。ところがジェラールは私の手を取ると、にっと笑ってこう言ったのだった。


「なあ、俺達は二人で一人なんだろ?」


 「だったらさ」と屈託のない笑顔を見せる。


「だったら俺に任せとけ! 絶対に王太子の嫁さんにしてやるから!」


――ねえ、ジェラール。あなはどうしてそんなに強くて優しいの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ